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防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

2009年いさぼう10大ニュース

2009年12月24日 | 雑感
いさぼうネットによる今年の10大ニュースが発表されていました。

http://isabou.net/index.asp?jump=/Convenience/aviso/index.asp
2009年は、計49回の「いさぼう技術ニュース」 メールを配信しました。 今年前半は、7月の皆既日食に影響されたかのように火山の噴火や世界的な大地震の報道が目立ちました。また7月~8月では富士山の落石事故や駿河湾地震による東名高速道路の路肩崩壊が報道されました。そして9月、歴史的とも言える政権交代が起こり、ここからは新政権における公共事業のあり方などの報道一色となりました。

確かに政権交代による公共事業のあり方について、散々言葉か交わされました。しかし、それは悲鳴にも似た叫びであり、議論にはなっていなかったように思います。ネガティブそのものでした。新しいビジネススタイルを構築するには?といった議論は殆どありませんでした。そういう意味では、これといった変化はなかったのかもしれません。

ホテルのイブ神話崩壊?

2009年12月23日 | 雑感
神奈川新聞の記事です。今年はカレンダーのめぐり合わせと景気が悪いため、横浜の一流ホテルがクリスマスイブの日に空室があるということですが、これは久しぶりのことなんだそうです。私の高校時代は『金余り』などど信じられない流行語がありました。いまとなっては「事業仕分け」。変われば変わるものです。ただ、災害は残念ながら変わらず発生しています。

2009年12月20日 | 雑感
めっきり寒くなってきた今日この頃です。いま、妻が鍋を用意してくれています。
先月の現場の民宿で、やはりとても寒くなって、囲炉裏料理の予定を前倒ししてくれて焼き魚やどぶろくをおいしく頂いたのを思い出しました。

いまでこそ囲炉裏は珍しいものとなり、古き良き時代を思い出すための観光の目玉にもなっているわけですが、化石燃料が使われる前のエネルギーの主役のひとつは薪でした。千葉徳爾先生の古典的名著「はげ山の文化」によると、『はげ山が天然の存在ではなくて、天然の森林の育成条件が、歴史的な人類活動によって破られた結果である』ということですが、薪が燃料だった時代は崩壊-土石流は頻発し、景観もよくなかったことでしょう。

鍋をつつきながら、ふとそんなことを思い出しました。

Googleアラートにびっくり

2009年12月19日 | 雑感
「地形」「地質」「防災」「宅地」というキーワードを含むニュースがあったらメールに転送するように設定しているのですが、この間「地質」のブログアラートということで、自分のブログが来てびっくりしたのでした。

新住宅ジャーナル新年号発売 - 防災ブログ Let's Design with Nature
By geo1024 
情報処理技術や物理探査手法も格段に進歩して地下深部の地質構造が”みえる化”され、地表・地質踏査結果とのマッチングが可能になり、先日紹介した高橋先生の日本列島の形成史と将来予測に画期的な知見も出てきました。 しかし、一般社会に対するアウト ...
防災ブログ Let's Design with Nature - http://blog.goo.ne.jp/geo1024/

読みの整理学

2009年12月15日 | 雑感
外山滋比古さんの「思考の整理学」に続いて「読みの整理学」を読んでいます。そしたら前半部にこのような文章がありました。

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未知のこと、ほぼ完全に未経験なことがらを述べた文章というものは、読み手にとって暗号のようなものである。ざっと一読してわかるように考えたら大違いである。想像力をはたらかせ、筋道をみつけ、意味を判断するという高度な知的作業が求められる。昔の人は、そういう時”読書百編、意自ずからあらわる”といったが、百編繰り返してもわからないことはわからないということが少なくない。
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私たちでいえば”現場百編”でしょうか。先日紹介した高橋先生も、それでもなおわからないと思いながら膨大な露頭を観察されたのだと思います。

