防災ブログ Let's Design with Nature

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鹿沼軽石の載る40°の崖錐

2010年05月17日 | 災害の記憶と想像力
先日行った現場で、勾配40°以上ある崖錐(急傾斜地などから剥離した岩屑類が下部斜面に堆積して出来た地形です。一般には半円錐状を示します。そういえば宅建にも出ていた記憶があります)の上部に鹿沼軽石が載っている露頭を見つけました。

鹿沼軽石とは群馬県の赤城火山を給源火山(更新世約3万前)とする約1mの厚さの軽石層がで、見られる。全体として黄色に見え、園芸用として市内各地で採掘されていて、ホームセンターでも売っています。これが最上部に近い位置にあるとおいうことは、基本的にはその堆積面は3万年間安定していたことを物語っています。勾配が40°もあるので表面は落石・小崩壊で乱れてはいますが、なかには全面にコケの付着した2mくらいの岩塊も多く残っています。地表水はありません。

最近は30°、高さ5m以上の崖を一括してレッドゾーンとして法的な力を持つようになっていますが、このような地形発達史的背景や地表・地質踏査の成果をなんとか生かせないものでしょうか。