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防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

建設コンサルタントの転職紹介サイト

2009年10月19日 | 雑感
なにげなくネットをみていたら、「プロの集団が建設コンサルタントの転職をサポート」というサイトが流れてきました。

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http://shoukai.type.jp/landing/sem/0908/04_0003.html?tan=sen1532&mot=tan&med=aws&waad=rzB2QdEh

転職に成功した方のうち、約71%の方が、前職と比べて年収UPを実現しています。

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私は3回の転職を経験していますが、年収はあがったりさがったりで、劇的に変わったということはありません。変えていこうと思ったのはやりがい、生き甲斐です。机上の空論より地上の正論。官から民へシフトして、実績と実力が比例する。このような”きれいごと”とされてきたことを、楽しく語り合える場を求めてのことです。

土木工学はCivil Engineering

2009年10月16日 | 雑感
『家族を守る斜面の知識 - あなたの家は大丈夫? - 』の はじめに に次のような一節があります。

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土木工学は英語で
Civil Engineering  と言います。『市民工学』です。一般市民の役に立たないと意味がありません。
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wikipedia では、

土木工学は英語ではCivil Engineeringである。当初は主として民業施設に関した工学を意味したとされる。これは軍事以外の部門を意味するCivil(Militaryの反意語)という語を、1771年にイギリスの機械技術者ジョンスミートンがそのようにCivil Engineeringの名称決定したことに由来するとされてはいる。近代はメカニカルやエレクトリカルエンジニアリングとの区別からであり基本的にはCivilな分野の技術を指すとはいえない。諸外国では日本で取り扱っている建築の技術部門や環境に関する部門も土木として扱われており、日本の土木工学と必ずしもイコールではない

とありますが、これも世間がもつ「土木」のイメージ≒公共工事 とも違うような感じですね。


神奈川歌壇から

2009年10月11日 | 雑感
神奈川新聞に味わい深い川柳がのっていました。

        限りなき 私のミスを 消し去りて

                 その身細めし 白き消しゴム
 

”限りなき”と”その身細めし”という所に"現場”を感じます。数値解析のDelateにはない感覚です。人間はミスは限りなくても、そのミスがなんであったか、思考回路がどうであったかを記憶しています。ですから、デザインができます(このあたりは、『考えるヒント』にも書いてありました)。

いまは、土石流の氾濫範囲や地すべりの滑動範囲を消しゴム片手に考え込むことがありません。しかも、決っして時間が節約されているかというとそうでもないので、余計この川柳の味が出てきます。

プレゼンテーション技法

2009年10月05日 | 雑感
オリンピック招致に関する一連の活動をみていると、プレゼンテーション技法の重要性を感じますね。日本人のプレゼン力不足は久しく言われていることですが、これは地質調査業界でも深刻な問題だと思います。というか、深刻に考えていない人が多いのも気になります。

公共事業は、点数と実績で選ばれるためドライです。これが民間需要開拓となると、人の心に直に訴えますので、プレゼンテーションはコアな技術になってくると思うのですが。

新たな時代の予感

2009年10月03日 | 雑感

オリンピックは南米リオ・デ・ジャネイロに決まりました。
鞆の浦の裁判は、景観保全を主張する側が勝利しました。
相次ぐダム事業の中止
楽天イーグルスの快進撃(?)

新しい風が見えてきました。
防災・国土の保全は自分の力で、というムードが出てくるでしょうか。


さりげない語り口

2009年09月24日 | 雑感
読書の季節です。どういうわけかこの年になって『思考の整理学』や『考えるヒント』など、本来学生のうちに読んでおくべき古典に興味を持っています。最近仕事で求められる内容が、どうも自然観をゆがめられる方法によることが多いため、グチも増えている自分に対する清涼剤として効果的です。

この2冊の本に共通することは、格調高い思想がとてもさりげない語り口調で書かれていることです。私もこのブログのサブタイトルに「北風より太陽」と言っておきながら、どうもハードな語り口になることがしばしば。。。

いまマスコミをにぎわしているダム問題もCO2にしても、殆ど極論に近く、金の話ばかりです。どちらにしても自然科学の成果なしに成り立たない問題であるにもかかわらず、やはり経済効果の話ばかりです。自然は繊細で、数学で美しいといわれる数式をグラフにするとソフトランディングしています。でもやはり必要性が話題にあがることはありません。

