2015.05.19 ZAkZAk
高校1年の男子生徒(15)が母親と祖母を刺し殺す残忍な事件が横浜市
戸塚区で起きた。父親が単身赴任中の惨劇だった。男子生徒は「勉強のこ
とで注意され…」と供述しているが、家族2人を殺める動機としては軽す
ぎる。15歳という多感な時期を踏まえても犯行に走った心理を理解する
には苦しい。専門家は、まじめな子供に時に表れる突発的な暴発を指摘す
る。
神奈川県警戸塚署に18日夜、戸塚区内の自宅で、パート勤務の母親(50)
と無職の祖母(81)の胸などを刺して殺害したとして殺人容疑で逮捕され
た男子高校生。
現場となった自宅はJR戸塚駅から車で南に約10分。閑静な住宅街にある
2階建ての一軒家で、一夜明けた19日午前、ブルーシートが張られ、半径
50メートルへの立ち入りが規制されるなど物々しい雰囲気に包まれていた。
2階にタオルやTシャツなどが干しっぱなしで、凶行が突然の出来事だった
ことがうかがえる。
男子生徒は犯行後の18日午前、戸塚署の交番に「人を殺しました」「おば
あさんとお母さんを刺した」と自首し、カバンから凶器とみられる包丁(刃
渡り約17センチ)1本を取り出した。県警の調べに「ケンカになって刺し
た。生活態度や勉強のこと、将来のことで注意され、母と祖母に頭にきた」
と供述している。
同署は19日にも2人の遺体の司法解剖を行い、死因特定や死亡時刻の推定
などを行う。
男子生徒は母親と祖母のほか、中学1年の妹(12)、単身赴任中の会社員
の父親(50)との5人家族で、妹は当日、学校に通っていた。
中学、高校時代の評判は粗暴というよりは「普通の子」という声が少なくな
く、知人は「中学校の部活動は柔道部で成績も結構良かった。普段はまじめ
で、いつも場を盛り上げる役回りだった」と振り返る。
犯した行為と対照的な評判が何とも不可解だが、新潟青陵大学大学院教授の
碓井真史(まふみ)氏(社会心理学)は「子供にとって、親は自由を奪う存
在で、自立のための重しになっている面がある。多くの子供は、親からの抑
圧に反発するが、殺人にまで発展することはない。こうした極端な方向に走
るのはまじめな子供が多い」と解説する。
「親にとっても子供の小さな反抗というのは関係進展の1つのきっかけにな
る。それができないと、子供が負の感情をため込んでいきなり爆発すること
がある。父親の不在も大きい。両親がそろっていれば、どちらかが心のより
どころになり得る」(碓井氏)。未然に防げなかったか。
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