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防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

地質マンガ

2009年08月05日 | 雑感
日本地質学会のホームページに、地質マンガなるものが掲載されています。

地質マンガ http://www.geosociety.jp/faq/category0009.html

なんともおちゃらけたマンガですが、言いえて妙なところをついています。いくつか読んでいると、地質屋は浮世離れしている(それを誇りにしている)雰囲気がぷんぷん。

この記事のUPした「地質学の彼氏を持つと」というマンガは、私はいまひとつ笑えません。むしろこの差は理系と文系(彼氏と彼女)に近い部分もあります。観察と分類という地質学・自然科学の基本原理から離れられず、感受性が後回しになっているのです。

自然科学4分野(物理・化学・生物・地学)のうち、地学は資源を輸入に頼るようになって、ものづくりに直結しにくい→産業化しにくいというマイナー化の宿命を背負いました。そこでなんとか防災や環境保全の分野で活躍の場を探しているのですが、一般の人を味方につけるためには”感動”させなければいけないと思います。そこに必要なものは”感受性”だと思うのですが。

こんなお茶らけたものがある一方で、地質学雑誌の最新号は「最終間氷期の環境変動」という特集号でした。酸素同位体ステージと気候変動との関連、海洋表層温度と二酸化炭素の吸収量の関連など、地質学の王道とも言うべきテーマと提言が詰まっていました。地質学雑誌の表紙も洗練されていて好感をもっているのですが、ビジネスという意識をもっともっと強く持つべきなんでしょう。

エンジニアリング

2009年07月31日 | 雑感
技術動向にしたいところですが、雑感にしました。
このところ渓流の土砂調査を繰り返す毎日が続いているのですが、以前とは明らかに違う点があります。

以前の渓流の調査は、確かに限られた時間のなかでの調査でしたが、現場で自分が考察した結果をそのまま伝えることができました。ここの土石流堆積物がある、、新しい侵食痕跡がある。歴にコケは生えているが細粒は抜けきっていない。。沖積錐があるということは、、、などなど

こういった仮説をいろいろたてて、検証する楽しみがありました。

しかし、いまの調査は、PCのシミュレーションの初期条件のためだけ、誰がやっても同じような答えしか求められない。だからとても淡々としていて体の疲れだけ残ります。

山口県の土石流災害で、『老人ホームがあるのだからレッドゾーンにしておくべきだった』なんてコメントも報道されましたが、現場におけるエンジニアリング・ジャッジメントの意義が薄れたなあという想いです。

国土情報ウェブマッピングシステムの混雑

2009年07月27日 | 雑感

空中写真判読で土地の成り立ちを考察し、防災や環境保全策を構築しようとする私にとって、国土情報ウェブマッピングシステムはとてもありがたいものです。なにしろ一枚3,600円するカラー空中写真が無料ダウンロードできるのですから。

国土情報ウェブマッピングシステム
http://w3land.mlit.go.jp/cgi-bin/WebGIS2/WF_AirTop.cgi?DT=n&IT=p

ところが、今回の山口県の土石流災害被災地周辺では、

只今、大変混雑しております。
しばらくたってから再度アクセスして下さい。

とのこと。専門性の高いサイトでは珍しいことです。


現場もブログもマラソン

2009年07月17日 | 雑感
暑い中、毎日毎日渓流調査です。水が豊富でとてもおししい。しかし、裏を返せば土石流化しやすいのです(洪水か)。

毎日といえば、私のブログもそうですが、体が疲れるとどうも有益な情報を出せなくなります。。。。。ってあくびが。。眠い。。

いろんなところで選挙ですが

2009年07月13日 | 雑感
東京や奈良などで選挙が行われました。大分民主党が票をのばしましたですね。現在は100年に1度の”経済災害”のさなかにありますが、本当の自然災害に対してのイメージは、各政党ともどうなんでしょうか。エコは”エコロジー”か”エコノミー”か、、

