健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

時間と場所を指定して遺伝子の働きを抑制

2015-03-30 08:30:58 | 研究
指定した時期に狙った細胞だけで遺伝子の働きを抑える新しい手法が開発されたそうです(財経新聞)。遺伝子の働きを知るためには、その働きを阻害した際に現れる影響を観察する必要があります。そのため、狙った特定の時期に、狙った細胞でだけで遺伝子の働きを制御できることが望ましいです。今回の研究では、異なる性質を持つ2つのプロモーターを使って、片方は指定する時期、もう片方は指定する細胞でのみRNAが発現するようにして、両者が合わさったところでのみRNAi(RNA干渉)を引き起こす新しい手法「T.C.RNAi法」を開発したそうです。実際に2つの細胞にGFPを発現させて、フォトブリーチングで蛍光を一時的に消失せたところ、熱刺激を与えなかった場合は通常の細胞でのGFPの明るさは正常に回復したが、GFPの発現を抑えるT.C.RNAi法を施した細胞では熱刺激を与えるとGFPの明るさは回復しなかったそうです。このT.C.RNAi法が、幅広い遺伝子に対してその働きを時期・細胞特異的に抑える手段として活用できると期待されるそうです。
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