横尾美穂と声

シンガソングライター、ボイストレーナー、ゴスペルシンガー

横尾美穂の声と生活

私と声 その⑦ ゴスペルと私

2009-08-06 17:32:43 | プロフィール
ミラクルで、ゴスペルを歌い始めて数ヶ月。メンバーから歌詞の意味を聞かれるようになる。キリスト教系の大学だったし、想像はできたが、歌詞の意味が私の実体験でないので、なんとも説明に説得力はなかった。ゴスペルって、歌詞の背景が大切なのかもしれない、と気づき始めつつも・・・最初は、歌う楽しさだけを追求していく。しかし、言葉では表現できない、ゴスペルの力は感じており、ゴスペルを歌う経験は、自分の人生に大きな意味をもたらすような予感はあった。それがなんなのか、なんとなく怖れもあった。ただただ充実した時間や友達を与えてくれたことへの感謝には満ち溢れていた。

ゴスペルを歌っていたら、知らず知らずに、クリスチャンの知り合いができた。最初に出会ったクリスチャンの方は、H牧師。ミラクル第一回目のコンサートパンフレットに、H牧師が主催するゴスペルのライヴのちらしの折込に来たのだった。(H氏は、東京を中心に牧師業をしながら、ゴスペル音楽とそのメッセージを日本全国に紹介する働きをしている。)最初は説教されるのかと、警戒していた存在であったが、出会いから一年、あるイベントがきっかけで、H氏と再会。H氏の話す、聖書のメッセージに興味を持つようになっていく。

H牧師の話す技はすごい。常に色々なことにアンテナをはり、ネタ探しをしているのだろう。聞くものの興味を引くように、様々な角度から聖書を切り込んでいく。とくにH牧師の声の色。関西弁であるが、とてもやわらかく、ほんの少~しだけかすれたような声で、トーンが低すぎもなく、高すぎもなく。押しつけがましくない声なのだ。

H氏に限らず、牧師の方々の声や話し方もいろいろで、もちろん内容にも耳を傾けますが、ついつい声などを分析したくなる私なのです。

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私と声 その⑥ ゴスペル in  日本 

2009-08-06 16:07:38 | プロフィール
アメリカ留学から帰り、すぐゴスペルを歌ったのではない。

まず、就職活動を開始した。そこで目に留まったのは、環境関係の専門職。オレゴンはリサイクルや、自然保護など環境に関する活動が活発で、その影響も受けており、また自転車も好きだったり・・・。試験を受けて、就職。内定通知を頂く際に、私の直属の上司がこのような話をしてくれた。環境啓発活動には、芝居で言うところの、脚本家、演出家、役者、舞台づくりなどの役割があり、その連携によって成り立つのだ、と。芝居~!楽しそう!!、と心はわくわくだった。社会人として何も知らない私。失敗や涙もあったけど、スタッフは良い方々ばかりで、とても楽しく、良い経験をさせていただいた。環境という視点ではあったが、何かを人々へ伝えるというための方法や企画を考える、人前でプリゼンテーションするトレーニングをさせてもらった。

さて、仕事をはじめ、環境の専門家になろうかと思いきや、沸々と歌への思いが捨て切れず、とくにアメリカで経験したゴスペルをここ日本でも歌いたいと思っていた。

就職半年が過ぎたころ、大学時代のミュージカル仲間に声をかけ始めたのが「A Miracle In Sapporo」(通称:ミラクル)というゴスペルクワイアであった。

多い時期には70名以上のメンバーがいた。とにかく、いろんな人種(日本人だが、様々な方々という意味で)がいて、リーダーとして大変なことも多々あった?!が(笑)、とてもおもしろいメンバーだった。そして、何と言っても、ミラクルの声は、本当に良かった。

このようにして、日本でもゴスペルを歌う機会ができたというわけだ。


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