麻生太郎の間接的メッセージ「株高・円安で利益を出していない国民は余程運が悪いか、生活能力がないかだ」

2014-12-08 08:34:55 | Weblog

 このブログの題名を、《安倍晋三の国民をバカにした、国民をバカにする政治家麻生太郎の重用》と名付けることもできる。

 「12月8日00時43分」発信の「毎日jp」記事が、衆院選中盤情勢は与党が3分の2超す勢いだと世論調査の結果を伝えている。序盤情勢の世論調査と変わらない。もし世論調査のままの国会勢力となった場合の安倍政治全体の行く末をどう考えるのか、国民の自覚を待つしかない。

 決まらない政治は過去の話となって、決まる政治が当たり前となり、政治は前に進むことになる。その結果、日本という国がどのような方向に進むのか、その進路まで考える必要がある。

 進む方向まで良しとして投票する国民の自覚までが求められるはずだ。

 安倍晋三が副総理兼財務大臣という御大層な責任ある役柄に任じた麻生太郎大明神の12月6日、長野県松本市内で衆院選応援街頭演説。

 麻生太郎「この2年で株価は上がった。円安にも振れた。その結果として企業は大量の利益を出している。出していないのは、余程運が悪いか、経営者に能力がないかだ。

 (2年前に)円高不況でどうにもならんといわれたけど、1ドル79円だったのが120円まで安くなっている」(asahi.com

 つまり安倍政権の2年で1万7千円にまで上げた株高と「1ドル79円」から1ドル「120円」まで円を安くする大きな成果を出した。その大きな成果に応じて企業が「大量の利益を出している」のに対して応じることができずに成果を無にしている企業は「余程運が悪いか、経営者に能力がないかだ」と言った。

 「余程運が悪い」という意味は、株高・円安を好材料とすることができる運に恵まれなかった、あるいは好材料としたものの儲けることのできる株に巡り合わせるだけの運に恵まれなかったといったことであろう。

 と言うことは、「経営者に能力がない」と言っている意味は、株高・円安を好材料とすることができる運に恵まれていながら、それを生かすだけの能力が経営者になかったということになる。

 前者の場合は自身の能力とは関係しない運・不運の問題で片付けることができるが、後者の場合は自身の能力を直接問題とされていることになるから、そのような経営者は麻生太郎大明神にボロクソにやっつけられ、バカにされたことになる。

 安倍政権の大成果株高・円安は一部の企業に空前の利益を与える一方で不利益を被(こうむ)る多くの企業を出す二極分化を生んでいる。今年2014年1~10月期の円安倒産は2011年度の円高倒産の4倍だという記事をどこかで読んだが、株高・円安は企業だけの問題ではなく、国民とその生活にも大きな影響を与えている問題でもある。

 いわば麻生太郎大明神の上記発言は安倍政権2年の大成果株高・円安に言及している以上、一般国民に対する間接的なメッセージともなり得る。

 このことは安倍政権の株高・円安が企業に対してだけではなく、国民の生活に対しても二極分化を生み出していることが証拠となる。

 円安と消費税8%増税で経営を圧迫されている中小零細企業と同じ状況下で生活を圧迫されている国民は同じ事情を抱えているのだから、麻生太郎大明神は企業と企業経営者の運と能力に言及しながら、国民に向かって次のように言ったも同然のことをしたのである。

 麻生太郎「この2年で株価は上がった。円安にも振れた。その結果として国民は大量の利益を出している。出していないのは、余程運が悪いか、生活者に能力がないかだ」――

 この意味を解くと、安倍政権が株高・円安の大成果を上げていながら利益を出していない国民は株を持って株の運用や為替の運用をすることのできる運に恵まれなかったか、逆にそのような運に恵まれていながら、運用するだけの能力が国民になかったかどちらかだということになる。

 麻生太郎大明神自身は気づいていなくても、株高・円安の状況下で利益を出していない経営者をバカにした裏で苦しい生活を送っている国民をもバカにしたのである。

 麻生大明神にこんなことを言われて怒らないとしたら、飼い馴らされた国民となる。

 麻生太郎大明神は昨日12月7日も札幌市内での衆院選応援演説で問題発言をしている。

 麻生太郎「高齢者が悪いようなイメージをつくっている人がいっぱいいるが、子どもを産まない方が問題だ。

 昔は働く人6人で高齢者1人の(社会保障に)対応をしていたが、今はどんどん子どもを産まない。結果として、もう少しすると(現役世代)2人で(担う高齢者は)1人になる。それは税金が高くなるということだ。それを避けるためには、みんなで少しずつ(消費税で)負担する以外に方法はない」(asahi.com

