自然現象には多種多様な存在理由があります。崩壊や土石流の有無、最終氷期以降の地形発達史的背景や岩盤の風化、植林の管理状況などがその渓相を醸し出しているのですが、それを一枚の様式に収まるような写真で表すというのは無理があります。だからこそ、私たちはスケッチや調査所見でそれを補うなどするわけです。
確かに写真は事実を客観的に写してはいますが、ただそれだけです。技術者の判断や(写真家であればその陰影や色彩を、自分の伝えたいことを反映させるために、様々な”技術”と情念を注ぐことと思います)ががなければ付加価値はありません。シャッターを押すだけの単純作業でしかありません。