印鑑証明が必要だからすぐに速達で送って!と長女から電話があった
それで散歩がてらに徒歩で市役所まで出かけていった
スーパーマーケット駐車場の前まできたら3人の女性が自転車とおばーさんを見ているのだが なんだか様子がおかしい
近づいてゆくと自転車は倒れていておばーさんは起き上がろうとしているが倒れてしまうようで このままで良いのか救急車を呼んだらいいのか喋っているようだ
「救急車はいい 救急車はいい」と叫んで おばーさんは立ち上がったが左足に力が入らず踏ん張れないのでオイラの方へ倒れてきた
オイラは後ろから受け止めた
救急車を呼ぼうと言うと50代ぐらいのおばちゃんが覗きにきた
おばちゃんオイラを睨んで言うのだ「どうしたの!?何をしているの!」
三人の女性が自転車の乗っていて倒れたんだわと言ってくれたので助かったが
オイラが一人だったら警察に通報しかねない視線だったなぁ・・・
そのおばちゃんは「こりゃイカンわ!」とさっさと立ち去ってしまった
「大丈夫だから!絶対に救急車は呼んじゃいかん!」
「それならお家の人に連絡はつくの?」
「家には誰もいない」「どうするの?」「こんな重たい自転車は駄目だわ」
「救急車にしなさい」「どうする?」
「警察の方がいいよ」「このままでは・・・」
「やっぱり救急車だ」「とにかく休みなさい」
みんなが一斉に喋りだしが おばーさんをとにかく座らせて!ということになった
幸い倒れた場所の横にキャバレーがありその駐車場にちょうど腰掛にもってこいのコンクリートの車止に座らせることになった
大丈夫! 大丈夫! 大丈夫 !大丈夫 !ここで休んで行くから大丈夫!
おばーさんは「大丈夫」の連呼になりとにかく大丈夫だから!ここで休むと!頑として聞かないのだ
それでは仕方が無いというか・・・ここで充分に休んで・・・そして自転車も休んでいる場所まで運んできてが
自転車の住所欄はこの場所から1時間はかかるという住所だった
それでオイラと3人の女性は 大丈夫でしばらく休んでいると言うおばーさんの言葉で
その場所を離れたが なんだか 心残りだった
それで市役所からの帰りにその場所へ行って見たが おばーさんと自転車の姿は無かった