新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

トスカーナ⑪ モンテプルチャーノからの旅立ちの朝、思いもかけずルネサンスの大詩人の生家を発見した。

2020-10-31 | イタリア・トスカーナ

翌朝、早起きしてホテル近くを散歩した。まだ夜明け前、月は見事に半分だけの半月形。

 通りが少しずつ明るくなってきた。

 丘陵側に出てみた。と、こちらは濃い靄に包まれている。一面に薄墨を撒いたかのような状態。

 昨日眺めた緑の風景とは一転して幻想的な・・・。

 靄が動いて雲になり、丘陵を覆い尽くす。一瞬雪舟の絵を連想しそうな色合いだ。

 しばらくすると、靄が少しずつ薄れてきた。山の形が見え始める。

 そうこうするうちに、朝日の色が微かに混じり始めた。

 この地にも朝が確実に忍び寄る。

 陽の光が地上に差し込み、今日の始まりを告げる。

 さあ、ぼちぼち次の街へ旅立つ準備を始めよう。

 と、こんな看板を発見した。ポリツィアーノの生家を示す看板だ。

 ポリツィアーノとは、あの栄華を誇ったフィレンツェ・メディチ家の当主ロレンツォ・イル・マニフィコの親友で、華麗な詩を数多く紡ぎ出し、ボッティチェリを始めとした多くの芸術家たちに多大な影響を与えたルネサンスの大詩人。 そんな偉人がこの町の出身だったとは知らなかった。

 モンテプルチャーノ滞在の最終日にルネッサンスの重要人物のルーツに出会うという、思いもかけない体験をしてしまった。

 そんな思い出を胸に、モンテプルチャーノからまた別の街へと旅は続いた。

 

 

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トスカーナ⑩ 美味しいワインと郷土料理、それに美しい夜景に出会ったモンテプルチャーノの夜

2020-10-27 | イタリア・トスカーナ

 日没になった。夕焼け空に筋雲が広がって、ちょっと幻想的な光景になった。

 それに、風に戯れる糸杉のシルエットが重なる。

 家の屋根から飛び出した煙突さえも面白く感じる。

 とても良い気分だったので、夕食は少し奮発した。プリモは定番のパスタ。フンギ(キノコ)の入った地元の味わい。

 セコンドはステーキ。

 そしてパンナコッタのドルチェ。もちろん地元産のワインをたっぷり。

 ほろ酔い気分で外に出ると、素晴らしい夜景が待っていた。

 明かりの点いた家並みと遠方にまたたく近隣町村の灯りたち。

 そして、グランデ広場の建物もライトアップしていた。

 市立美術館の色合いがいいなあ。

 市庁舎の、のっぽの塔が白く光っていた。

 そんなグランデ広場の全景に見とれながら、スキップをしてホテルに戻った。

 

 

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トスカーナ⑨ 美しい自然と気さくな人たち。とても居心地の良いワインの町

2020-10-24 | イタリア・トスカーナ

 モンテプルチャーノの町も夕方になると人が出始めて来る。昼はシェスタの習慣がまだあるのか、あまり人通りがなかったのだが。

 食料品店の店頭に置いてあったイノシシ(ブタ?)の看板。

 そのすぐ隣にはスタイリッシュなハイヒールの店。すべてイエローで揃えているところなんか、おしゃれ!

 この町はワインの産地としても有名だ。この店ではティスティングができる。

 お土産用にもいろいろなワインが揃っていた。

 街はずれにはワイナリーがある。

 その入口にあった、ワインを並べた樽。

 ワイナリー付近の通りは、一方が崖になっており、その眺めも見事だ。

 傾斜がかかった家並みと、遠くに浮かぶ綿雲の対比は、一服の絵のように見えた。

 この町の人達はみな、私のような見慣れない東洋人にも親し気に挨拶してくれる。全く気取らないごく普通にかわす挨拶。とても居心地の良い時間を過ごすことが出来た。

 

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トスカーナ⑧ モンテプルチャーノの町に戻って、ゆったりと坂の通りを散策。

2020-10-20 | イタリア・トスカーナ

 ピエンツァから戻って、もう一度モンテプルチャーノの町散策を開始した。街中心部から坂を下る。

 結構な急坂が続く。

 各所にこんな青い旗が翻っていた。この町の旗なのだろうか。

 道路も石畳。でも歩きにくい感じではなかった。

 高い塔に着いた。プルチネッラ鐘の塔。塔の天辺に人形が立っている。ただ立っているわけではなく、時計と連結して時間ごとにこの人形が鐘を鳴らす仕組みになっているという。

 こちらはサンタゴスティーノ教会。大きな教会だ。

 正面扉口には聖母子と2人の聖人の姿が飾られている。ここもミケロッツォの設計。優雅なルネサンスの風味が感じられる。

 グラッチャノ・ネル・コルソ通りは、南北に長い街の一番北側にあたる。アーチの付いた通りは何か風情があるなあ。

 こんな三差路。風変わりな形が興味を引いた。

 

 

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トスカーナ⑦ ピエンツァの通り。「愛の小路」、「キスの小路」そして「たそがれの小路」へ。結末は何?

2020-10-16 | イタリア・トスカーナ

 街を歩いていて、ちょっと面白いことに気付いた。通りの名前がみんな凝っている。カステッロ通りとロッヒリーノ通りを結ぶ路地の事だ。

 まず1つ目の通り名はvia della fortuna  「幸運の小路」だ。

 次は、と見ると via dell amore 「愛の小路」になる。

 この小路の入口には、赤い花束と女優など有名人のものと思われるポスターが貼られていた。

 続いて現れるのは via del bacio  「キスの小路」 予想通りの進行形態!

 さらに進むと、ちょっと雰囲気の異なるこの小路に繋がる。

 なんと via buia  「たそがれの小路」になってしまった。これは恋が終わってしまうことへの暗示なのか?

 そしてついに出てきたのが via della buca  何と「落とし穴の小路」。「甘いお話には落とし穴もあるのでご注意を」という、有り難い教訓?!?!

 この小路だけは近づかない方がいいかも・・・。

とにかく、非常に波乱万丈、示唆に富んだ通りの名前が並んでいた。

 また、ちょっと離れた場所には via della rosa 「 薔薇の小路」もあった。

 この角の家には、バラではないものの赤い花が咲き乱れていた。

 最後に、あの万有引力の法則を発見した「ニュートンの小路」もあった。この由来が何なのかは不明です。

 

 

 

 

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