文字には表情がある、いや持たせることが出来る・・・そんなことを感じたのは、
拙ブログ「さんま苦いか塩っぱいか・・・
(佐藤春夫詩「秋刀魚の歌」)」(2018.10.08付)でのことでした。
この“苦い”や“塩っぱい”は意識してそれらしく書いてみました。
こういう“らしい文字”にこれからチャレンジみようと思います。
その対象は、人間の感情、意志あるいは物や物事の状態など多様にわたります。
漢字、仮名、ローマ字・・・なんでもあり、です。
主に筆で書きますが、そうでない場合もあるかもしれません。
新たな試み、楽しみながらやっていきたいと思います。
手始めは人間の感情の代表 「喜怒哀楽」です。
個々の字を“らしく”表現するとともに、
チョイとムリ筋ながら、字をお互いに呼応させ、以下のようなミニミニ ストーリも。
「喜」は喜んだ顔をイメージしながら・・・。
紙面の上に位置し、仲間全体を見やるとともに、
中でも、ネガティブイメージの”怒”や“哀”の2文字を
にこやかに包み込むように、その方向に向けました。
“寛”や“笑”の役割も荷っておくれ!
「怒」は4文字の中では最も強く書きました。
“もりかけさくら”のバカ野党をテレビで見てるときの、わが顔でありましょう。
線を鋭角的に中央に集め、その表情を作るとともに、
強い線の矛先は、ポジティブイメージの“喜”や“楽”に。
「哀」には“哀愁”“悲哀”・・・いろいろ深い意味合いがあります。
グラデーション入りの薄墨で入り、哀しい風情で、細々と右下がりに・・・。
でも、哀しいことに出遭うのも世のならい、
最終画の小さなハネは元気を出さねば、とのささやかな気持ち。
「楽」はとにかく楽しく、ルンルン、ホイサッサの気分。
一方人生、ストレスから逃げることも、生きるための大事な知恵。
視線を感じる“怒”や隣の“哀”を避けるがごとく、
左下方向へ ソソクサと・・・小さく手を振りながら。
・・・てなことを、
上述のような説明なしで、その意図が分かる作品に、
との無理難題は 家内の弁。
小生、明日で80歳の傘寿です。
出来れば「喜」のような人生を送りたいもの
・・・こちらも夢の又 夢・・・。
古稀から始めて10年間、本作で425枚目と相成りました。
ここまで続けてこられたのも、
コメントやご指導をいただいたり、閲覧いただいたり、励ましをいただいたりなどした
皆々様のおかげであります。
厚く厚く御礼申し上げます。
喜・楽は本当に喜んでしかも楽しそうに感じますし、怒は怒りを感じますし、哀は悲しそうですね。この辺は、絵も描かれる才能の現れですかね。
説明を読みながら今度は「成程」と又感心する次第です。
そこには有りませんでしたが、当然墨の濃淡も意識されての事でしょう。
話は変わりますが、傘寿本当におめでとう御座います。ブログこれからも楽しみにしています。
楽しい、ワクワクする!そばにおいていつも見ていたい・・・、そんな作品です。
文字に感情がある、そしてそれが一目でわかる、作者の心と技があるから出来るのでしょう。
10年と425枚の作品に囲まれた素晴らしい80歳、目標にしていきたいです。