毎年、この季節になると干し柿(吊るし柿)を作る。
スーパーで売り出す干し柿用の渋柿を買って、ピーラーで皮をむいて
縄にくくって軒下に吊るす。
もう何年も続けている冬の定番作業だ。
今年は干し柿作りを19日から始めた。
スーパーに行くたびに8~10個ほど買い求め、皮をむいて吊るしていく。
とりあえず30個ほど吊るしたが、毎年ご近所からも渋柿をいただくので、
今年は50個ぐらいできるだろうか。
皮をむいたばかりの柿が、初冬の陽ざしを受けて黄色く輝き、冷たい風
に晒され黒ずんでいくのを見ると、今年も終りだなあ、と実感する。
我が家のささやかな冬の風物詩、かな?
子供のころ、干し柿作りをよく手伝った。
柿をくるくる回しながら皮をむき、どれだけ長く切らさずにむけるか・・・
炭火を熾した火鉢の周りの一家の夜なべ、楽しいひと時だったように思う。
♪・・・母さんが夜なべをして・・・♪
まさに「里の秋」の風景だったなあ。
その皮を乾燥したのが「おやつ」になった。
お菓子などめったに食べられなかった頃だったからだけど、今ではこんな
「おやつ」は、見向きもされないだろう。
和歌山かつらぎ町四郷の干し柿の里のようなアートじゃないけれど、ベラ
ンダの軒下に吊るした不揃いの自家製干し柿もまた一興、かな。
1か月もすれば、甘い柿に変身してくれるはず。
半渇き状態の、少し渋味が残っているころに食べるのが好きだ。
干柿を作り稚拙を喜べり 後藤比奈夫
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!?・・・ちょこっと、知ったかぶり・・・!?
<干し柿はなぜ甘くなるのか>
柿の渋みの原因は水溶性タンニン。口に入れると唾液に溶けて強い
渋みを感じます。
一方、干すことでタンニンは不溶性に変化し唾液に溶けないので、渋み
を感じなくなります。
一方、柿を干すことで水分が抜けて糖度が高くなリ、甘柿の約4倍も甘く
なります。
渋柿の水溶性タンニンが不溶性タンニンに変化することを「渋抜き」と言
います。
渋抜きの代表的なのは乾燥ですが、アルコールやドライアイスを用いる
方法もあります。
乾燥で渋抜きしたものが干し柿、酒樽で渋抜きしたのは「樽柿(たるがき)」
と呼ばれています。 (「味博士の研究所」など参照)
我が家の干し柿作り