防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

必携 地震対策完全マニュアル

2009年07月16日 | 技術動向
京都大学防災研究所の河田先生の本です。PHPのせいか、一見派手です。しかし、被災する前の具体的な状況がイメージしやすく、値段の割には中身は充実していると思います。

一言付け加えるなら”マニュアル”という言葉がどうも引っかかる。発展問題へと興味をそそるようなタイトルの方がよかったかも。

ワサビ田と土石流

2009年07月15日 | 災害の記憶と想像力

わさび沢 隠れ径 小夜時雨 寒天橋

これは名曲『天城越え』の歌詞の一部です。いま、伊豆の渓流調査を行っていますが、このような情景は失われつつあるような気がします。

それこそ、隠れ径をさかのぼっていると、明かにかつて”わさび沢”だったと思しきところが放棄され、杉た竹やぶになっています。それどころワサビ沢を取り囲んでいた石垣が崩壊して土石流堆積物と混然一体とたっている箇所さえあります。

「自然との共生」という言葉が出る以前の方が、自然と共生しており、無意識のうちに防災にも貢献する知恵があったのでしょう。妙なコンクリート構造物よりはるかに効果的です。


宅建

2009年07月14日 | 資格に関すること
しばらく現場でくたくただったので、宅建の勉強がおろそかになっていました。かなり記憶が飛んでいることでしょう。過去問しっかりやろっと。

いろんなところで選挙ですが

2009年07月13日 | 雑感
東京や奈良などで選挙が行われました。大分民主党が票をのばしましたですね。現在は100年に1度の”経済災害”のさなかにありますが、本当の自然災害に対してのイメージは、各政党ともどうなんでしょうか。エコは”エコロジー”か”エコノミー”か、、

誰でもよかった - サンデーモーニングから -

2009年07月12日 | 技術動向
今日のサンデーモーニングに出演していた寺島実朗さんが、次のようなことをおっしゃっていました。

誰でもよかったというのは、犯人だけの言葉ではない。労働の没個性化(標準化を美化した)により、あんたのかわりはナンボでもいる、誰でもよい仕事が増えて、誇りのもてない社会になった。

以前、報道ステーションでの同じようなことをおっしゃっていましたが、まさにそのとおりです。以前は、土石流危険渓流でも急傾斜地崩壊でも、調査者の実名が報告書に表記されていましたが、いまはワンクリックでレッド、イエロー、、、誰でもよい、、、、、

地質調査技士試験 - やばいかも -

2009年07月11日 | 資格に関すること
今日は地質調査技士の試験でした。入札に関わる法律や現場技術、物理探査に室内試験、とても広範囲から出題されました。なかでも200点満点中120点分を占めるといわれる記述問題。

※現場透水試験(ピエゾメータ法 = ケーシング法)、孔内水平載荷試験について、ボーリング削孔時の留意点及びそれが適切に実施されなかった場合に、試験結果に与える影響について記述せよ

 ううっ!! やったことないっす。。。空欄にしないのが精一杯でした。

※地質調査にかかわる技術者として、以下の項目に対してとるべき行動をそれぞれ3つあげ、簡単に説明せよ(600字)

1.社会的責任を果たすために
2.顧客の信頼にこたえるために
3.業の地位向上を図るために

 ううっ!! 全地連のweb site もっとよく読んどけばよかった。。(後の祭り)。CPDとか守秘義務とかライフサイクルコストのこととか、なんとか書きました。以前、今岡さんにアドバイスを頂いたのですが、恩返しできるかどうか。。。。。。

政府広報

2009年07月10日 | 地球温暖化・寒冷化?人類の課題
地球温暖化対策の中期目標と題された政府広報が郵便受けに入っておりました。なんでも、

「未来を救った世代になろう」
地球温暖化は深刻な問題となっています。異常気象や大洪水を起こしかねない地球温暖化を防止することは、今を生きる私たち世代の責任です。
将来の子供が歴史を振り返ったとき、「あの時代の努力で地球は守られた」と言われるように、一致協力して「未来を救った世代」になりましょう

ちょっと内容が軽いと思います。例えば大洪水は、戦後すぐにカスリン台風や枕崎台風、昭和28年西日本豪雨に伊勢湾台風と、1,000人以上の犠牲者を出す大洪水が相次ぎました。その後土木工事、緑化などの効果で、少なからず私たちは、「時代の努力で救われている」世代なのです。

また、環境と経済の両立も歌われていますが、日本は公害病など苦い経験を経て、省エネや環境技術によって世界に冠たる技術を持っていると思います。

この広報の内容に関するお問い合わせは、首相官邸+低炭素社会づくり で検索 ってそんなめんどくさいキーワード検索もないもんだと思います。

地すべり学会の論文

2009年07月09日 | 技術動向
私が投稿していた地すべり学会の論文の構成刷りが届いたようです。といっても今月はず~~っと現場にでづっぱり。大きな声では言えませんが、論文のテーマ(今度の応用地質学会に寄せる論文の内容もほぼ同じですが)とは間逆の仕事です。。。

