安倍晋三の米シリア攻撃支持、プーチンをして北方四島をロシア領土として死守することを決意させたはず

2017-04-10 08:01:14 | Weblog

 2017年4月4日にシリア西部の反政府勢力支配地域に対してサリン等の化学兵器を使用したとみられる空爆が行われたことに米大統領トランプはシリア政府の攻撃と断定、「人間性を踏みにじる行為」と批判、「化学兵器拡散を阻止」するとして4月6日(日本時間7日午前)、同国内にあるアサド政権の軍事施設を巡航ミサイルで攻撃した。

 この攻撃に対して我が日本の首相安倍晋三は4月7日午後3時6分から同16分までの10分間国家安全保障会議を開催、午後3時32分から同34分まで首相官邸で記者団に米国支持の発言を伝えている。

 安倍晋三「シリアにおいて再び化学兵器によって何の罪もない多くの一般人が犠牲となりました。幼い子供たちもが犠牲となった惨状を目の当たりにして、国際社会は大きな衝撃を受けています。極めて非人道的であり、国連決議にも反します。

 化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を日本政府は支持いたします」

 トランプを信頼しているだけあって、なかなか素早い、そして力強い支持表明となっている。

 トランプのシリア攻撃が北朝鮮に対する牽制になると大方が見ていて、安倍晋三にしたら、そのことへの期待もあったかもしれない。トランプ自身が北朝鮮への対応についてあらゆる選択肢を検討していると伝えられていたからだ。

 あらゆる選択肢とは軍事行動も選択肢の一つとしているということなのは断るまでもない。いわば北朝鮮がこれ以上ミサイル開発と核開発を続ける場合は軍事行動も辞さないという強い態度で臨む覚悟をトランプは対北朝鮮政策の一つとしている。

 但し北朝鮮と友好国の関係にあるロシアは2014年のロシアのクリミア併合によってロシアにとっては仮想敵国となっているアメリカが軍事行動を起こして金正恩体制を崩壊させ、万が一そこに米軍が駐留することになった場合、そう簡単にはいかないだろうが、アジア大陸地続きでロシアに一歩近づくことになるという理由でロシアの国益にとって非常に不都合な事実となるばかりか、仮想敵国性を色濃くすることになる。

 トランプが大統領として登場した当座はトランプはロシアとの関係を修復する姿勢でいたが、アメリカが化学兵器を使用したとの理由で報復攻撃を敢行したシリアにしてもロシアの友好国であり、世界の大国の地位にあるロシアはシリアといわば保護する関係を築いていた。

 そのような友好国にアメリカが一方的に軍事行動を起こし、大きな打撃を与えたことで保護の関係を損なわされた。言葉を言い替えると、メンツを失わされた。

 当然、ロシアにしたら、この攻撃によってアメリカは益々仮想敵国の色合いを強めることになったはずだ。

 アメリカは日本と軍事同盟関係にあり、日本に多数の米軍基地を構えている。そしてロシアにとってアメリカは仮想敵国の関係にある。

 と言うことは、ロシアから見た場合、日本はアメリカとの関係によって仮想敵国に組み込まれる可能性を常に抱えていることになる。

 そのような日本の安倍晋三がアメリカのシリア攻撃をいち早く支持を表明した。

 ロシアにしたら、日本が仮想敵国のアメリカに組み込まれる可能性の新たな一つの象徴に映ったとしても自然の成り行きであろう。

 これまでも第2次大戦の結果ロシア領となったとしている北方四島は日本(自衛隊と在日米軍)とアメリカに対するロシアに於ける太平洋側の最前線基地としての重要性を担っていた。

 そのためのロシアの手によるこれまでの北方四島での着々とした軍備増強であったはずで、アメリカのシリア攻撃と軍事行動も辞さないとする対北朝鮮政策によってその重要性は一層増し、軍備増強は強化されていく方向を取ることが予想される。

 当然、プーチンをして北方四島をロシア領土として死守することを改めて決意させるキッカケとなる安倍晋三のアメリカのシリア攻撃支持表明と考えることもできる。

 安倍晋三は4月7日午後にアメリカのシリア攻撃を支持しただけでなく、2日後の4月9日朝、トランプと電話会談を行い、改めてアメリカのシリア攻撃を支持している。

 「NHK NEWS WEB」(2017年4月9日 11時21分)   

 安倍晋三「我が国は化学兵器の拡散と使用を抑止するために責任を果たそうとするアメリカの決意を支持する。同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを高く評価する。引き続き、緊密に連携していきたい」

 トランプ「女性や子どもを含む無実のシリア市民が多くの損害を被ったことを受けて、化学兵器が二度と使用されないようにするために行ったものだ」

 安倍晋三のこの改めてのアメリカ支持はロシアから見た場合、日本が仮想敵国のアメリカに組み込まれる可能性をある意味蓋然化させる意思表示に映らないわけではないだろう。

 当然の反動としてプーチンに北方四島をロシアに於ける太平洋側の最前線基地としてロシア領土として死守する決意をなお強固にさせたと解釈可能となる。

 このような経緯を取ることも覚悟した上での安倍晋三の米シリア攻撃の支持なのだろうか。

 安倍晋三は4月下旬に訪ロしてプーチンと首脳会談を行う予定でいる。プーチンは表面的には信頼関係を築き合った両首脳として固い握手を交わし、和気あいあいとした態度を見せるはずだろう。

 だが、安全保障上の危機管理からロシアに於ける太平洋側の最前線基地を手放さないためにも北方四島をロシア領土として死守する心の鎧を着込み、ガードを固くしていないことはあるまい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする