もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

立憲民主党の参院選総括

2022年07月26日 | 野党

 立憲民主党が、所属議員の両院懇談会で参院選の総括のための意見聴取を行ったことが報じられた。

 参院選では改選議席を減らし、比例代表でも得票を大きく減らすとともに日本維新の会の後塵を拝して、これまで比例得票数を以って民意は自公に拮抗するとしていた最後の牙城までも失うこととなった。
 懇談会における所属議員の反応については、党の政権構想を変更すべきとの意見も出されたらしいが、多くは共産党・連合との選挙協力の不備を問うという意見であったとされている。
 直近の世論調査の政党支持率でも、立民7.0%、維新7.9%と野党第一党とは呼べない現状で、さらには年代別に観ても60代以下で維新を下回っており、現時点で衆院選が行われれば惨敗は免れないように思う。
 素人観ながら、何故立民は衰退しているのだろうか。
 立民支持者の中核は資本論が説く「経済こそが国家の基本」とする唯物史観の信奉者であるように思える。資本論・唯物史観の究極は、従来型国家観の否定であり、完成された暁には「国民は能力に応じて働き、欲望に従って消費できる国家でない形態」が来るとされている。しかしながら、自給自足的形態下では機能するかに見えたソ連では世界的な消費型経済の普及に伴って肥大した国民の欲求に応じられなくなり、なをかつ、喪失した国家観を統御するための独裁的強権が忌避されて共産主義を放棄せざるを得なかった。
 立民の政権構想を読めば、明白な国家観を見出すことはできず、そのことは今夏参院選のキャッチフレーズである「生活安全保障」と「集団的自衛権の放棄」「憲法改正絶対反対」が端的に示しているように思える。このフレーズに従えば、個人生活(経済的欲求)を満たせるならば為政者は泉氏である必要はなく中国共産党でも金正恩氏であっても構わないと、それ以上に日本国を維持する必要すら無いとも深読みできる。

 60代以下の現役世代(現在の老害世代が消滅した後に日本を背負い込まなければならない世代)の支持が低迷というより減少しているのは、一に立民が国家観を示さないことに加え、日本国の存立をも希望しないかの政権構想が原因であると断定しても良いのではないだろうか。
 ウクライナ事変を契機として前記世代は、「平和憲法が狂犬から守ってくれるのか?」「戦力文言に制約された個別的自衛権に依る専守防衛のみで国は守れるのか?」を考えた結果として、導き出されたのが「自公の受け皿としての維新選択」であるように思う。
 政権攻撃で相対的評価を挙げるという究極のポピュリズム政党が、「給付金を5万円に減らしてもミサイルを」と変化した民意を汲み取れなかった戦略が敗因の全てであり、選挙戦術に敗因を求めることは「群盲象を撫ぜる」の所業に思える。いや所業ではなく笑業と造語すべきであろうか。


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