仲間が増えました

2009年07月08日 | Design with Nature

今日私のブログに誠実なコメントを寄せて下さった方がいました。一人親方さんです。

日常の生き甲斐 http://blog.zaq.ne.jp/ahahaa/

もうすぐ地質調査技士の試験。もっと早く知り合いたかったです。
なぜって、現場が最高の教科書ですから。kon25さんもそうですが、このような地質の現場のありのままを伝えるブログは数少ないですから。とても真面目な方のブログなので、これからも勉強させて頂きたいと思います。


10年に満たない観測史 - 牛山先生のブログから -

2009年07月06日 | 災害の記憶と想像力
牛山先生が河川情報センター講演会の記事を公開されていました。一部抜粋します。
http://www.river.or.jp/koueki/090611/result.html

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最近の豪雨災害に関する情報の整備状況、これも今日お集まりの皆さんでしたら今さら言うまでもないわけでありますけれども、例えば国交省の川の防災情報というホームページがありますが、非常に濃密な雨量観測所、それから水位観測所のデータといったものが、我々は簡単に見ることができるようになったわけであります。ほんとうにもう今すっかりこれが当たり前になりましたけれども、こんなふうになったのはまだ10年たっていないんですね、それだけ大きな変化が生じたわけです。川の水位も非常に懇切丁寧に出るようになってきたというのは、ほんとうにこれは今は当たり前になっちゃったんですけれども、これもごく最近のお話であります。
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観測史は、これほど浅いものです。観測史上最高を記録という文言に、安易に流されるなということです。私が今言っている現場も、昭和33年狩野川台風が語り継がれていますが、その当時と比べて観測網が随分拡充されているので、今後も新記録が出るかもしれませんが、そういった情報に過去の災害の記憶が流されることのないようにしたいものです。

地質と調査 - 小特集地盤と災害 - 昭和84年

2009年07月05日 | 防災・環境のコンセプト
全国地質調査業協会連合会が出している「地質と調査」の2月号に、同じ会社の大野さんも論文を投稿したので、ひととおり読んでみました。

大野さんの論文は、災害廃棄物の発生形態やその処分方法についての考えをまとめられたもので、大野さんが第一人者です。最近は地震の活動期であり、そこへきて社会インフラの更新時期でもあります。災害廃棄物がもたらすリスクとして、火山灰や崩壊土砂の中などに長期に埋没、放置された災害廃棄物は、複合的汚染の発生源、火災や有害なガス等の発生が懸念されます。しかし、この環境リスクに対する研究についてはあまり前例がありませんでした。

さて、そのほかの論文はというと、災害を受けやすい国土や地震時の宅地盛土の崩壊について述べられているものもありましたが、”どこかで見た”ようなものばかりという印象です。地質調査は、ダム・トンネル・橋梁等の土木構造物や建築基礎の設計のサービス業であるという、”昭和のイメージ”に使っているような気がします。市民のためとかExccellent small(必要最小限)が、時代の趨勢だと思うのですが。

旧陸軍の地図(外邦図)の公開

2009年07月04日 | 災害の記憶と想像力

東北大学の地理学教室が、旧日本陸軍が軍事目的で極秘に作成したアジア太平洋諸国のの地形図約6000枚をインターネットで公開するそうです。地形図や空中写真の公開されている日本では、過去の地形から地形や土地利用の履歴を調べ、環境調査や災害地形の調査を行うことは日常的ですが、他の国ではなかなかそうも行きません。

東南アジアは世界史を変動させるほどの火山噴火や地震、洪水災害も多発する地域です、その恩恵として豊富な果物や豊かな生態系もあるわけですが、これからいろんなことが明らかになると思います。

http://dbs.library.tohoku.ac.jp/gaihozu/


都市圏活断層図の公開

2009年07月03日 | 災害の記憶と想像力
国土地理院が都市圏活断層図を公開しました。
http://www.gsi.go.jp/common/000048807.pdf

もちろんIT技術的にはもっと昔から可能だったはずなので、結構遅かったなというのが実感です。しかし、そまま公開されましたね。活断層だけ抽出して公開するのかと思ったら、地形分類も一緒になっていました。この地形分類と活断層との関連性を、一般の人はなかなな理解できないでしょう。逆に専門家はもっと高度な分類をしろといいそうですし、その前に購入して手元にあるし。。

いまの活断層研究では、活断層として目立つ場所(リニアメント)は結果論であって、その原因としての震源断層を突き止めること、このために地質構造を広域的かつ3次元的に調査する方向にあります。もちろん空中写真判読でリニアメントを探すことは基本でありスタートなのですが、公表するならやはり90年代のほうがタイムリーだったと思います。

九州北部豪雨(2)

2009年07月02日 | 災害の記憶と想像力
今回の九州北部豪雨で、私の故郷柳川市で犠牲者が出てしまいました。牛山先生のレポートにもありましたが、”様子を見に行く”という行動でなくなる方は後を絶ちません。この方がどのような行動をしておられたのかは詳しくは知りませんが、本当に心が痛みます。