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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

報奨金で禁煙成功率上昇

2017-11-09 08:30:52 | 研究
喫煙者に報奨金を与えて禁煙への意欲を高める方が、単に禁煙方法に関する助言を与えた場合に比べて禁煙の成功確率がはるかに高いとする米国の研究結果がJAMA Internal Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。論文によると、このアプローチは喫煙者数を削減する手段を提供する可能性があるということです。米国の喫煙者数は近年、全人口の約5分の1で横ばい状態となっているそうです。喫煙率は、貧困層の間でより高く、論文の参考資料によると、2015年の米国の喫煙率は貧困ライン未満の人口で26%。貧困ライン以上の人口では14%だったそうです。研究は、被験者352人を対象とする無作為化臨床試験を米国マサチューセッツ州ボストンで実施。被験者は病院の待合室で募集。臨床試験に参加した被験者は、全員がたばこを1日に10本以上を吸う喫煙者で禁煙を希望。多くはアフリカ系米国人の女性だったそうです。被験者の一部には、禁煙を助けるために利用できる小冊子と地域の支援サービスのリストを与えたそうです。残りの被験者には、同じ資料を与えるとともに、「患者ナビゲーター」による禁煙方法に関するカウンセリングセッションを受講させ、禁煙に成功すれば現金を受け取ることができると伝えたそうです。被験者らは、期間1年間の臨床試験への参加時、禁煙に対する報奨金の金額については教えられなかったそうです。試験期間が半ばを過ぎた時点で、禁煙に成功していた被験者には250ドルを支給し、12か月経過時点で喫煙していなければさらに500ドル支給すると伝えたそうです。試験開始後6か月までに禁煙に成功した被験者の割合は、報奨金グループが10%近くだったのに対し、小冊子だけ与えたグループは1%足らず。開始後6か月までに禁煙できなかった被験者には、報奨金への挑戦を続けるチャンスを与えたそうです。12か月後、介入グループの12%が禁煙に成功した一方、対照グループの禁煙成功率は2%だったそうです。喫煙者が本当に禁煙したかどうかは、尿と唾液の検査で確認したそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3148702
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