福島原発事故メディア・ウォッチ

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福島瑞穂は何のためにそこにいたにのか?:社民党の「落ちこぼれ与党政治力学」

2011-05-25 18:30:01 | 新聞
5月23日に福島の親御さんたちが、子どもたちの被曝基準を年間20ミリシーベルトとすることに抗議し、基準の撤回を求めて文科省に出かけて行った。毎日新聞によれば、『福島県内の父母ら約650人』が集まったということだ。その『要望書を涙ぐみながら読み上げる福島から来た親子』(毎日)や『「我慢ももう限界」と涙声で訴えた』『4児の母親』朝日)を前にして、文科省の担当者はどう答えたか。

『渡辺格(いたる)次長は「最終的には1ミリシーベルトを目指して努力する」としたが、撤回の意思はないことを改めて示した。』(毎日)

こんな回答を聞いて、むろん福島の保護者の方は納得しない。政治家もその場にいたようだが、彼らも、最初は保護者・住民に同調して文科省担当者を追及した。しかし、そのうちに…

以下は、当日の抗議・要請行動に(福島の親ではないが)参加した人からもらったメールです。社民党党首・福島瑞穂の奇妙な行動が、人々を驚かせた様子を生々しく伝えています。政治家が何のためにそこにいたか、改めて考えてみる必要がありそうです。

==============以下、メール引用======================

5月23日、20ミリシーベルトの撤回を求める福島の保護者の文科省要請行動に参加してきました。保護者の人たちの要請は新館の2階の玄関前で、文科省の役人一人との間で行われていました(文科省はどうして中で話を聞かないのか。途中で雨もぱらぱら降ってきたのに。それに、今の方針が間違っていないというんだったら、大臣が出てきて正々堂々と説明したらいいでしょう。)

私は旧館を囲んだ人間の鎖に入って新館と旧館の間にいて、初めは交渉の内容が聞き取れず、聞こえたのは終わりのほう、スピーカーがこちらにも向けられてからの話だけで、しかも記憶で書いていますので正確でないこともあると思いますが、???と思ったことを書きます。

民主党の川内議員が文科省の渡辺さんに、”あなたはさっき、1ミリシーベルトに近づけるのが文科省の方針だと言った。ではそれを文書にして出してくれ。もう口頭では文科省の方針と言っているのだから、後は文書にするだけだから、出すと言ってくれ”と言いました。もちろん渡辺さんは文書を出すとは言わず、政務三役にあげて速やかに検討する、と答えると、保護者の人たちの怒号があって、撤回のシュプレヒコールもあって(人間の鎖もそれに加わった)、議員と渡辺さん、しばらく押し問答になりました。

社民党の福島議員も最初は同じように、通知を文書で出すようにと迫っていましたが、もちろん渡辺さんは出すとは絶対に言わない(人間の鎖から「渡辺さん、人間に戻ってよ」という声も出ていた)。

ところが、そのうち福島議員は場を納めにかかってきた”では、必ず政務三役に言って速やかに検討して私たちに報告してもらいます。私たちも国会でがんばって追及します”、と福嶋議員は言った。それを聞いて、「え? さっきの要求より後退してないか?」 と思いました。もう「検討」じゃないでしょう。口で言った方針を文書にしてくれ、っていうだけの話にどうして「検討」が要るのかわかりません。それになんで「国会で」になるのか。そんなのがらちがあかないから、保護者の人たちは自分たちで行動することにしたんじゃないですか。「報告」させる相手は議員じゃなくて保護者の人たちでしょう。

もちろんそんなことで保護者は納得しませんでした。そんな話じゃだれも帰れませんよ。そんな悠長なまとめ方をされるために来たんじゃない、と思う。福島議員は同じことを何度も繰り返しましたけど、納まるわけありません。最後にたぶん福島の方だと思いますが、”今日はこれで帰りますが、撤回されるまで私たちは絶対にやめませんから”と言われる方があって、それで文科省への要請は終わりになりました。

福島議員にも、あくまで突っ張ったら次は交渉の場を自分が設定できなくなるという心配があったんでしょう。でも、ほんとに子どもたちが今現在、毎日毎日被曝させられているという保護者の危機感が共有されていたんでしょうか。大変疑問に思いました。

=============引用終わり==================

福島瑞穂が「では検討してください」と言ったのは、政府・文科省への助け舟。担当官僚・渡辺がうっかり口を滑らせた「文科省の方針」という言明を、なかったことにする言い訳を相手に与えている。もう『方針』だったはずのものをあらためて『検討』するわけがない。そして『検討』の報告の相手を自分ら「国会で追及する議員」として、保護者たちのナマの要求・追及にフィルターをかけ、政府官僚にとっては大変ありがたい緩衝作用をかってでている。

前回の対文科省交渉でも、社民党側が、「予定の時間が来た、会場がどうのこうの」といって住民たちの追及をとめ、交渉を終わらせるところがあった。予定の時間?そんなもの関係ないだろう!福島からわざわざやって来た人たちがみな言いたいことを言い尽くすまで、「時間が来ましたが、まだまだ大事なことが残っていますので、延長して続けたいと思いますが、よろしいですね」と官僚側にどうして突っ込んでくれなかったのだろう。その時も、党の人間は「後できっちり文書を出させる」とか言って場を収めていた。福島瑞穂と社民党は、どう見ても政府や官僚と本気で対決する気はない。最後の最後を収めることで、政府や官僚に対して点数を稼いでいるのではないか。政権に色気十分の落ちこぼれ与党の存在意義をそんなところで発揮しようというのか。

落ちこぼれ与党などの介入の必要がないくらい、何千人・何万人で文科省を包囲し、群衆が庁舎に、そして道路にもあふれ、交通が混乱し、官僚や議員たちが「どうなってしまうんだろう」と恐怖を覚えるくらいまで、みんなで文科省に押し寄せよう!

「撤回されるまで私たちは絶対にやめませんから!」

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福島瑞穂議員にささげる反歌

時代は変わってゆく  ボブ・ディラン
・・・・・・・・
衆議院、参議院の議員のみなさま、
みなさんに訴える声をきいてください。
入り口に立ちふさがって、中に入るのを邪魔しないでください。
なんだかんだと口実をならべて時間稼ぎをしていても、
あとで傷を負うのはみなさんの方だ。
外では、戦いが荒れ狂い、やがてみなさんの窓を震わせ、壁を揺るがす。
時代が変わってゆくのだから。
・・・・・・・・

The Times They Are A-Changin'
Bob Dylan
・・・・・・・
・・・・・・・
Come senators, congressmen
Please heed the call
Don’t stand in the doorway
Don’t block up the hall
For he that gets hurt
Will be he who has stalled
There’s a battle outside and it is ragin’
It’ll soon shake your windows and rattle your walls
For the times they are a-changin’


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