新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

京都の桜⑦ 桜越しに三味の音が・・・祇園白川 巽橋付近

2020-04-03 | 京都

 最後に訪れたのは祇園白川。巽橋付近の夜は静か。白川の流れを包むかのように、夜桜が枝を垂らす。

 茶屋建築の店が並ぶ川沿い。桜越しに三味の音が聞こえてきそうだ。

 「かにかくも 祇園は恋し寝る時も 柳の下に水の流るる」

                  吉井勇の歌碑が川端に立っている。

 この付近は、もう見ごろを終えようとしている桜も。

 一方、今が旬と咲き誇る桜は、夜でも見事に美しい。

 ああ、料亭の模様が、桜越しに垣間見える。

 白川の静けさ。

 白と赤。色彩の競演もあった。

 ただ、ちょっと大きな通りに出ると、まだたくさんの人の群れに出会った。

 帰り道、店先を飾っていた和傘が優美。

 その先の路地では、舞妓さんの後ろ姿をちらりと認めることが出来た。

 

 

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京都の桜⑥ 桜のシャワーに打たれながら、夢の時間を過ごす…妙心寺の夜桜

2020-03-31 | 京都

夜桜のライトアップを見るために妙心寺退蔵院にやってきた。

 ここの桜は典型的な枝垂桜。まるでシャワーのように桜の枝と花が天から降ってくる。

 そのシャワーの中に入りこんで味わう至福の瞬間。

 

 願わくは 花の下にて春死なん その如月の望月のころ  (西行)

 余香苑と名付けられた日本庭園を歩く女性の姿もまた風雅。

 そんな桜のシャワーの中から、一枝だけを取り出してクローズアップ。

 すこし引いた位置から見ても文句なし。

 夢の中にいる時間だった。

 そして、もう一度、桜の滝に打たれてから寺を後にした。

 

 

 

 

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京都の桜⑤ 「今宵逢う人 みなうつくしき」 円山公園の夜桜にたたずむ。

2020-03-28 | 京都

 円山公園に来た。ここには690本もの桜があるが、中でも枝垂れ桜は「祇園の夜桜」として京都の桜の中でも最も有名かもしれない。

 「清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵逢う人 みなうつくしき」。与謝野晶子がこう詠んだのは、まさにこの円山公園でだった。

 この夜桜はなぜか 背の高い気品を保った女性に見える。

 その女性が髪を下した時の色香のようなものが、漂ってくる。

 そして、夜空に映えるピンク。

 いつまでも眺めていられる。

 もう一度見上げなおして・・・

 目を地上に向けると、桜の間から夜店と花見客の賑わいが垣間見られる。今年は見られない光景だ。

 そんな場所から、次はまた別の夢の世界に移行しよう。

 

 

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京都の桜④ 法観寺五重塔と清水寺三重塔。違った味わいの中で桜に包まれる

2020-03-25 | 京都

 八坂の塔=法観寺の五重塔は、ある意味京都の代表的な風景の1つだ。国の重要文化財にも指定されている。

 その塔の周囲を見事に桜が囲む春の風景は、何物にも代えがたい趣を感じさせる。

 さまざまの こと思ひ出す 桜かな  (松尾芭蕉)

 少しずつ暗くなってゆく中で、しっかりとその白さを誇っていた桜。

 そこから清水寺に向かう。

 最初に出会う仁王門は、ライトアップされて鮮やかに赤い。

 その門から奥を見ると、三重塔も光に照らされて輝く。

 青い光線は、観音様の「慈悲の光」を表現したものという。夜空をつんざくような強烈な光だ。

 三重塔の雄姿は、圧倒されるほどの迫力に満ちている。

 その横に咲く桜は、燃えるような光に染まっていた。

 

 

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京都の桜③ 妖艶さとはかなさと。寺を背景に変身する桜…金戒光明寺、真如堂

2020-03-22 | 京都

 金戒光明寺。幕末に京都守護職となった会津藩主松平容保が陣取った寺でもある。ここにも見事な桜。

 一面花で覆われた境内で、ゆったりと階段を上るときの快感はなかなかだ。

 山門横の桜はちょっと儚げに咲いていた。

 この花びらは白の中に濃いピンクが溶け合う絶妙な色。

 ふと見ると、髪をピンクにした外国の女性がピンクの花に囲まれていた。

 なかにはこんなにも色濃い品種もあった。

 また、水がめに浮かぶ花びらの風情も・・・。

 花の色は 移りにけりないたずらに わが身世にふる ながめせしまに 

 (小野小町)

 この情感あふれる短歌と同様な意味を含んだ句もある。

 世の中は 三日見ぬ間の 桜かな

 光明寺からすぐの真如堂に移ったころには、夕暮れが迫り始めていた。三重塔のシルエットが、ぼんやりと浮かび上がった。

 

 

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