 「子どもを産まない方が問題だ」と国民の責任の問題としているが、政治が子どもを生みにくい社会にしている政治の責任は一切棚に上げて、消費税の負担だけを求めている。
  
 いわば国民への責任転嫁以外の何ものでもなく、国民をバカにしていないと決して言うことはできない。

 麻生太郎大明神は、既に広く知られているようにこれまでも国民をバカにした数々の失言を繰返している。如何に国民をバカにしているか、改めて書き出してみる。

 2008年9月14日、名古屋駅前で行った自民党総裁選の街頭演説。8月28日から29日未明にかけての記録的な集中豪雨で2人が死亡、家屋の床上・床下浸水2916件の被害を受けて、災害復旧活動最中にあった岡崎市、そして似たような状況下の安城市を引き合いに出して、「防災のためには、都市部でも公共工事や社会資本整備が必要である」との趣旨で発言している。

 麻生太郎「あそこ(岡崎市)は140ミリ(1時間雨量)だぜ。これが、安城もしくは岡崎だったからいいけど、あれ、名古屋で同じ事が起きたらこの辺全部洪水よ」

 人が2人死亡し、浸水やその復旧で市民が困窮している。にも関わらず、「安城もしくは岡崎だったからいいけど」と言うことができる、国民の生命(いのち)を考えない、国民をバカにした発言がスラスラと口から吐き出すことができた。

 2009年8月23日、学生主催イベント「ちょっと聞いていい会」での発言。

 学生「結婚資金が確保できない若者が多く、結婚の遅れが少子化につながっているのではないか」

 麻生太郎「カネがねえから結婚できねえとかいう話だったけど、そりゃカネがねえで結婚しない方がいい。まずね(会場笑)。そりゃ、オレもそう思う。そりゃ、迂闊にそんなことはしない方がいい」

 若者の貧困という社会状況を生んでいるのは政治でありながら、その責任には言及せずにカネだけの問題として若者を説得する言葉としようとする。国民をバカにした発言以外の何ものでもない。

 この時の発言の全文が、《News Spiral THE JOURNAL編集部》(2009年8月25日 11:56)に載っている。     

 2013年1月21日開催の有識者構成・政府「社会保障制度改革国民会議」第3回会合での終末期医療に関する発言。

 麻生太郎「私は遺書に『さっさと死ぬからその必要はない』と書いてあるが、そういうことをしておかないと死ぬことができない。『いい加減、死にたいな』と思っても、とにかく『生きられるから』といって生かされちゃかなわない。それを政府のお金でやってもらうと思ったら、ますます寝覚めが悪い。

 さっさと死ねるようにして貰うとか、いろいろ考えないと、この種の(終末期医療の)話は解決しない」――

 国政を閣僚として担う政治家でありながら、国民個々の生命(いのち)の尊厳を考える能力を欠いた、それゆえに国民をバカにした発言。

 2013年7月29日の東京都内のホテルでの講演。

 麻生太郎(憲法改正問題が)「いつの間にか騒がれるようになった。マスコミが騒いで、中国も韓国も(騒ぐようになった)。ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうかね」――

 いわば憲法改正をこっそりとやれば、国民は気づくことはないとした発言であって、国民をバカ扱いにしている。

 麻生太郎大明神は安倍晋三の大のお友達で、靖国神社や天皇観、伝統的家族観等々の政治信条を同じくする。上記取り上げたようにナチス国家主義者であり、この点も安倍晋三と共通している。

 このようにも国民をバカにする政治家を安倍晋三は副総理兼財務大臣として重用している。

 と言うことは、安倍晋三のこの重用自体が国民をバカにしたものということになる。

 この点に於いて、冒頭、このブログの題名を、《安倍晋三の国民をバカにした、国民をバカにする政治家麻生太郎の重用》と名付けることもできるとした。

 我々国民は安倍晋三と麻生太郎からバカにされている!!

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