因果関係と知求慣例化

2009年06月27日 | 雑感
毎日欠かさず武田先生のブログと太田さんのブログを読んでいるのですが、ほとんど同じようなことがコメントされていました。

技術や研究というのは常に変化・進化し続けるものだと思うのですが、「オーサライズされていること」を金科玉条のごとく言い、教科書に書かれていることを変えるのを頑なに拒む人がけっこういる(太田さんのブログより)。

現代の日本はあまり自分の頭で因果関係を考えずに,「テレビが言った」とか「お役所が言った」ということだけで行動する人が多くなったように思う(武田先生のブログより)。

今日も「DEMで谷を自動抽出したら1次谷が抽出されなかった。土石流のポテンシャルは、、」と真顔で話をした人がいたので、このことを実感していたのでした。

大きく話が飛びますが、マイケル・ジャクソンがなくなりました。私など、どんぴしゃ世代のスーパースターですから時代を実感させられました。CD以前の昔は、A面とB面が存在するレコードでした。そのころは、A面なり、B面なりにテーマやストーリーにメリハリを持たせて曲の配置や間合いを考えた、そこにアーティストとしての醍醐味があったと聞いています。ところが、CDになってこれがなくなり、マイケル・ジャクソンは、それまで耳から聞いていろんな情景・情感を想像して楽しむというスタイルを、圧倒的なビジュアルで一掃してしまいました。

思えばこのあたりから、”情”のあとに続く言葉が”報”になり、”ひねりだすもの”,”考え出すもの”,"かもし出すもの”が少なくなり、”与えられる”ものが多くなってきました。


政治が液状化

2009年06月26日 | 雑感
今日報道ステーションをみていたら、寺島さんが「政治の液状化」という言葉を使いました。私たちが使う地形・地質に関わる用語で政治を語ることばは、選挙における「地すべり的大勝利」以外あまり知りません。

地盤は、砂を多く含む砂質土や砂地盤は砂の粒子同士のせんだん応力による摩擦によって安定を保っているのです。そこに強烈な地震動が加わったとき、間隙水圧が過剰になることによって地盤が液状になるのです。このたとえの場合、震源は宮崎、余震が大阪、横浜で発生したということなんでしょうか。

軟弱地盤の液状化対策として一般的な工法は、深層混合処理工法(セメントなどの安定材を軟弱土と攪拌・混合し固化体を作る工法)、サンドコンパクションパイル工法(地盤に締め固め砂杭を造り、砂杭の強度により安定性を増加させる)、バイブロフローテーション工法(ゆるい砂質土地盤に棒状の振動機を水を噴出させながら貫入し、振動と注水で地盤を締め固める。)、グラベルドレーン工法(地盤中に砕石の柱を造成し、地震時に発生する過剰間隙水圧の上昇を抑制する)などがあります。

でも、政治の動きを見ていると、地盤丸ごと変えてしまおうという勢いですね。

理系バカと文系バカ

2009年06月19日 | 雑感

あまり上品なタイトルではないし雑な文章も多い本なのですが、興味深い指摘もありました。いくつか紹介してみます。

理系バカと文系バカ
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-70643-6

◇何でも平均値で判断してしまう - 文系バカ
  統計には平均値と中央値がある。他人の情報を鵜呑みにして、その場の空気に流されやすい。

  平均値はともかくとして、数字の裏を読めないのも文系に多い。役所なんかとくにそうですね。今のCO2やエコポイントも、実に怪しい数字ですね。

◇失敗の意味
  文系社会で100回のうち99回失敗したら排除される。理系はその失敗を次の成功へのデータとして前向きに捉える。文系から見たら、成果を出すということは長くて数年の短期であるが、理系は目標を10年、20年後といった長期にすえている事が多い。

 地震や豪雨時に土砂が動くことは、地形学・地質学を学ぶと、別に?って感じなのですが、文系の役所からみると失敗なのでしょうか。資産価値が下がるだの何十年も前から同じ答えで、対策をしても同じ工法で、なかなか新しい挑戦が見られません。

