健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

心臓手術は午後の方が望ましい

2017-11-10 08:30:39 | 研究
心臓切開手術を午前中に行った場合には、午後に施術した場合と比べて、術後に重篤な心臓障害を起こす危険が2倍近くになることとの研究結果がThe Lancetに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。論文によると、術後の結果に驚くべき相違をもたらす主原因がわれわれ自身の体内時計であることが明かされたそうです。午前中に心臓手術を行った人の方が、術後の心臓障害が多く起こっているというのです。体内時計は身体の昼夜サイクルを管理し、それによって睡眠パターンやホルモンの分泌、さらに体温を調節しています。今月初めにノーベル生理学医学賞の受賞者に選ばれた科学者3氏は、体内時計の仕組みを解明した先駆者でした。今回、それぞれ午前と午後に半数ずつ、計600人近い心臓弁置換術を受けた患者の医療記録を調査。組織試料の遺伝子分析によると、概日リズムに関連する数百の遺伝子は、午後に手術を受けたグループの方がより活発だったそうです。これは心臓もまたわれわれの体内時計に影響されていることを示すものだそうです。今回の研究結果を受けて英国Medical Research Council Laboratory of Molecular Biologyの専門家は、体内時計が心臓手術の結果に影響する可能性を指摘しつつ、その理由と、この現象をどう活用するかについては、さらなる研究が必要としているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3148372
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする