![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/83/622a6f5c39126de0dfd8dd38805aa35c.jpg)
さあ、浅草の街を少し歩いてみよう。吾妻橋の西詰には、東武鉄道浅草駅が入る駅ビルが建つ。地上7階地下1階のアールデコ様式のこのビルは、かつての鉄道省初代建築課長、久野節が設計し、1931年に完成したもの。上階には松屋デパートが入り、東京初のターミナルデパートになった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/6d/989498c3a254724903a19c77797f1a42.jpg)
歩き出すとすぐに「神谷バー」の看板。ここは日本初のバーで、明治期以来多くの文学者に愛されてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/35/0be3311a496520ac5be8cf0adabf23e5.jpg)
右に曲がると、もう雷門が見えてくる。言ってみればこの門は浅草のランドマークでもある。この門の正式名称は「風雷神門」なのだが、正面から見ると「雷門」の文字だけしか見えず、何時しかこの呼び名が一般的になってしまった。 そのため
風の神 雷門に 居候
といった川柳のネタにもされてしまっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/8a/bd02887dd879c132dd3b76c2be393e0c.jpg)
この門は1865年の田原町火災で焼失してしまったが、約1世紀後の1960年に松下電器(現パナソニック)の創業者松下幸之助の寄進によって復元された。提灯の大きさは高さ3.9m、直径3.3m、重さは700kgもあるという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/95/f27d494836eaf9f0e176e17d6ba9e642.jpg)
提灯の底には龍の絵が描かれている。
また、浅草は伝統芸能の一拠点であるだけに、落語の世界にもよく登場する。雷門を舞台とした話に「そこつ長屋」がある。
長屋の住人・八五郎が雷門で行き倒れの人間を見つけて熊さんに教える。
「おい、お前が雷門の前で死んでるぞ!」
そう言われた熊さん、あわてて雷門に駆け付け、死体を抱き上げる。 そしてつぶやく。
「どうもわからねえ」 「何が?」
「抱かれているのは確かにおれなんだが、抱いているのは いってえ誰なんだろう・・・」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/46/46b6003b8ace0b2e198f84f050bfe139.jpg)
仲見世はいつも大賑わい。私たちが訪れた日は妙に着物姿が目立つ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/71/7d02efa4485db4bda309f8f5d5a535f8.jpg)
と、思っていたら、友人が「彼女らはみんなレンタル着物を借りた外国人だよ」と教えてくれた。 確かに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/2e/a48ffe878ab5963dbf3e5dab66fbb3e1.jpg)
このところ外国人観光客の急増ぶりは本当にすごい。
かつては作家林芙美子も、新宿カフェー勤務時代、休日に大好きな浅草を歩いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/87/b50eb1b3eeed1e82b2f18a71552bae73.jpg)
「だれ一人知った人もない散歩でございます。少々は酔い心地。まことに懐かしい浅草の匂い。
・・・鳩が群れている、線香屋さんの匂いがする。
ああ、どこに向いても他国のお方だ。
埃っぽい風が吹いている。あらゆる音がジンタのように聞こえてくる」(放浪記)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/13/6823e9c1faec06cd05c1f45327ba8a55.jpg)
境内に入った。まずは常香炉の前で例によって煙を体にかけ、本殿の階段を上ってお参り。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/c0/cb595e495f2ee0718a538b3fe65e0a5a.jpg)
休日だったせいか、お参りにも列が出来ていて順番待ちをしなければならなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/1a/f8587e70b6e6e8ce568c042df97b6eb3.jpg)
本殿の天井には二体の天女像が舞っていた。日本画家堂本印象の「天人散華の図」。力作だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/b4/475858a74ff4c3870bbc8f1fbbcf4557.jpg)
この後は西参道側に移動した。すぐに、評判だというビッグなメロンパンを発見。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/49/f9d4581786af94c5f71b08a1c9738512.jpg)
大衆演劇の木馬館をかすめて六区周辺を歩く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/76/b069e4cb78fafb02f7dfc1308597c814.jpg)
佐多稲子は著書「私の東京地図」で浅草六区をこう描写している。
「頭の上はあくどい色彩の幟で空も見えない。張り巡らせたその幟には大きな字で毒草と、活動写真の広告。
看板には、誰かを祈り殺す丑の刻参り、わら人形に呪いの五寸釘を打ち込む絵・・・・」