雑感の100回目に『考えるヒント』を読んでみた

2009年09月23日 | 雑感

このブログのカテゴリーのひとつである、「雑感」がついに三桁の100に達します。と大仰に言うことでもないのですが、少なからずブログを書くときは”考えている”ので、現代の古典とも言うべき、小林秀雄『考えるヒント』を読んでいます。

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現代の合理主義的風潮の乗じて、物を考えている人々の考え方を観察していると、どうやら、能率的に考える事が、合理的に考えることだと思い違いしているように思えるからだ。当人は考えている積りだが、実は考える手間を省いている。(中略)。物を考えるとは、物を掴んだら話さぬということだ。画家が、モデルを掴んだら得心の行くまで離さぬというのと同じことだ。

文藝春秋昭和34年10月号「良心」
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”当人は考えている積りだが、実は考える手間を省いている。”
これはまさに、土砂新法基礎調査のYRゾーンの設定法と同じようなことです。ひとつの定式いよって範囲を決めてしまえば、調査者による見解の相違もなくワンクリックで設定できるため、人が現場を歩き回るよりは”能率的”な調査ができるであろうという発想からでてきたものです。その発想自体は”考えた”結果ですが、その後(地形発達史的背景とか土地利用の履歴など)なにも考える必要がないのです。”つもり”という言葉を”積もり”と漢字で表現されていましたが、このごろ”見積もり”意外にあま使われません。”考える”ということが、その程度になってしまったのでしょうか。

”物を考えるとは、物を掴んだら話さぬということだ。画家が、モデルを掴んだら得心の行くまで離さぬというのと同じことだ。”
私の周りにはひとつの露頭をみて何時間も議論を戦わせる人がいます。私だって空中写真をみてその議論に参加することがあります。そのときは、その場所の地形・地質の成り立ちについて、場合によっては何億年分のモデルと対峙しているわけです。もちろん得心の行くまでです。実際これほどたのしいことはないのですが、最近ではこのような行動は”オタク”と評されることが多いように思います。生産とは”即物的”なことだけではなく、その裏の知的生産を”見える化”しなければ、アピールできない時代でもあるでしょう。


依りかからず考えるヒント

2009年09月16日 | 雑感

民主党政権がついに指導しました。この情勢を受け、私たちの業界も公共事業はどうなるのかといった話題を中心に、戦々恐々とした話題が続いています。やれ、CO2の25%削減は無理があるだ、ダムや道路の凍結で地方が疲弊するだ、民主党じゃあ不安だ、いや自民でもいかがなものか、様々mな声が聞こえてきます。

私たち防災に関わる分野では、主に国土交通省と農水省起源の公共事業を主体に行ってきました。地域住民の生命や財産を守るための(砂防や道路防災点検)公共事業は必要で、ムダではないというコンセンサスがあるから大丈夫だろうというのが楽観論、いやいや一律に減らされるだろうし、地域分権が進めば県外の業者はまず新規参入できないし予算もパイも少なかろうというのが悲観論でしょうか。

私たち建設コンサルタントの最大の弱点は、自力でマーケットを創出してこなかったことです。”建設”コンサルタントという言葉jはあっても、”防災”や”環境保全”コンサルタントは存在しない。自民党であろうと民主党であろうと、政治家に必要とされる産業ではなくて、地域住民に必要とされる産業でありたい。

公共事業であれば1物件あたり、1000万円単位の受注額ですが、個人の依頼だと最大20万円、いまのところ年に数件ですからひとりの年収を確保するには全然至っていません。民主党は、かなり極論的な公約を掲げていますが、その現実性をどうこういうより、いままでの考え方を変えろというメッセージと捉えるのがよいかと思います。

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私の好きな詩人(なくなりましが)茨木のり子さんがいます。以下の2編の詩の内容、みんなで感じ取る時代が来たのではないでしょうか。

 倚りかからず    茨木のり子
     もはや
     できあいの思想には倚りかかりたくない
     もはや
     できあいの宗教には倚りかかりたくない
     もはや
     できあいの学問には倚りかかりたくない
     もはや
     いかなる権威にも倚りかかりたくない
     ながく生きて
     心底学んだのはそれぐらい
     じぶんの耳目
     じぶんの二本足のみで立っていて
     なに不都合のことやある
     倚りかかるとすれば
     それは
     椅子の背もたれだけ

