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以前、ある地質屋さんとの酒の席での話です。
藤田和夫先生の名著に「日本列島砂山論」というのがある。その内容をざっと言うと、六甲山の東西の圧縮の力で断層ができ、本来固いはずの花崗岩山地が岩盤が砂山のようにぼろぼろになっていくことを指摘したものだ。
これはいかにも関西の山々を歩いていおられた藤田先生らしい。ところが赤石山地や東北の山地を歩いていると、いわゆる二重山稜やその周辺の山頂小起伏面、”山ひだ”や谷の少ない岩盤クリープを反映した斜面に出くわすことが多い。そんな斜面はいかにも”ゆるい”いう印象がある。地すべりなんかは水を多く含んでいる豆腐の山のような印象だ。水が抜けて固くなって”高野豆腐”のようになってしまえば、山は安定するんだろうけど。でも固くなったら、景色も固くなって、日本独自の美しい唱歌やメロディーなんかもなかったかもしれないねえ
豆腐の山論の是非は別として、現場を歩き山の気持ちになるとはこういうことかなあ、と思います。定数やシミュレーションの結果では、酒は進みません。