横尾美穂と声

シンガソングライター、ボイストレーナー、ゴスペルシンガー

横尾美穂の声と生活

頑丈なぶどう棚

2013-10-13 15:13:34 | 日記・その他

昨日は、家族で私の両親に会いに行きました。そして、お庭で実っているぶどうを収穫してきました。

父は、この数年、目の難病、癌、薬の副作用か原因不明の味覚障害のゆえ、どんどん痩せ細り、気力も失いかけていました。
母は父の変化を受け入れていくことの大変さを感じながら日々光が見えずに歩んできていたと思うし、父は父で、自分でどうすることもできない体の状態に生きる気力をなくしかけていたと思うのです。

しかし、この数ヶ月前、母が乳癌であることがわかり、片方を全摘することになりました。父も母もショックでしたが、その試練はふたりの絆を強め励ますものだったと、今は思うのです。

自分が弱っていても母を気遣う父。痛い思いして、不安なはずなのに、父のことを気にかける母。

父は痩せて、筋肉も弱って、気力もなかったから、歩くのもままならない状態でしたが、手術前に、手を引っ張り支えながら、一度だけ入院中の母に会いに行きました。

別れ際に、入口で、互いの手を握り合って、「がんばってね」「お父さんも、がんばるんだよ・・・」って、言葉は短かったけれど、ふたりが互いを思いあっているのが十分に伝わりました。

素直に、そんなふたりの子供で幸せだなと思いました。 

正直、両親はいつも仲良くて、けんかもしない夫婦ではなかったので、学生時代はそういう両親を尊敬できずにいた時もありました。
でも、自分も結婚して、夫婦の関係は複雑だと知り、少しずつ両親を理解できるようになりましたが、今回、父と母のやりとりを見て、純粋に嬉かった。

そして、昨日、父に微笑が戻っていました。10日前から、少し味覚も戻ったと母が喜んで教えてくれました。母も、「父さんといるのが一番」といつも口にしています。父もお母さんが術後元気になってきたので、きっと安心して免疫が上がったのかもしれませんん。

この先、また状況が変化するかもしれないけど、ふたりがすべての状況を受け入れあっていくプロセスと見せていただいて、たくさん教えられます。

実家のお庭に、両親がつくったぶどう棚。今年は、豊作でした。甘くて美味しい。

父が元気だった頃に、雪にも負けないようにとつくった頑丈な鉄のぶどう棚。丁寧で、少し心配性の父ですが、その鉄棚のように、頑丈に、強く、家族を守ってくれた父のおかげで、私たちも安心して育つことが出来ました。

感謝。

 


1 コメント

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がんばってるね (hiroyon)
2013-11-10 21:13:32
なんか 胸一杯になったよ

お父さんも お母さんのために頑張り、
お母さんも  お父さんのために頑張り
そして 互いをいたわりあい。
 
  みほりん  祈ってるよ。
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