 自分の感受性くらい  茨木のり子
    ぱさぱさに乾いてゆく心を
     ひとのせいにはするな
     みずから水やりを怠っておいて
     
     気難しくなってきたのを
     友人のせいにはするな
     しなやかさを失ったのはどちらなのか
     
     苛立つのを
     近親のせいにはするな
     なにもかも下手だったのはわたくし
     
     初心消えかかるのを
     暮らしのせいにはするな
     そもそもが ひよわな志にすぎなかった
     
     駄目なことの一切を
     時代のせいにはするな
     わずかに光る尊厳の放棄

     自分の感受性くらい
     自分で守れ
     ばかものよ


ついに来た

2009年09月14日 | 雑感
とうとう私の会社にも新型インフルエンザの感染者が出てしまいました。
私は200安打ならぬ、4月から200渓流調査を達成しました。
政権交代によるものと思われる駆け込みぷろぽの嵐。

ああ、そのうち東海地震が、、、

イチロー選手も言っているように、周到な準備が必要なんです。小さなことの積み重ねです。全打席完璧なホームランを狙うような考え方で防災を考えていると、予算が足りなくなるのは自明です。自分の打席で”アウトにならないこと”を最優先に考えれば、それこそ小技、内野安打でもよいのです。

そして、傾向と対策は、防災に関してはなぜかお上任せです。我々技術者は、打席に立ちやすく出塁しやすくするための、現場というデータをもったスコアラーであり、コーチであるはずです。

ビートルズ & 地質 で検索

2009年09月12日 | 雑感

 ビートルズのリマスター盤が9月9日に発売されました。私はビートルズファンで趣味の原点ともいえることです。仕事の原点は地質ですので、”ビートルズ”&”地質”で検索したら、ポールの奥さんが地質学者という点で、以下のサイトがみつかりました。記事を書かれたのは、日本建設産業職員労働組合協議会の方で、あながち無関係な業界の方ではないなあという感じです。

http://homepage1.nifty.com/nikkenkyo/4joho/761beatles/761beatles.htm
 解散後数十年経っても、ドラマやCMに使われたり、カバーされる曲の多さでは、群を抜いており、新たな秘蔵録音テープが発見され、新曲が発表されたり、既に発表済の録音状態と違う音源のCD「Yellow Submarine」「Let It Be(Naked)」が発売されたり、新たな編集によるベスト盤が発表されたり、アメリカの独自編集のアルバムがリミックスCDとして発売されたり、またこれらのCDが必ずヒット、チャートを賑わすほど売れている。今の若者にも受け入れられているのである。私が中学生の頃にビートルズと出会った時のように。

話はがらっと変わりまして、地盤工学会誌の最新号に、釜井俊孝先生の地すべり講座が掲載されていました。これによると、地すべり形態の定性的モデルはVanes(1958のち1978に改定)、クリープ現象を用いた地すべりの発生予測をモデル化したのは斉藤(1966)。ものすごいこじつけですが、ビートルズ世代です。ビートルズの代表作『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』が出たとき、今後アーティストがどんなヒット曲を飛ばそうとも、ビートルズの亜流の域を出ないと評した専門家もいたとか、、、地すべりの分野もその防止対策もふくめ本質的な部分では、当時からあまり変わっていないのかも知れません。

さて、もういちど話をビートルズに戻して、先ほどのサイトにビートルズMy Best 10が掲載されていたので、私のMy Best 10を以下に列記します。

1. Don't let me down
2. We can work it out
3, Golden Slumbers ~ The End
4. In my life
5. Day trriper
6. Penny Lane
7. Something
8. All you need is love
9. Birthday
10. Lovely Rita

同じく防災とビートルズを生業としているkuro2さん、いかがでしょうか。


『思考の整理学』を読んでみた

2009年09月11日 | 雑感
先日紹介した『思考の整理学』を読んでみました。とても読みやすく親しみやすい文体です。なるほど、これなら売れるもの納得です。

この本が出版された1986年は、「新人類」という言葉がはやった時代です。その当時は(私が該当世代ということもあり)、新しいといわれても実感がありませんでした。むしろ、1995年にネットが爆発し情報過多になった世代、そしてゆとり教育世代が社会人になったとき、”マニュアル”世代だなあという”新人類”の存在を感じました。

ところが、同じことがこの本の冒頭で語られていました。

・グライダー人間・・・何かに引っ張ってもらわないと飛べない人間
・飛行機人間・・・自力で飛ぶことができる人間
 ○人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明、発見するのが後者である。両者はひとりの人間の中に同居している。グライダー能力を全く欠いていては、基本的知識すら習得できない。何も知らないで、独力で飛ぼうとすれば、どんな事故になるかわからない。

