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矢守克也先生の著作 - 文系の防災学 -

2009年09月20日 | 技術動向
矢守克也先生が新しい著作を出版されたようです。明日にでも買いにいこうと思います。秋の夜長にいい読書ができそうです。

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防災人間科学(東京大学出版会)
http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-011126-3.html

被災者の心のケア,破壊されたコミュニティの再建,ボランティアの活躍など,自然巨大災害の「すぐれて人間的な面」を浮き彫りにしたのが,阪神・淡路大震災でした.建物の免震化や効果的な予知,治水などにも匹敵する“文系の防災学”がありうるとしたら,それは何をすることなのか,著者の真摯な探求と実践は,いつしか人の輪をつくり,あるうねりを作ってゆきます
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ここで”文系の防災学”という言葉が印象に残りました。防災の主語は・目的語は、もともと地域社会や人、命・財産といった”人文系”であり、最近話題になっている”ムダのない”という言葉は「費用対効果」という”経済系”であったからです。安定計算や不安定土砂量などは本来力学的解析なのですが、目指す数値はいろんあ”都合”で動きます。むしろ、自然を正直に解析した結果を素直に防災に生かした事例はすくないといえるでしょう。そのためには、真に理系の防災学を確立する必要もあるでしょう。そのあたりは、本をしっかり読んで考えてみたいとおもいます。