今年の漢字

2009年12月11日 | 雑感

今日発表された今年の漢字は「新」だそうです。新型インフルエンザ、新記録、新政権などがその理由なんだとか。しかし、私は”真逆”の感想を持っています。

確かに、政局は大きく動きました。そのころに論議されたのは「防災は必要な公共事業だから減らされることはないだろう」だとか、ダムや道路といったものは確実に減らされるだろう、どうしようだとか、、つまりは高度経済成長~バブル期にかけての価値観が未だ支配的な空気があったこと。悲しい年中行事とも言うべき豪雨災害が今年も発生したのですが「地球温暖化」と「ゲリラ豪雨」という”2語”でしか語られなくなったこと。豪雨や地震が発生したにも関わらず、基礎的な調査はますます机上の空論的、事業のための事業、仕分けのための仕分け、、、

そういう意味では、空論、空々しい、という意味で「空」、旧態の「旧」、、、あまり前向きな言葉は思いつきません。

ただし、このブログでの”新たな”出会いとして、下山先生と一人親方さん,ひむかのはまぐりさん
との交流がありました。お三方とも骨太の地上の正論者です。来年は、もっと実直なイメージの漢字が選ばれるといいのですが。


2009年12月07日 | 雑感
いま出張で秋田県に来ています。雨は夜更けすぎに雪へとかわり、、、ってなロマンチックなことをいえないほどの冷え込みが襲い、(津軽ではありませんが)七つの雪が降ってきました。

http://www.youtube.com/watch?v=IzbKTA8-TSs&feature=related
津軽には七つの雪が降るとか、、、粉雪、粒雪、わた雪、ざらめ雪、
みず雪、かた雪、春待つ氷雪

私のように山地防災に関わっていると、春待つ氷雪が、春を待ちわびて溶け出したころに融雪洪水により、東北に豊穣の大地をもたらしてきたこと、そして突然小春日和というには暑すぎるくらいになると、地中の間隙水圧が急上昇し地すべりを起こすことが気になります。

山は死にますか?

2009年11月13日 | 雑感
最近ときどき”教えてください”なんてメールを下さる方がいて、相手の方がベテランなので、さだまさしの歌詞みたいですねえと、、最近土石流や地すべりに対して机上の空論を連発しなければならないことが多くって、、、山が死んだらこんなマニュアルどおりの土石流になるんでしょうねえ、、、

疲れています。

実名の効果

2009年11月12日 | 雑感
先日下山先生にケンプラッツの記事を紹介したのですが、ケンプラッツではまれに見るコメント数になっています。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20091030/536517/

ハイゼンベルク「現代物理学の思想」といった自然科学の古典も登場して、様々な立場の人が活発な討論をされています。確かに、思いがけない結果だったと思うのですが(私は建築は素人なので立ち入ったコメントは差し控えます)、それ以上に、下山先生がフルネームで(先生のブログ同様)実直な意見を述べられているからだと思います。

特に会議室を設けることもなく、交通費も使わずに活発な会議場が出来るのはITがもたらした最大の功績のひとつでしょう。

ブックマークの追加 - 建築をめぐる話…つくることの原点を考える

2009年11月10日 | 雑感

ブックマークを追加しました。

建築をめぐる話…………つくることの原点を考える
http://blog.goo.ne.jp/gooogami

考えさせられるコメントを以下に列記します。

現場で長年積み重ねてきた知恵の蓄積は、ほんの数年の実験とは、比べ物にならない内容の濃いものなのだ、と私は考えています。歴史は、いわば壮大な実験室です

scientific に耐震診断をやるならば、それぞれの建物の建つ場所の「地質図」「地形図」「土地条件図」そして「地質調査」などを通じて「地盤」をよく知り、その建物の「構築法の考え方」と「工事法」が、その地に適したものであるかどうかを検討すべきなのです。
そして、その「判断」は決して、法令の規定に合っているかどうかを判定基準にしてはならないはずです。法令基準は、絶対的かつ科学的「正」なのですか?
もしそうなら、それはあまりにも non-scientific な思考法ではありませんか。法令とは、そういう性格を持ってよいのでしょうか