○グライダー専業では安心していられないのは、コンピューターという飛び抜けて優秀なグライダー能力の持ち主があらわれたからである。自分で飛べない人間はコンピューターに仕事を奪われる。

この表紙も、地下水の浸透も単純じゃありませんよといっているような。。。

だいぶ先走ってます

2009年09月09日 | 雑感

このブログを読んで頂いている方ならお分かりと思いますが、実際の日付より記事の日付が大分さきに走っております。これは、来週現場の予定が入っているためです。ネットが使えないわけではないのですが、疲れる現場なんです。朝早くから日没まで歩きっぱなしですから。しかし、ブログを毎日書いて知恵の脈動を絶やさないという見栄をはりたいので、書きだめしているわけです。


思考の整理学を読んでみた (1)

2009年09月07日 | 雑感
外山滋比古さんの名著『思考の整理学』が、1986年から23年を経て100万部を売り上げたそうです。ちょっと季節は外れますが、山下達郎『クリスマス・イブ』のようなロングセラーです。実は、以前からこの本は知っていたのですが、なにかと読む機会を逸してきました。ですが、やはり古典的名著は読んどくべきなんでしょうね。いろんなところから、エッセンスを抜粋してみます。

○忘れることが「古典化」に不可欠という考え方
「"時の試練"とは、時間のもつ風化作用をくぐってくるということである。風化作用は言いかえると、忘却にほかならない。古典は読者の忘却の層をくぐり抜けたときに生まれる。作者自らが古典を創り出すことはできない。 (中略) きわめて少数のものだけが、試練に耐えて、古典として再生する。持続的な価値をもつには、この忘却のふるいはどうしても避けて通ることのできない関所である」。

地形学・地質学では、”時の試練”に耐えて古くから持続している岩を”いい岩盤”といったりします。また、風化作用については、A、B、CH~CL、Dなどど、風化作用にも”整理”しています。そして、スケッチというかたちでデザインします。

しかし、そこで終わっては仕事はできても商売はできないでしょう。上の文のように、噛めば噛むほど味が出るような表現を考えることは、最もむづかしく、最も重要であるように思います。


実力と実績

2009年08月31日 | 雑感
選挙は下馬評どおり、民主党の圧勝に終わりました。自民党は、”政権を担った経験がない、実績のない民主党にできるものか”のようなネガティブ・キャンペーンを張っていましたが、結果からみれば空振りに終わったのでしょうね。

国民の皆様の期待に、、、という常套句がありますが、期待しているのは実績ではなくて実力であるはずです。公共事業調達にあたっては"実績重視”という言葉が、あたかも”実力重視”のように使われることがありますが、事実上”過去の”実績であるがゆえに、目新しいものが永遠に参入できないというスパイラルに陥っています。

”脱官僚”というキャッチフレーズもありましたが、”哲学なき前例至上主義”を覆すということでしょう。基準書に定められた調査方法でないと防災計画として認めない。基準書に従ってさえいえれば災害になっても"想定外”で逃げる。。。質的な変革ができるでしょうか。

地すべり学会にて

2009年08月26日 | 雑感
今日は新潟大学で地すべり学会に参加、そのあとの飲み会を2次会まで付き合ったらこの時間です。しかし、1次会からかなり出来上がってしまいました。よって、少し、戯言を言います。

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1次会で初対面の女性に”ブログ楽しみに読んでます。誠実そうなブログで、お気に入りに登録しました”。とのこと。いやあ、うれしいですねえ。女性に”誠実””お気に入り”と言われたのは、妻以来ですよ(もちろんお気に入りの意味が違いますよ)。そして、その方もとても誠実な技術者で、かつ現場を大事にする良心的な方でした。類が友を呼ぶといいますので、誠実な方と出会ったのは、ブログやっててよかったことです。
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ただ、学会の研究発表全体のムードはちょっと新鮮味に欠けるところがあります。質問者は決まって座長か重鎮さん。そして、まだ一点豪華主義で、市民目線がない。私の得意分野で言えば、現地調査に行く前の予習にレーザー計測微地形判読図が有効である、といった発表があったこと。このレーザー計測地形図作っている間に、判読も現場も終わらせて地形分類図、地質図が描けます(”書く”ではないですよ)と言いかけたがやめました。

、、、、やっぱり酔ってるなあ