安倍晋三の22年連続人口増の東京一極集中にブレーキを掛けることができないでいる地方創生は焼け石に水

2018-07-12 09:54:54 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 日本の人口減少と東京一極集中の加速を次の記事が伝えている。「NHK NEWS WEB」(2018年2018年7月11日 17時01分)

 総務省が現在の住民基本台帳を基に纏めた2018年1月1日現在の国内の日本人人口は1億2520万9603人。昨年と比較して減少数約37万4055人で、平成21年をピークに9年連続の減少であると同時に昭和43年の調査開始以降最多の減少数。

 2017年1年間の出生数は2年続けて100万人を割る、昭和54年度の調査開始以降最少の94万8396人。

 都道府県別で人口増は東京、埼玉、神奈川、沖縄、千葉、愛知の6都県、41道府県では減少。

 東京の人口増は22年連続記録更新中で、昨年と比較して約7万人増の約1311万人という東京一極集中への加速。

 6年続けている全国最多の減少数は約3万4800人減った北海道。

 市区町村別で最も増えたのは福岡市の約1万1000人。最減少は同じ福岡県の北九州市の約6000。

 この福岡市増と北九州市減から窺うことができる人口移動からは都道府県単位の一つの自治体に於ける東京一極集中の地方版を見ることができる。県庁所在地として経済・インフラ共に発達して、その魅力によって同じ自治体の地方に当たる各都市から人口を吸収する。

 安倍晋三が政権を獲った2012年総選挙用のマニフェスト、「自民党J-ファイル2012総合政策集」」には次のような記述がある。

 〈地域コミュニティの再生

 地域の「きずな」を再生するため、町内会や自治会など地域に根ざした活動を行う団体等を支援します。各集落、小学校校区単位のコミュニティ活動や自治会またNPOなどの身近な団体活勣を支援する『コミュニティ活動基本法』を制定し、地域内の活性化を図ります。

 また、地方における人口定住を図るために、地域の様々な政策課題について、「集約とネットワーク」の考え方により、中心市と周辺市町村の相互連携を強化し、圈域全体を活性化します。

 さらに、個性豊かで誇りある地域づくりに向けて、民間アドバイザー派遺等の人材支援を推進するとともに、地域の人材力の向上を支援します。
〉――

 「地方における人口定住」とは東京一極集中化阻止の公約となる。その時点で東京一極集中は16、7年間連続記録を打ち立てていたはずだから、満を持しての公約の打上げだったはずだ。

 だが、政権を獲ってから5年半以上の年月が経過しているが、東京一極集中の22年間連続更新中の記録を打ち破ることができないでいる。

 2014年12月27日閣議決定の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」でも、東京一極集中是正策として、「地方への人材還流、地方での人材育成 、地方の雇用対策」を掲げている

■東京圏から地方へ約10 万人の人材を還流(2020 年までの5年間の累計)
■地方から東京圏への転入をとどめる人材育成、雇用対策により約20 万人の地方への定着を図る(2020 年までの5年間の累計)
■上記により、2020 年までの5年間の累計で30 万人の若い世代の安定した雇用の創出を目指す――

 先ず最後の「2020 年までの5年間の累計で30 万人の若い世代の安定した雇用の創出を目指す」は自発的非正規を除いて正規雇用での創出を言っているはずだ。でなければ、「安定した雇用」とは言えない。

 また、自発的非正規であったとしても、正規と同一労働であった場合は同一賃金を約束できていなければ、同じく「安定した雇用」と言うことはできない。

 だが、年々正規雇用が減少し、非正規雇用が増加、しかも同一賃金は殆ど実現できないでいるし、都市と地方の賃金格差は無視できない額となっている。

 勿論のこと、この賃金格差が東京一極集中、あるいは東京圏一極集中、さらには地方の大都市への一極集中とは無関係ではない。

 扶養手当、住宅手当、通勤手当等を含めて同一賃金が保証されていない状況下で東京圏が人口増加を続けているということは、「2020 年までの5年間の累計」として掲げた上記政策のどれも実現できないでいることになる。

 「まち・ひと・しごと創生基本方針」は2014年から始まって2015年、2016年、2017年、2018年と策定し、それぞれを閣議決定している。2018年6月に閣議決定した、「まち・ひと・しごと創生基本方針2018について~わくわく地方生活実現政策パッケージ~」は、「東京一極集中の現状」に触れている。

○若者を中心に、地方から東京圏へ毎年10万人を超える転出超過
○地方の若者は3割減少(15年間で△532万人)
○15歳以上の就業者は、地方では大幅に減少
(15年間で△228万人、東京圏は+160万人)

 「若者を中心に、地方から東京圏へ毎年10万人を超える転出超過」で、「地方の若者は3割減少(15年間で△532万人)」であるなら、2014年12月27日閣議決定の、「2020 年までの5年間の累計」で「東京圏から地方へ約10 万人の人材を還流」政策にしても、「地方から東京圏への転入をとどめる人材育成、雇用対策により約20 万人の地方への定着を図る」にしても、これらの地方創生は絵に描いた餅でしかなく、焼け石に水と言うことではないのか。

 安倍晋三の国会答弁や記者会見発言を見ると、どの政策も同じだが、力強い物言いとそのような物言いに合わせた派手なゼスチャーからすると、実現を疑わせない説得力を撒き散らしはするが、個人消費額が満足に増えないという一点で失敗を指摘できるアベノミクス経済政策を説明するときと同様、パフォーマンスに過ぎないことが分かる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする