ドタ日記

ドタの毎日の様子をエッセイで書き綴ります

演奏会の下書き原稿を書いていました。

2007-03-14 22:22:36 | Weblog
演奏会当日に配る、プロフィールと「歌と私と人生」みたいな紹介文の原稿を書いていました。
書きながら何かいろいろこみ上げるものがあり、涙しながら書いていました。
長文ですが、一足早く、載せてみます。
      
大学を卒業して31年の月日が流れ、当時、何気なく選んだテーマが「知恵遅れの子 のための音楽指導の卒業論文。」
まさか6年後にわが子が障害児を授かるとは露知らず、
卒業演奏会ではオペラ運命の力より「神よ 平和を与えたまえ」を独唱しました。
オペラのアリアを歌うのは卒業演奏会が最初で最後だと自分で確信しておりました。
大学を卒業して私は音楽教室で幼児を教えて、平凡に結婚して、平凡に生きていくつもりでした。
それが一変、長男が自閉症の障がいがあると診断されたときから私の人生はがらりと変わったのです。
そのとき、私の脳裏に真っ先によぎったのは卒業論文で選んだ障がい児のテーマであります。
私がいい加減な、安易な気持ちで選んだテーマだから、「自分の子と共に勉強していきなさい。」と天から授かったものだ。そう受け止めたのです。
それからは当時住んでいた大阪の地で、発達訓練のために京都、大阪、奔走した毎日でした。
長男が小学校入学と同時に夫の転勤で横浜の地に引っ越してまいりました。
初めての関東の地、家族以外、知り合いはいません、(親戚の叔母は町田にいましたが)
そんな中、長男が小学校になじめるよう、母親である私が自ら学校の中に入っていろいろ活動してきました。
PTA役員、市民図書読み聞かせの委員。そうこうしているうちにPTAコーラスを忙しい先生に代わって指導することになりました。
コーラス指導するなら、自らがもう一度、声楽を学ばないといけない、そう確信して芳賀美穂先生のボイトレを受けることになりました。
当時、イタリアから帰国したばかりの先生の本場のベルカントの発声を一から教えていただき、私は歌う楽しさを知ったのです。
36歳のときです。
それから私にとっては歌うことは生活の一部、歌は私の体、心を解きほぐしてくれる、
なくてはならないものになっていったのです。
合唱を通して徐々に音楽を通して仲間が増えてきました。
私の演奏活動は保土ヶ谷の地で草の根的な活動でした。
老人ホームではお年寄りとともに、昭和の懐かしい歌をたくさん歌ってきました。
障がい者施設では一緒に音楽を楽しんでセッションしてきました。
障がい児を授かったとき、目の前が真っ暗になり「、私はこれから何もかも犠牲にして
この子と向かい合って生きていかなくてはならない」と思いました・
しかし、25年経て私は失うどころか、すばらしい人生の経験を積み、いい仲間に
すばらしい先生方に出会い、得ることがたくさんあった。そう断言できるのです。
そして大学を卒業して31年。
53歳になった私が単独のコンサートを開催し、歌うことは当時の私では考えられないことなのです。
私が経験してきたすべてのことをこれからは、多くの方々に還元していきたい。
私の魂の歌をもっともっと勉強してこれからも歌い続けて生きたい、
そう念じてやみません。
私を支えてくださった皆様方に感謝をこめて、歌います。


最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うまく言えませんが (けんずぃ)
2007-03-14 23:52:38
感動しました。
人の生き方とは一つではないと…
そして
幸せは必ず訪れるものだと…

また、今の自分自身に甘んじてはいけないと思いました。

ありがとうございます。
返信する
けんずいさんへ (ドタママ)
2007-03-15 07:45:47
人間って不思議ですね。お会いしなくても文章で
価値観が分かち合えるんですものね。
人間の財産って、お金はもちろん必要だけど
お金以上に大切なのは、仲間だと思います。
人生で苦しいとき、そっと助けてくれる仲間が何人いるか、、、
私は人間大好き人間ですので、仲間がたくさんいます。
苦しいときは仲間に精神的に助けてもらいました。
幸せは自分で作り出していくものですね。
ブログ始めた当初からのお付き合い。
これからもよろしくお願いします。
返信する
魂の歌 (つよし・さーべっしゅ)
2007-03-15 11:43:53
なんか、読んでて涙が出ました。悲しいからじゃなく、ドタママさんの人間的な深みが自分のハートを突きました。
いろいろあったのですね。でも、おかげで本当の「魂の歌」を歌えるステキな人間に成長されたんだと思います。
私も、知り合えさせていただき感謝してます。
すばらしいコンサートになりますね。
今から、おめでとうございます、です!




返信する
つよし・さーべっしゅさんへ (ドタママ)
2007-03-15 23:12:51
50も過ぎると自分がこの世に何のために生きてきたかわかってきました、
魂の歌が歌えているかどうかはわかりませんが、
もっともっと勉強して自分の体を鍛えて
80歳でも歌える人になりたいと思います。
又、つよしさんの演奏も聞かせていただきたいです。
返信する
読ませていただきました (ラヴィアンローズ)
2007-03-16 00:01:40
演奏会に先がけて読ませていただきました☆
とても正直でまっすぐな文章です。
心に訴えてくるものがあります。

誰でも 一人ひとり自分の歴史がありますね。
その人生の歩みの中で 同じ門下、同じ志を持つ者として出合った事を嬉しく思います。
あと2週間! ご自愛下さい。
ご成功をお祈りしています。
返信する
ラヴィアンさんへ (ドタママ)
2007-03-16 00:21:55
ありがとうございます。
私も同じ志をもつラヴィアンさんと出会えてうれしいです。
私たちそれぞれが歩んだ道をその中から経験したことを歌を通して若い方々に知っていってもらえたら、、とお思います。
これからが私もラヴィアンさんも本領を発揮できる年です。
栗本さんのお写真HPで見ました。
86歳とは思えないすばらしいお顔でした。色香が漂っている、
その色香が決していやらしいものでなく、品のある神々しい美しさ、
すばらしいです。
あんなふうに年を経ていきたい。そう思いました。
5月、なんとしても聞きにいきたいです。
返信する
こんばんはぁ^^ (massaです^^)
2007-03-16 01:02:28
感動しました!

文章も素敵だけど、今までの生き様を、歌にこめて表現するんでしょうね・・・・

頑張ってくださいね!
返信する
massaさんへ (ドタママ)
2007-03-16 01:20:03
いつもコメントありがとうございます。
昔から表現力だけはあるのだけどテクニックが伴わないので、声が前に通りません。
背伸びせず私の出来る範囲の歌が歌えるようがんばります。
この年で、単独のコンサートをする大変さを、今、実感しています。

人生って不思議!と思う偶然はいくつか経験されていませんか?
私は不思議なこと、偶然性がよく起こります。

返信する

コメントを投稿