健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

夜間の傷は治りが遅い

2017-11-29 08:30:53 | 研究
夜間に負った外傷は日中に負ったものよりも、治りがはるかに遅いとの研究結果がScience Translational Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。傷の回復速度を制御する体内時計が、日中の方がより効果的に機能するためだということのようです。論文によると、切り傷ややけどを昼間に負った場合、夜間に負った場合に比べて傷の回復が約60%速いそうです。これは、体内時計(概日リズム)が原因でこの差が生じていると考えられるしているそうです。今回の研究は、生きたマウスとヒト皮膚細胞を用いた実験に基づくもので、英国のEnglandとWalesにある重症熱傷治療部門のやけど患者118人の記録による裏づけを得ているものだそうです。午後8時~午前8時に発生した夜間のやけどは、回復に要する期間が平均で60%長かったそうです。論文によると、夜間のやけどが95%回復するのに要する時間は平均28日。一方、昼間のやけどは平均17日で回復した。その理由は、皮膚細胞がアクチンやコラーゲンなどのタンパク質を使って傷を修復するために負傷部位まで移動する速度が、日中の方がはるかに速いからだということだそうです。マウスと細胞でも同様のプロセスが確認。このことは、体内時計がこのプロセスをつかさどっていることを示唆していると。

http://www.afpbb.com/articles/-/3149867
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