グリフォンの日記

時事のニュースについて書いていきます

撤退する者

2007-07-03 23:21:50 | 国内政治

 人間は日々進歩し、歩き続けるものだ。子供から大人になる時、成長と言う言葉から進歩(進捗)という言葉へ変化する。一日、2歩進んで1歩下がるなら、まだ進んだだけマシというものだろう。しかし、その進退が、たった一つの行動によって、上り続けた階段を、踏み外し、落下する事態がある。
 
 それは、政治家と言う人種で、自らの進退がその発言にあることを、本当に理解しているのだろうか。久間防衛大臣が、講演会にて「原爆を落としたことは、しょうがない」と発言したニュースは、連日報道されていた。マスコミ諸氏としては、参院選を睨んで、引張るつもりだったのだろうが、それを察知した久間防衛大臣が、本日、辞任することになった。後任は、小池百合子氏である。
 
 暫く自分が、この事柄に対して傍観を決め込んだのは、訳がある。最初に聞いた時の感想は”ああ、またか”であった。この”またか”は、つまらない揚げ足を取られた大臣と、その発言の一部を掻い摘んでしか報道しないマスコミに対してだった。つまり、選挙前のマスコミの煽動によるものではないかと考えたからであった。
 
 しかし、その予想は大きく外れた。当の本人は”アメリカ側から見た言い訳”を紹介したかったらしいが、以下サイトの全文を読んで見ると、その辺りのニュアンスは、どうにも読み取れない。もし、アメリカサイドの意見として、紹介するのであれば、”黄色人種だから、原爆で一般市民を虐殺しても構わない。”等のアメリカ側の本音の部分も入れるべきであっただろう。それから、アメリカに対する批判を行えば、それなりに話の意図は汲み取ることはできたと推測できる。
 
 結局、防衛省のトップが、足を踏み外して、一番に前線から撤退してしまった。後任の小池防衛大臣には、是非ともマスコミの揚げ足取りになる不用意な発言をなさらないように注意して頂きたい。
 
<「国を憂い、われとわが身を甘やかすの記」:久間防衛相の原爆「しょうがない」発言全文>
 
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/211450/allcmt/