先日千葉の地すべり調査で、住民の方が自宅裏山にフトンカゴ工を設置した理由を離してくださいました。なんでもその方が小さいころ(約40年前)、地すべりが発生したのでフトンカゴ工と排水ボーリングを設置したのだそうです。
この組み合わせはよく見かけるのですが、その方は”念のため”という言葉を使われました。そのときは、斜面にみかんの木やタブノキ、シイ等の照葉樹があって、人も住んでいて管理が行き届いていたため、目だった災害はそれ以降ないとおっしゃっていました。ただ、土地柄地すべりはとても多く、祖父の代から何回か家屋被害を伴う地すべりはどうしてもあるとのことですが。
いまは、人も住んでいないし、かつて家があったところは私の体が入らないくらいの竹やぶになっています。竹やぶの下に家を作ってはいけないとは先日書きました。竹の動きを地すべりの挙動方向を示すセンサーとして代用を試みちた研究もあるくらいです。
高知大学 横山俊治山相学研究室
タケの傾きから地すべり変動を読む
Tilting bamboos indicate moving directions of the unstable landslide at Ichihara, Kobe City
http://yokoshun.goemonburo.com/Works/Proceeding/Proceeding_Murai_JSEGC2005.pdf
1998年9月の高知豪雨では,都市を取り巻く山地の山麓部で多くの地すべり災害が発生し,その災害発生箇所の1/3は竹林であったと報告されている※。竹林と地すべり現象の因果関係の解明は不明であるが,今後,竹林の地すべりが都市域で発生する地すべり災害の典型となることも懸念されている※。傾動したタケは,こういった場所で発生する地すべりの地盤の傾動を的確に知るための有効な樹木センサーとなるものである。
※日浦啓全・有川 崇・ドゥラ ドゥルガ バハドゥール(2004):都市周辺山麓部の放置竹林の拡大にともなう土砂災害危険性.地すべり,Vol.41,No.4,323-334.
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