私が妙高から帰った次の日
お昼前にひょっこりと兄が来た
私にとってはたった一人の肉親
もう両親もいない
『ちょっとそこまで来たからな』と
小さな箱を
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私の大好きなお干菓子
『それでどうなんや?心配したやないか』
『魔女も歳なんやから気をつけなあかんよ』
その一言一言が
ずしんずしんと心に響く
昔から兄とは仲がよく
私はいつも大きな愛に包まれてきました
自分のことを心配してくれる人がいる
母と同じ大きな優しさ
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暑い日差しの中
帰っていく兄の後姿をいつまでも見送った
涙と幸せをかみしめながら