◇理系の世界に比喩はない
  これは以外でした。私は、千木良先生の書籍や太田さんのブログ、B.W.ピプキン、DDトレド『シリーズ 環境と地質』によく目を通すので、比喩的表現は普通だと思っていました。

◇物理の履修者は6%
  ええまじですか。地学は壊滅しているので、化学と生物で90%近いということでしょうか。エコの時代なんでしょうが、文系は暗記系の生物、理系も基礎理論が多く「成果」が出るのに時間がかかる物理はやらない、これは知求慣例化→マニュアル主義→想定外の頻発というスパイラルに陥ります。


出張のシーズンです

2009年06月06日 | 雑感

いろんな現場が舞い込んできました。出張シーズンの到来です。ただ、最近の現場は、あまり知的生産を伴いません。状況写真があればいいってなもんばかりです。マニュアル主義の(何度も言いますが)弊害です。マニュアルで生産性向上を目指したんだと思いますが、とてつもない逆効果です。


GM

2009年06月03日 | 雑感

ゼネラルモーターズが破綻しました。ニュースはコレ一色です。BIG3は鳴りを潜めました。おそらくこういった事態になることを、あまり想像していなかったでしょう。

しかし、あまり同情的な声はないようです。技術革新に対して消極的で、デカイ車を造り続けたことや給料が高すぎたことなどが、一般的にいわれています。

同じような雰囲気は、建設コンサルタント業界にもあります。地震大国、豪雨頻発の日本において、防災の必要性は常にあって、その事業はなくならないといった論調です。しかし、こういった論調は、低燃費高性能などの市民のニーズを軽視し、ステイタスを求めるひともまた減らないだろうといったGMの雰囲気と一緒です。河川や道路がBIG2みたいな雰囲気ですが、業界が大きすぎてつぶせないという雰囲気も似ています。


薬事法改正にみる不安点

2009年06月01日 | 雑感

今日から薬事法が改正され、登録販売者の資格を得れば薬の販売ができるようになるそうです。先の裁判員制度もそうですが、うがった言い方をすれば"素人の参画”に不安を覚えます。やはりプロの薬剤師の方が、的確なアドバイスができるでしょう。

プロというのは、自分の意見を持ち、自分で課題を見つけ解決法を見つけると定義することができると思います。薬剤に関してQ&Aマニュアル的なものができてしまったら、重大な過失が起こってしまいそうな気がししてなりません。

道路防災点検や盛土の点検なども、きちんと土地の成り立ちを知り、今後の挙動をイメージできる人がやらないと、”想定外の連発”が起こり、大きな事故につながってしまいそうです。盛土の地中侵食や古い防空壕などがあると落とし穴ができてしまいますが、技術者の想像力が及ばない箇所に発生するといえそうです。


探究心・直観力

2009年05月25日 | 雑感
会社のポスターのキャッチコピーを作ることになりました。
小さな会社なので、物理探査の器具や解析システムも持っていません。足で稼ぐしかないのですが、それによって養われる経験値が商品です。でもこれだけでは迫力がない。そこで、

商品は旺盛な探究心と直観力です。

みたいなことにしようと思っています。正常な現象も異常な現象もたくさん見て、すぐにおかしい、おかしくない、と気がつくこと、全てはその定性的観察から始まります。それを如何にその場で直にやるか!それが勝負なのです。

裁判員制度

2009年05月21日 | 雑感
今日から裁判員制度がスタートします。賛否両論いろいろあるようですね。農家の方なんかだと、収穫期でとても忙しいので辞退できる、って話もきいたことがあります。地質調査はどうでしょうか。動植物の生態調査では繁殖などの時期がありますね。

むしろ、DNA鑑定や不動産の地盤調査、土壌汚染調査など、科学的・客観的な資料を作る人を”裁判員”といってもいいかも知れません。

新型インフルエンザ

2009年05月19日 | 雑感
ここのところ毎日このニュースです。関西ではマスクが飛ぶように売れているとか。皆さん自主的に予防されているようですが、地震時にも同時多発的に災難になります。両者に共通することは、科学的な知識を備えておくだけでも備えになるということです。