今回の現場でよく目にするのは、全面にコケが付着した数mの巨礫が集積している光景です。となりの渡良瀬川流域には、似たような堆積地形があって、地質学的な研究論文も発表されています。
私が学生時代兵庫県の山中でみた麓屑面と呼ばれる堆積地形と似ていると思います。
古峰ヶ原高原では、最終間氷期以前に基盤岩である花崗閃緑岩の深層風化によって、コアストーンやトアが形成された。その後、約5万年~1.4万年の間に、周氷河性のマスムーブメントによって細粒の斜面堆積物が形成され、角礫やコアストーンの一部が斜面上を移動した。この斜面不安定期の末期以降に、緩速度のマスムーブメントによって斜面上の谷沿いを岩塊が移動し、さらにトアからの岩塊の供給やマトリックスの洗い出しの影響も受けながら、岩塊堆積地形が形成された。
瀬戸真之(2004);地理学評論
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