新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

よさこい2017・・・刻まれた記憶④ 「江戸の妖気」 百物語

2017-11-28 | よさこい讃歌
【百物語】



















 その昔 西欧の芸術家たちを驚愕させた 日本人画家がいた

 深淵なる着想 大胆な構図 思い切った色彩

 その男は 齢90 死期を迎えてなお

 「あと5年あれば一人前の絵が描けるのに」と漏らしたという
 
 葛飾北斎 

  
 その男を 生涯にわたって支えた娘が いた

 葛飾応為

 父に似て 豪放磊落 

 雑事には目もくれず ひたすら父の制作活動を

 サポートし続けた


 だが 彼女もまた 卓越した才能を 備えていた

 父を下支えすることに費やす時間が長かったが 
 
 わずかに残された作品に その才気がほとばしる

 例えば「吉原格子先之図」



 暗い夜 ほのかに漏れる娼家からの明かりを浴びて

 浮かび上がる男女のシルエット

 ぞっとするような 妖気をはらんだ 

 その絵の瞬間を 

 切り取って現実化しようとする舞いが 

 現代の舞い手によって

 展開されている



















 

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よさこい2017…刻まれた記憶③ 「愛する人へ」 燦ーSUNー、チームよさいけ

2017-11-24 | よさこい讃歌
【燦-SUNー】






















 まどろみの中にあった 私の唇に

 何か 冷たいものが落ちてきたのを

 かすかに覚えています

 それが 別れ際に落とした一粒の 

 あなたの涙だったことを 知ったのは

 半時ほど過ぎた 明け方の 光の中でした


 共に生きることの出来ない 二人であることは

 わかっていました

 だから あなたがいつか 旅立ってゆくのを

 心のどこかで 感じていました

 
 その日が来た事を 自覚した朝

 私の胸の中で 線香花火の火の玉が 

 ぽとりと 水に落ちました


 あれから あなたはどうしていますか

 私は 大丈夫です

 あなたが どこかで 確かに生きていることが

 信じられる限り


 たまに 目尻がにじんでしまう

 ことは あるけれど・・・

【チームよさいけ】











 



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よさこい2017…刻まれた記憶② 「微笑みの向こう」 百華夢想、VOGUEーRevival-

2017-11-21 | よさこい讃歌
【百華夢想】


















 人は 人生のどこかで

 大切に思っていたものが いつの間にか失われていたことに 気付き

 深い慟哭に 沈むことが あるのかも しれない


 過ぎ去った季節への 哀切

 もう 取り戻せないと 知った時の落胆

 
 だが、決して そこですべてが終わるわけではないことを

 人は 知る

 もう一度 新たなチャレンジが可能であると

 心のページに書き込む時が 必ず来る


 その決意を示す 表情は

 まなじりを決したものでもなく

 悲壮を表した ものでもない


 過去を乗り越え 明日に向かって 歩みを始めるための

 かすかな微笑みに 満たされている

 ことだって あるのだ


【VOGUEーRevival】










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よさこい2017…刻まれた記憶① 「血潮」 鴉、 CHIよREN北天魁

2017-11-18 | よさこい讃歌
 今年も何度か「よさこい」のイベントに伺いました。その一部を掲載したいと思います

 【鴉】














 立ち上がり

 背筋を伸ばし

 思い切り 走ってみる

 左右に過ぎ去ってゆく 風景など

 一切気にしない

 ただ ただ 息もせず 前を向いて走る

 
 倒れた草原の上で

 自らの胸に手を当てて

 激しく鼓動する 臓器の存在を確認する

 この鼓動の下には 紅の血潮が

 たしかに 流れている

 ああ 命が ここにある

 まぎれもなく この肉体の隅々まで

 駆け巡る命が ここにある


 【CHIよREN北天魁】

















 

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サルディーニャ最終日 サン・ピエトロ教会を訪ねる

2017-11-14 | ボーザ・サルディーニャ

 山頂の城から戻って、この村最後の目的地サン・ピエトロ教会に向かった。

 テーモ川の向こうにまるで狼煙のような雲が立ち上っている。

 教会はホテルから約2キロ離れた草原にポツンと建っている。

 サン・ピエトロ通りを歩いてゆく。のどかな田舎道。子供のころに歩いた故郷の道を思い出させる。

 左手にはさっき登った山頂の城跡と、カラフルでこじんまりとしたおもちゃ箱のようなボーザの街並みが、日に照らされて輝いている。
 ふと、天国に繋がる幸せの道とでも言いたくなるような通りだ。

 教会に着いた。ロマネスク様式の素朴な建物。

 逆光の中に虹のような光が走った。

 石で造られた内陣は、薄暗い中に立つ柱の堅固さと、差し込む光の柔らかさとが溶け合って実に神秘的。

 他に誰もいない無人状態だったので、その静けさが耳にツーンと沁みる感じ。

 後方から見ると祭壇の両脇に立つ聖ペテロと聖パウロの像がシルエットになって、その荘厳さを一層強めていた。

 帰り道で、突然すれ違った観光列車。

 一旦ホテルをチェックアウトして旧市街の広場に行き、屋外のテラスで昼食を摂った。
 そしてバスに乗り、鉄道の駅のあるマコメールへ。

 この日は、夜のジェノヴァ行きフェリーに乗るので、ポルト・トーレス港へは時間の計算できにくいバスではなく電車を利用することにしたためだ。

 予想外に電車は遅れたが、十分に余裕を見ていたので問題なし。
 再びイタリア半島に戻るため、船中の人となった。次に目が覚めた時にはジェノヴァ港が目の前に広がっているはずだ。

 初めてのサルディーニャは期待以上に素晴らしい、まるで天国のような島だった。目の覚めるような景色、温かい人情、おいしい料理など、忘れられない沢山の思い出をあふれるほどにカバンに詰め込んでフェリーに乗り込んだ。

 この後イタリア半島再上陸の後、ベルガモ、マントヴァ、ボローニャ、パルマ、モデナ、フィレンツェ、ヴェネツィアと移動しましたが、その旅行記は来年再開する予定です。

 次回からは「よさこい2017」を掲載予定です。
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