ユーティリティー・プレイヤー

2009年11月08日 | 雑感

プロ野球の広島や巨人で職人的な玄人好みの活躍をした木村拓也選手が引退を発表しました。日本シリーズでもすばらしい活躍をされていたので、とても意外でした。マスコミは”ユーティリティー・プレイヤー”という言葉で形容していました。投手以外はなんでも出来るというのは、確かに稀有なキャラクターだと思います。名前が名前だけに、目立ってしまう存在でしたが、こういう個性のある選手がいなくなるのはさびしいものです。

私たちの業界でも、最近”ユーティリティー・プレイヤー”が少なくなっているように感じます。現場を歩けば、業務の項目が"地質調査”であっても、地形を形成する営力や土石流の動き、植物・動物の生態系との関連、土地利用の歴史
など、自然環境に関わる諸現象がどのように成り立っているがわかってきますので、地形の判読や安定計算、地質解析や岩盤スケッチに森林モニタリング、いろんなことが出来るはずです。

しかし、最近では”守備範囲”に固執するあまり、それを専門高度化と錯覚すると、できることは限られてしまいます。本当にあったのは、地すべり地の放射能探査はできるが、地すべりによって発生したクラックがどれだかわからないといったことです。もちろん最初のうちはできることは限られているのでしょうがないのですが、ワンクリンクで答えを求めてきたいまの世代では、ユーティリティー・プレイヤーはなかなか出てこないでしょう。


国立国会図書館 NDL-OPAC

2009年11月07日 | 雑感
文献検索といえばCINIIが有名になってきています。最近は論文をPDF化している学会も多くあって、以前に比べるととても便利になりました。

12~3年くらい前に国会図書館図書館で文献調査をしたことがありますが、本当に一日がかりでした。真っ黒い画面に緑の文字、キーワード検索してめぼしい文献がみつかったら、その雑誌の製本を請求して長ければ1時間待ち。さらに、複写コーナーで1時間待ち。それも午後だと複写請求が2冊までしか受け付けてくれないので、本当に時間がかかりました。

出張に行く前は、あらかじめその地域の地形・地質を予習していくわけですが、その際に役立つ文献は往々にして1960~80年代に多い(本当によく歩いて記載されている)ので、まだPDF化が及んでいません。こういう文献を入手するには、このシステムはとても便利です。

コンクリートに罪はない

2009年11月06日 | 雑感
コンクリートには何も罪はありませんよね!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/321417/

 政府が掲げる「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズを取り上げ、「私のところに『コンクリート』という言葉を社名に使っている建設会社から大変な苦情が来ている」と怒りをぶちまけた。これには、さすがに首相も「申し訳ない」と陳謝。脇氏が「コンクリートなしに防災ができるのか」とたたみかけると、首相は「人の命を守るためにコンクリートは必要だ。コンクリート業界の人に頑張ってほしい」とエールを送るしかなかった

相変わらずの技術論のないセンセイ方の会話ですねえ。疲れたので寝ます。


成果主義の後退

2009年11月05日 | 雑感

こんなニュースがありました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091105-00000144-jij-bus_all
厚生労働省は5日、全国の企業を対象にした2009年就労条件総合調査の結果を発表した。社員(管理職除く)の基本給を決める際に重視する主な要素(複数回答)として「業績・成果」を挙げた企業は46.6%にとどまり、01年の前回調査から15.7ポイントも減少した。
 一方、今回初めて尋ねた賞与の決定基準は、「業績・成果」(58.9%)が「基本給」(32.5%)を大きく上回った。厚労省は「基本給は安定性が必要なため職務・職種を基本に考える一方、賞与に業績・成果を反映させる傾向が強まっている」とみている。

 給料をいわば"定量的”に算出すれば、効率があがると信じてやったのでしょうが、やはりあまりうまくいかないようです。私たちの業界で成果主義をやろうとすると、年間内部消化額が対象になりがちです。Aさんはひとりで何千万円分の物件の仕事をこなしたからエライといったようなことです。しかし、そこには斜面の見立てや最善策の提案力など、防災に関わるコンサルタントとしての根幹となる力は反映されません。昼休みに消灯して経費削減とそのモチベーションをあげるのは、負の効果として社員の向上心や向学心をそぐ損失の方が大きいという計算もできません。