goo blog サービス終了のお知らせ 

新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・日本 東京編㊳ 神保町の老舗レストラン「ランチョン」の 渋い木製螺旋階段

2025-04-25 | 階段紀行・日本

 神田神保町にあるビアレストラン「ランチョン」。ここは1909年創業という地域でも指折りの老舗レストランだ。

 建物も創業時そのままとまではいかないもののクラシカルな雰囲気をそのまま残す落ち着いた風情を保っている。

 正面のドアを開けるとすぐ、木製の螺旋階段に出会う。客席は全て2階にあるため、すべての客はこの階段を経験することになる。

 幅はさほど広くはないが、決して狭すぎもしない。数段上がると螺旋状の折り返しとなり、踊り場の棚には人形や創業時の写真などが飾られていた。グリーンの手すりに触れながら2階に到着する。

 初めは、この階段ならさぞかしギシギシと音がするのかと思ったが、メンテナンスもしっかりとされているのかミシリともせずに上階に辿りついた。

 客席は意外に広く、私が訪れた夕方5時過ぎでも8分以上の席が埋まっており、それも団体客、若者グループ、中年カップル、シングルでビールを頼む女性もおり、あらゆる層を飲み込んだ和気藹々の和やかなムードがあふれていた。

 なお、私が注文した「名物メンチカツ」はサクッとしたパン粉に包まれた舌触りと、ジューシーさがエクセレントだった。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

階段紀行・日本 東京㊲ 建物を突き抜けて空へと続きそうな 日本科学未来館の階段

2025-04-22 | 階段紀行・日本

 お台場にある日本未来科学館は、科学技術の理解を深めるための拠点として2001年にオープンした施設だ。

玄関ホールに入って最初に驚くのが、広い空間の上に大きな地球(ジオ・コスモス)が浮いていること。

その表面には人工衛星が映し出す宇宙の雲の模様が、くっきりと投影されている。

最初からワクワクさせる驚きに出会うという仕組みだ。

 階段は直線で上階に繋がる。すぐ横に並行してエスカレーターが設置されているが、階段マニアとしてはやはり階段を上って行こう。

 格段毎にブルーのカラーが付けられていて、入口で見上げると、その青いライトが上へ上へ奥へ奥へとどこまでも続き、ひょっとしてこの階段は建物を突き抜けて空へと昇って行くんじゃないかと錯覚を起こさせる雰囲気を持っている。

 それは宇宙科学の粋を集めたビルだから、という思い込みのせいかもしれない。

 また、ここの初代館長は米スペースシャトルに搭乗した日本初の宇宙飛行士・毛利衛さん。毛利さんとは仕事を通じて何度もお会いしたことがあり、中学生の頃に皆既日食の観察に出かけて、宇宙に関心を持ったことが宇宙飛行士を志すきっかけになったーといった少年時代の想い出を熱く語っていたことを、今でも鮮烈に覚えている。

 そんな様々な環境が、この階段を見つめているうちに新たな連想を付加してくれたのかもしれない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

階段紀行・日本 東京編㊱ お台場の夜に目を惹くフジテレビの照明大階段

2025-04-19 | 階段紀行・日本

 お台場のフジテレビビルは、建物の中央に球形の空間があることでも有名だが、その他ビル側面に大階段が設置されていることも、大きな特徴となっている。

大階段は夜になると、七色の照明でライトアップされることは意外に知られていない。

 師走の夜、別の用事で出かけた時、その大階段が明るく光っているのに気づき、近づいてみた。

 階段は百段近くはありそうで、幅もかなり広い設計になっているが、その格段毎に違ったライトで彩色されているのが目についた、

 しかも数十秒ごとに配色が変化してゆく。初めは下の階の暗い紫から徐々に明るくだいだい色へと変わっていく。

 しばし眺めていると、次の時間帯は一番下が赤。そこから緑を経て最上階は白に近い明るさへと変化していった。

 そんなバラエティに富んだ照明の仕掛けは、とても楽しめる内容だった。

 “中居問題”でスポンサーが続々撤退するなど厳しい局面を迎えているフジテレビだが、改めて体制を一新してこの光のように明るい時代を迎えてほしいものだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

階段紀行・日本 東京編㉟ 東京駅前の大都会 新しい戸田ビルの1階で、奔放な階段アートが空間を飛んでいた

2025-04-15 | 階段紀行・日本

 2025年11月に東京都京橋に、戸田建設の超高層ビルがオープンした。

 その1階にあるアートスペースに、階段アートとも言うべき作品が展示された。

 地上から発生した階段状の曲線が、巨大な吹き抜け空間に躍り上がり、くねくねと曲がり、交じり合い、

 天井付近で突然途切れる。

 いや、目に見えないどこかで、別次元の空間を飛び回っているのかもしれない。

 流れを追っている者の心の中に、新鮮なリズムを奏でているようにも見える。

 上階に昇って見下ろしてみると、透き通る階段の上を突然透明人間が走り降りてくるかも、とさえ思わせる軽快なカーブが地上にまで続いている。

 

作者は東京芸大卒の芸術家持田敦子。タイトルは「steps」

広い空間が提供されていることから、そのスペースを最大限に活用して伸び伸びと展開した階段アートは

いつまで見ていても飽きない楽しさを提供してくれるものだった。

外に出ると、前庭にも同様に自在な階段が、東京の中心地で軽快に飛び回っていた。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

階段紀行・日本 東京編㉞ 大リーグ開幕試合に特別仕様が施された東京ドーム「王・長嶋ゲート」の階段

2025-03-22 | 階段紀行・日本

現在イタリア北中部の風景を連載中ですが、期間限定の階段を見つけたので一回だけ「階段紀行」を挟みます。

 今週、ⅯⅬBの開幕戦ドジャーズ対カブスの試合が東京ドームで開催された。チケットは取れなかったが雰囲気だけでも、とドームに行ってみた。

東京ドームにはジャイアンツの偉大な選手の功績を顕彰する2つの階段がある。対象はもちろん王、長嶋の2選手だ。

 場所は22番ゲート。その一塁側階段が「王ゲート」、三塁側階段が「長嶋ゲート」と命名され、階段上方に月桂樹が施され、壁面にはそれぞれの全身像があしらわれている。

 その階段が3月18,19の両日、特別な変身を見せた。大リーグ仕様に変化したのだ。

 「王ゲート」の階段にはシカゴカブスの文字が入り、球団ロゴも加えられた。

 一方「長嶋ゲート」はドジャーズの文字と球団ロゴ。どちらもチームカラーの青で彩られた。

両球団による開幕試合に合わせてのこの時期限定の模様替えだった。階段まではチケットなしでも入れるため、階段付近で記念写真を撮る人たちが行列を作る大盛況。しばしのイベントを楽しんでいた。

両日はこの試合の観戦者に加えて、チケットはないものの雰囲気だけでも味わおうと数万人ものファンがドーム周辺に詰めかけた(私も含めて・・・)。

 なお王ゲート、長嶋ゲートは、1981年に当時の後楽園球場に設置されたが、同球場解体に伴って消滅していた。

 しかし東京ドーム開場10周年の1997年に改めて復活したものだという。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする