民主岐阜県連の党体制刷新申入れは成算あっての要求なのか

2010-04-13 05:11:25 | Weblog

 
《NHK世調 内閣支持率32%》NHK/10年4月12日 19時56分)(一部抜粋引用)

 鳩山内閣を「支持する」 ――32%(先月比-6ポイント)
      「支持しない」――56%(先月比+6ポイント)

 支持しない理由
  「実行力がないから」     ――41%
  「政策に期待が持てないから」――35%

 夏の参議院選挙で、民主党が参議院で単独過半数を占めることは望ましいと思うか

 「望ましい」          ――13%
 「どちらかといえば望ましい」  ――20%

 「どちらかといえば望ましくない」――25%
 「望ましくない」          ――29%

 《民主「新体制」構築を申し入れ 岐阜県連》47NEWS/2010/04/12 13:11 【共同通信】)

 民主党岐阜県連(代表・平田健二参院国対委員長)が12日、党や内閣の支持率下落を踏まえて夏の参院選に大きな影響が避けられないからと「新体制」構築を党本部に申し入れたという。具体的には名指しは避けたものの、小沢一郎幹事長らの辞任を求める県連内部の意見を反映させた内容だそうだ。

 〈申し入れ書は10日の県連常任幹事会で決定。「政治とカネの問題に関し、国民の声を尊重し、さらなる説明責任を果たすとともに、政権政党として責任ある対応を考え、速やかに新体制を築くこと」を要請している。〉

 代表の平田健二参院国対委員長が12日に国会内で記者会見に応じている。

 平田「内閣や党の支持率低下で党員が危機感を持っている。参院選に必勝できる体制をつくろうという趣旨だ」――

 鳩山首相や小沢幹事長が“新体制構築”に応じる成算があっての申し入れなのだろうか。いわば小沢幹事長が辞任に応じる成算があって、申し入れたのだろうか。

 その逆で成算ないままに行ったのだろうか。

 同じ内容を扱った《民主岐阜県連が党体制の刷新要求、地方組織では初 小沢氏更迭論背景に》msn産経/2010.4.12 12:58 )は題名どおり、〈政権交代後、民主党の地方組織が党体制の見直しを申し入れるのは初めて。〉と解説している。

 〈申入書は「(内閣)支持率低下に歯止めがかからない状況で、参院選への大きな影響は避けられない」と危機感を表明。鳩山首相や小沢氏の名指しは避けたものの「政治とカネ」の問題で「さらなる説明責任」を果たすよう促し、党代表の鳩山首相に「速やかに新体制を築く」よう求めた。〉――

 それとも、岐阜県連がトップを切ることで後に続く県連の続出を期待し、大勢を占めることで“新体制構築”への圧力となるとの計算から行ったということなのだろうか。

 勿論、小沢辞任の声が例え大勢を占め、それが小沢幹事長にとっての四面楚歌となったとしても、小沢幹事長が辞任するという確信的な成算を必要とする。

 もしも小沢幹事長が自ら辞任に応じなければ、鳩山首相には小沢幹事長を切るだけの力はないだろうから、辞任要求の反小沢との党内抗争へと進むのは確実で、そのことをマスコミが露出報道することとなって、国民は主として党内抗争の視点で民主党の動向を見ることになる。

 麻生政権末期の、「麻生では総選挙は戦えない」、「総裁選を前倒しして選挙の顔を変えるべきだ」、「早期解散の要求」といった動きが活発化、中川秀直元幹事長が自民党総裁選の前倒しを目指して両院議員総会開催を求める署名集めを開始、麻生内閣の閣僚であった与謝野財務相や石破農相も署名に応じたばかりか、二人は首相官邸に麻生首相を訪ねて首相に自発的な辞任を求める、いわば身内の反乱を起こしさえしたが、麻生首相が総選挙前の総裁選の前倒しも任期途中の辞任にも応じなかった結果、党内抗争化して党の混乱、足並みの乱れ、党の分裂を印象づけただけで、国民の多くが麻生首相の政権担当能力、あるいは指導力に一挙に疑問符をつけることとなって、それが不利に働いて政権交代を招く大きな要因の一つとなったことは否めない。

 民主党がその二の舞を自民党に引き続いて演じることとなった場合、当然内閣支持・政党支持の世論に何らかの影響を与えることとなり、答は参議院選挙で自ずと出てくることになる。いわば支持率低下になおさら歯止めがかからない状況をつくり出すことになることは確実であろう。

 生方騒動も結局は党内騒動の印象づけと内閣支持率低下に力を貸しただけで終わった。
 
 問題は参議院選挙での勝敗である。選挙まで残す時間は余すところ僅か約3カ月。岐阜県連に引き続いて他の県連が小沢辞任に同調し、それが大勢意見となったとしても、参議院選挙までのどの時点でそういった状況をつくり出せるか、なおかつそれが同じく参院選挙前のどの時点で小沢幹事長を辞任に追い込む力となり得るのか計算を成り立たせた上での“新体制構築”の申入れでなければならないはずだ。

 そういった計算を成り立たせていなければ、内紛、ゴタゴタを参議院選挙まで持ち越すことになる。党内人事によってではなく、参議院選挙がすべての答を出すということである。

 また、小沢幹事長を参議院選挙前に切ることができたとしても、切ったなら、切ったで党を割る可能性も出てくる。政界再編という動きが生じ、それが岐阜県連にとって望ましい方向なら構わないが、今度はそうなるという成算がなければならない。

 例え政界再編であっても、共倒れという方向を取る可能性も否定できない。当然、“新体制構築”の申入れには共倒れということになってもいいという覚悟が含まれていなければならないことになる。

 そこまで計算した“新体制構築”要求なのだろうか。

 小沢辞任の成算がなければ、辞任要求よりも、共倒れ宣言、共倒れも止む得ないと宣言をした方が、潔く戦えるのではないだろうか。少なくとも国民の目にゴタゴタを見せずに戦えるはずである。

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