福島原発事故メディア・ウォッチ

福島原発事故のメディアによる報道を検証します。

ジョーシン電機と関電のダマシ節電=電力消費拡大キャンペーンに気をつけろ!

2012-06-13 14:33:35 | 新聞
原発の電気はいらないから節電しよう、という気持ちの人は多い。自宅を「ネガワット発電所」にするために、私も電力消費の少ないLED電球を地元のジョーシン電機に買いに行った。週末の売り場には、お父さん・お母さんといった人が何人もおり、私と同じように、複数のLED電球を求めていた。さて、レジで代金を払うと、『エコキャンペーン』のチラシがもらえる。店内で開催中で、もれなくティッシュペーパーを一箱くれるという。太陽光発電の案内もあるという。それでは、と、出向いてみるとこれがとんでもない、ダマシ・まやかしキャンペーンだった。
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黄色いキャンペーンブルゾンを着たおねえさんが、まずはアンケートをお願いしますと来る。電気料金やガス料金の額を尋ねる項目の後、『太陽光発電とオール電化に関心がある』という質問が来る。この辺からあやしさが見えてくるから、

「太陽光発電には興味あるけど、オール電化はぜんぜんやる気がないときはどう答えたらいいの、やっぱり×ですか」、とおねえさんに尋ねると、おねえさん困惑気味に「そうですね・・・」と言葉を濁すから、もちろん×をつけると、こういう「想定外」の客はしょせん金にならないから早く帰れ、という態度が露骨に見え始めるが、そこは仕事、おねえさんは、こんな計算表を突きつけてくる。



なぜか、この表には太陽光発電だけの場合の節約分が表示されていない。オール電化(『オール「節」電化』などとごまかし表現もある)だけの場合が一番上に来ているのに。「だから、オール電化はしないから、オール電化しなくて太陽光発電だけだったらいくらの節約になるわけ?」と再度、尋ねると、そんなら、太陽光発電+オール電化分から、オール電化分だけ自分で引き算すればいいだろう、と、とてもキャンペーンガールとは思えないとおーっても冷たいお答え。それもそのはず、このキャンペーンの本音はもちろんオール電化による電力消費拡大。太陽光発電はエコロ(決して脱原発とは言わない!)という言い訳のための添え物で、電力不足と節電が叫ばれている真っ最中に「電力消費拡大キャンペーン」をする矛盾をごまかすための装置に過ぎない。そのごまかしを、関電&電通文法で表現すると、



となる。なぜいきなり「関電」なんていうのか、根拠がないだろう、とおっしゃいますか?そんなことはありません。キャンペーンガールはついでにという感じで、関電子会社のプロバイダーのケイオプティコム(ジョーシンではよくキャンペーンしている)をすすめるから、「関電関係のかた?」と尋ねると、『はい』というご返事。まあ、いなかの電気店などでキャンペーンなど張るのだから、国会議員先生すら恫喝できるご立派な労働組合に属するところの正社員さんではなく(泣く子も黙る電力会社の正社員なら、危険な線量の現場と同様、こんなドサ回りのはんぱ仕事などするわけない)、下請けの下請けとか、そのまた臨時の派遣職員とかの方だろうが、関電の金で動いているのは間違いない。

関電は、LED電球などを買って、節電に努めようとしている人々を、原発事故前と同じくエコロというひっかけ文句で、電力消費拡大にたらしこもうとしている。節電コンシャスな人々が、太陽光発電などを本気で導入し、それと同時に電力消費削減の「ネガワット発電所」をも自宅に導入したら、関電の売り上げは確実に減る。いや、そんなことより、当面、この夏の「電力不足」のおそれ、「ブラックアウト」の危機、という原発再稼働のための大合唱のシナリオが崩れる。

「大阪府市エネルギー戦略会議」をはじめとして、この夏の電力需給に関する関電の見積もりの欺瞞を指摘した人たちはたくさんいるし、東京新聞などでも何度も報道されている。しかし、「電力不足」来る、停電で弱者が死ぬ!と叫んでいたオオカミ少年の関電が、一方でこんな露骨な「節電阻止」&「電力消費拡大」のキャンペーンをドサ回りでやっているという現実は、関電の言う「電力不足」の危機などがまったくの大うそだということを示している。ほんとうは、この夏に「電力不足」が起こらないことになっては大変だから、オール電化を広げて人々の節電努力を無化し、原発が必要になる電力消費=電力不足をなんとか確保したいのだ。だから、太陽光発電も原発の電気によるオール電化と「相性バツグン」の抱き合わせになってもらわないと困る。

原発マフィアのせこさ・図々しさと「相性バツグン」のキャンペーンであった。



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