最後に訪れたのは祇園白川。巽橋付近の夜は静か。白川の流れを包むかのように、夜桜が枝を垂らす。
茶屋建築の店が並ぶ川沿い。桜越しに三味の音が聞こえてきそうだ。
「かにかくも 祇園は恋し寝る時も 柳の下に水の流るる」
吉井勇の歌碑が川端に立っている。
この付近は、もう見ごろを終えようとしている桜も。
一方、今が旬と咲き誇る桜は、夜でも見事に美しい。
ああ、料亭の模様が、桜越しに垣間見える。
白川の静けさ。
白と赤。色彩の競演もあった。
ただ、ちょっと大きな通りに出ると、まだたくさんの人の群れに出会った。
帰り道、店先を飾っていた和傘が優美。
その先の路地では、舞妓さんの後ろ姿をちらりと認めることが出来た。