健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

iPS細胞とES細胞の違い

2015-03-22 08:30:19 | 研究
ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞(人工多能性幹細胞)では多くの遺伝子が異なる発現様式を示しているという報告がある一方、特定のiPS細胞はES細胞とほぼ区別がつかないという報告もあったそうです。ただし、これらの解析は主にタンパク質の設計図となるメッセンジャーRNA (mRNA)やタンパク質の設計図として用いられないRNAであるノンコーディングRNA(ncRNA)だけを解析したもので、ES細胞とiPS細胞のncRNAを網羅的に解析する研究は行われていなかったそうです。そこで、ES細胞とiPS細胞で発現する全てのRNAを比較解析し、ES細胞で発現しているncRNAの多くが、iPS細胞では十分に発現していないことが明らかになったそうです(財経新聞)。ncRNAとは、タンパク質の設計図として用いられないRNAの総称です。塩基配列に依存しない遺伝子の調節機構や転写、翻訳といった生物の活動の中枢をなす反応、幹細胞性の維持など、さまざまな働きに関与するncRNAが次々に報告され、その重要性に注目が集まってきています。
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