本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

トビタシネマ&飛田東映。

2010-03-19 12:47:43 | 
今日の写真は大阪西成の動物園前・山王交差点に昔からある「香豆里(コーズリー)珈琲館」のサイフォンコーヒーとモーニングのセット380円也である。単にモーニングを注文するとゆで卵とトーストが付いて来てこの値段になるが、どちらか一つにすれば330円になる。「昔から」と言ったが、私が初めてこの界隈に来た20数年前には既にこの店は今の状態であった。当時モーニングは250円だったと思う。他にチェーン店があるようだが私は行ったことはない。今回私が席に就いて暫くすると見知らぬ老人がいきなり向かいに相席して来て、猛烈に話かけて来た。彼はこざっぱりした背広姿で、渋いネクタイと金ピカのネクタイピンをしていて黒いベレー帽を被っていた。一見おしゃれでまるで「この辺の人間とは違う」と言外に表明しているかのようだった。彼はこれからミナミに行くのだと言った。74歳だというその老人は最近刑務所から出て来たばかりで今は一泊1,500円のドヤ暮らしだと言う。前科何犯か知らないが、人生の大半を刑務所で暮らして来たから、ムショのことなら裏も表も知っていると豪語した。金がなくなればこの地域の某「組の事務所」に行けば(組長と懇意だから)黙っていても1万5千円はくれるとも言った。私は刑務所関係の裏話をもっといろいろ聞きたかったが、彼は次々私には退屈な話題へと方向転換し、しまいにはそれが彼の願望なのか、道行く女子高生をシモネタでからかうと楽しいなどと言い始めた。店員は彼に水と紙おしぼりを持って来たが彼は「コーヒーは嫌いだ(!)」と言って全然注文する素振りを見せなかった。あるときは飲み屋で連れと喧嘩になって懲役を食らったと言い、またあるときは喧嘩後警察官の取り成しで目出度く両者無罪放免になったとも言った。で、彼はいきなり「飲みたいな?」と私に振って来て「俺は必ず借りは返す」と保証した。私も途中から気づいていたが、要はただの「タカリ」なのであった。私は店を出た。 . . . 本文を読む