トヨタ・レクサスGX460は国によって安全性に違いが生じるのか

2010-04-15 04:46:26 | Weblog

   

【お断り】(10/4/15/06:44)

 「msn産経」記事――《トヨタ・レクサスGXの販売一時中止、世界全体に拡大》(2010.4.14 23:22)が題名で言っているようにトヨタは販売一時停止を北米から世界全体に拡大することにしたとしている。

 「毎日jp」記事――《トヨタ:レクサスGX460販売停止、全世界で リコール問題反省、「迅速に」》(2010年4月15日)は、〈当初、米国での販売停止のみ発表していたが、一連のリコール(回収・無償修理)問題で、対応の遅さを批判されたことを踏まえ、早急に対応すべきだと判断した。〉と販売一時停止の全世界拡大を解説している。

 このことはあくまでも第二段階の措置として講ずることとなった事態であることを物語っている。最初から世界全体で販売一時停止を決めたわけではない。

 二重基準と気づいたからなのかどうかはこの記事も類似の記事も触れていないようだから不明。

 《トヨタ車 米誌の指摘で販売停止》NHK/10年4月14日20:00)

 昨14日夜7時にNHKテレビで流していたニュースの記事だが、アメリカの有力な消費者情報誌「コンシューマー・リポート」がトヨタのSUV(多目的スポーツ車)「レクサスGX460」を走行テストしたところ、電子制御で車が横滑りするのを防ぐ装置の作動が他の車と比較して遅いために、高速でカーブを切ったときなどにコントロールが効かなくなり、最悪の場合、横転する恐れがあるとして、「買わないように」との厳しい評価を13日公表したという。

 トヨタはこの公表を受けて、原因を究明するまでこの車の販売を一時停止すると同じ13日に発表。但しトヨタは、〈厳しい品質チェックを行っており、これまでに安全に関する苦情や事故が起きたという情報は一切寄せられていないとしてい〉るという。

 記事は「コンシューマー・リポート」について次のように解説している。1936年に設立された非営利の組織「消費者組合」が発行する雑誌で、雑誌とウェブサイトで併せて800万人の購読者を抱え、自動車だけでなく、電気製品や住宅関連、それに食品に至るまで、幅広い分野の製品について、企業の影響を受けずに客観的な視点でテストを行い、消費者向けに評価を公表している。

 1936年設立、現在に至る息の長い歴史はその商品評価が多くの消費者に信頼され、受け入れられていたことの証明であり(800万人の購読者を抱えいること自体が証明となっているが)、記事が〈アメリカでは多くの消費者が製品を購入するにあたり、参考にしているといわれています。〉と触れているように製品購入の信頼できる基準ともなっていることの証明でもあろう。

 記事は、〈自動車分野でも、コンシューマー・リポートの評価は重視されており、評価によっては各社の自動車販売にも影響を及ぼすとされています。〉と書いている。

 昨夜のニュースでは、かつてトヨタがアメリカで車の売り上げを大きく伸ばした頃、この雑誌がトヨタ車の品質を高く評価したことが販売を後押ししたとも言われていると解説していた。

 それだけ影響力があるからこそ、記事が書いているように、〈「買わないように」という評価を付けたのは2001年以来だということで、トヨタとしては販売が好調なレクサスへの不信感が広がるのを防ぐねらいがある〉ことからの販売一時停止という素早い対応なのだろう。

 記事は、〈企業の影響を受けずに客観的な視点でテストを行い、消費者向けに評価を公表しています。〉と書いているが、確か商品評価の中立性・公平性を厳格に守るために企業からの資金援助、企業広告の取扱いを一切行っていないと解説していたテレビニュースがあったと思う。

 《トヨタもホンダも畏れる存在! 米コンシューマーレポートの謎》ダイアモンド社/2009年12月2日 瀧口範子)では、テスト用の商品すべてを自腹で購入していると書いていて、製造元の影響を排したその中立性・公平性を暗に示唆している。

 トヨタが〈厳しい品質チェックを行っており、これまでに安全に関する苦情や事故が起きたという情報は一切寄せられていないとしてい〉ながら、「コンシューマー・リポート」が一昨日の4月13日に「買わないように」との商品情報を公表すると、同じ日に販売一時停止を発表する過剰とも言える反応を示した。

 「IBTimes」記事――《「レクサスGX460」、販売中止に-米誌の「買ってはいけない」評価受け》(2010年04月15日 00:18)によると、販売中止が〈コンシューマー・リポートが同車の評価を発表してから数時間後の通達〉となっている。

 だが、トヨタは販売一時停止発表の次の日の14日になって、「レクサスGX460」の北米以外の地域での販売を継続する方針を明らかにしたと《北米以外は販売継続=レクサスSUV》時事ドットコム/2010/04/14-11:55)が伝えている。

 〈トヨタは同モデルを日本で生産。北米では昨年12月に発売し、これまでに約5400台を販売した。中近東、ロシア、オセアニアなどにも輸出している。日本国内では販売していない。〉――

 「コンシューマー・リポート」がトヨタのSUV(多目的スポーツ車)「レクサスGX460」を走行テストしたところ、電子制御で車が横滑りするのを防ぐ装置の作動が他の車と比較して遅いために、高速でカーブを切ったときなどにコントロールが効かなくなり、最悪の場合、横転する恐れがあるとテスト結果を公表し、「買わないように」と評価付けを行った。それを受けてトヨタは販売一時停止を発表した。

 だが、販売一時停止は北米のみで、他地域では販売を継続する。

 トヨタは同じ車でありながら、国によって安全性に違いをつけたことになる。

 〈厳しい品質チェックを行っており、これまでに安全に関する苦情や事故が起きたという情報は一切寄せられていない〉と、その安全性を信じるなら、そのことを主張して販売を続けるべきではないだろうか。

 警告に従って原因を究明するまで販売を一時停止するということなら、原因究明まで他国での販売も停止することが終始一貫した公平な態度ではないだろうか。

 そうしないことは少なくとも二重基準を働くことになる。

コメント (1)
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