4月28日、フランシスコローマ教皇が亡くなりました。
今年のアカデミー賞でも各部門を賑わし、脚色賞を受賞した『教皇選挙』。授賞式の中継を観ていて気になっていたので、3月の公開直後に観に行っていました。
いつもなら観てすぐにブログに色々書く(とはいえ観た映画の半分程度)ところですが、公開当時はパンフレットが売り切れていたし、内容が難しくて資料なしでの振り返りができずにいたのです。
何の予備知識もなく複雑な背景を抱える、全く縁のない世界の物語ではありましたが、そんなこの世界に興味のない僕のようなヤツまで引き込まれてしまう、まさに極上のサスペンス・ミステリー映画でした。
言ってみれば日本の仏教界の各選挙(僕の知っている宗派の県単位の宗門選挙)ですら、のちに相当な遺恨を残すドロドロがあるのを目の当たりにしたことがあるので、「選ばれた瞬間に世界で一番有名になる」(劇中で語られるセリフ)ほどの選挙ならば比べ物にならない駆け引きやスキャンダル合戦、密約やら何やらがあることでしょう。
その教皇が亡くなってから世界中の枢機卿(この方たちの地位すら知りませんでした)が集まり、次の教皇が決まるまで外部との接触を一切閉ざされた状況で心理戦を繰り広げるわけです。
『007』シリーズのMとして僕の(心の)上司であるレイフ・ファリンズさん、『フットルース』で堅物の牧師を演じたジョン・リスゴウさん(『ガープの世界』や『トワイライト・ゾーン』も良かった)、色々な作品に出ていらっしゃるにもかかわらず初めて(いくつも観ているのにごめんなさい)その演技力に圧倒されたスタンリー・トゥッチさんの三人の有力枢機卿を軸に物語が展開していくんですが、面白いのなんのって。
やっぱり”密室もの”の映画って舞台的で面白いですね。軟禁状態(外部と接触できないから宿舎暮らし)で食堂で出されるお食事(イタリアの家庭料理みたいなの)がどれも美味しそうで...パスタ食べてみたいです。
そうこうしているうちにフランシスコさんがお亡くなりになり、現実の世界でのコンクラーベが始まっています。新聞によれば1978年以降、イタリア人の教皇は出ていないとか。今回も有力視される枢機卿の一人にフィリピンやコンゴの方もいらっしゃいます。全枢機卿の2/3の得票を得るまで続くコンクラーベ。映画を観たおかげでコンクラーベの行方に俄然興味が沸いています。
ここにきて仙台でも『教皇選挙』の上映に踏み切った劇場が多くなってきました。映画を観るとホンモノのコンクラーベのニュースを見るのが楽しくなります。是非劇場で緊迫の内情をご覧ください。
【アカデミー賞《脚色賞》受賞】映画『教皇選挙』予告|3月20日[木・祝]全国公開