今日の教室で印象的だった出来事。
ある子が昇級まであと3勝というところまで
こぎつけておりました。そこで当たった相手は
これまでの対戦成績で分が悪い格上の子。
いつまでも続く大熱戦の末、大敵から勝利を挙げて、
昇級へ向けての難所を乗り切りました。
”これは流れが来てるかな”と私も傍から見ておりましたが
次に当たった対局を覗いてみると苦しい局面を戦っています。
私もずっとその対局ばかりを見ているわけではありませんので、
ほかの対局を見回ったり、手合いを付けたり…して
再びその対局に戻って来てみると、
苦しい局面どころか必敗形の局面になっています。
気の早い子だったら、投了していても
おかしくないくらいの形勢でしたが、
昇級が近づいている対局ということもあってか、
最後まで粘って粘って指し続けています…。
99パーセント負けだとわかっていながら、
指し続けることは苦しみさえ伴いますが、
それでも”あきらめずに戦い抜く”姿勢には
心を打たれるものがありました。
プロの世界では「投了の美学」みたいな考えがあり、
形勢に大差がついた場合には
相手のミス待ちだけの粘りはせず、
潔く投了する不文律があるようです。
しかし、まだまだ発展途上(修行中)である
こども達には最後(詰み)まで指すことこそが
大切なことだと伝えております。
件の子は、その教えに従って指していたのか、
単に投げ切れずに指し続けていたのかわかりませんが、
いずれにしても、最後まで戦い抜くその姿は
今日の教室で最も印象的な光景でした…。