昨日、東京・秋葉原で7人が死亡し、10人に怪我を負わせるという事件が発生した。逮捕されたのは、派遣大手の日研総業に所属していた派遣社員 加藤 智大 容疑者(25)である。犯行動機について、「人生に疲れた」から何の関係もない人間を次々と殺したそうである。
まず、言っておく。この容疑者の行動は決して許されるものでない。そして、亡くなられた方々にご冥福をお祈りする。怪我を負わされた方々にも、早く回復して頂きたい。だが、それらを踏まえた上で、これから自分の持論を書いていこうと思う。
ここ十数年の間に日本という国家が、様変わりしたように感じないだろうか?ほんの十年前まで、ここまでギスギスとした淀んだ空気が流れていただろうか?その答えは、否である。
それは、Windows95発売時期からインターネットへの接続が年々増加したことによるものであった。今まで、我々日本人が知る手段は、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、とほぼこれだけが我々の知る唯一の手段であった。
ところが、インターネットの接続件数が、テレホーダイからISDNを経て、ADSL時代へと突入した時 、飛躍的に伸びたのは言うまでもない。24時間接続し放題。そんな謳い文句に、伸ばした契約件数。
それがもたらしたものは、情報の洪水である。だからと言って、インターネットが悪い!なんて馬鹿な政治家みたいな極論は言うまい。どんなものでも、メリットとデメリットはあるのだから。だが、問題はその洪水をコントロールすべき人間側にあると思うのである。
先に挙げた新聞、雑誌、ラジオ、テレビは、一定の情報量以上見ることができない。つまり、人間側にもその受け取れる情報の許容量と言うのが、そもそもあるわけだ。それは、幼い頃からそうしたメディアに触れ、その許容量を持たされてしまったというのが正解なのかもしれない。
ところが、インターネット上の情報量は、留まることを知らない。よく言われる掲示板やMIXI、ブログといった個人情報から世界の情報まで自由に発信し、自由に受け取ることができるのである。
つまり、その情報量に対して、自らのキャパ(限界値)を越えたものになると、人は辟易し、錯乱状態を作り出すのである。そうした情報の洪水に「あれも駄目これも駄目、駄目駄目」となる個人制限を設けて限界を作っているのは、誰でもない自分自身なのである。
情報化社会が悪いわけではないが、それらを受け取る側が取捨を誤ると、自ら、檻の中に入っていくようなものでもあるのだ。「政治家が悪い」のも「官僚が悪い」のも「社会が悪い」のも「マスコミが悪い」のも「怠惰な自分が悪い」のも、「世間の見識が狭い」のも、「全て誰かのせいにして逃げてる自分」も。
そう言ってしまうのは、何故だろうか?何か、おかしいと思わないだろうか?十年前を振り返ってみて欲しい。こんな事がまかり通る、世のになった原因は何処にあるだろうか?
先に書いたインターネットの登場が大きいとは思わないだろうか?情報の波に飲み込まれ、見えない何かに追われている気がするのではないだろうか?見えない敵、それは社会不安である。
その社会不安の元凶は、バブル崩壊後の相次ぐ経営破たん、景気低迷も一つに数えられるだろう。しかし、本当にそれだけだろうか?ネット上で飛び交う様々な情報に、昔、習ったはずの太平洋戦争を今更、新しい事実に上書きしなければならかった事なのだろうか?(アメリカのWGIP(ウォーギルトインフォメーションプログラム)によって7年間の戦争断罪をさせられたことや、朝鮮半島の事、中華民国で起こった事件のこと。)韓国人や中国人の裏切りを知り嫌いになったことだろうか?
綺麗事ではすまない、この日本の裏側を知ったら、「破壊」の二文字が心の何処かに浮かんでくるのではないだろうか?それが、社会の歪になり、崩壊へ一歩一歩、歩を進めているのではないかと考える。
派遣の未来は暗い。前の見えない真っ黒な回廊を歩いていくようなものだ。経歴に書いても「所詮は派遣」っと切って捨てる会社もごまんとある。そうした疑心暗鬼を続ける社会は、崩壊の一途を辿っても文句は言えまい。超一流な自動車会社だって、正社員以外、使い捨てぐらいにしか思っていないのだ。
それを変えるためには、大きな力が必要だ。例えば「派遣会社が悪い」「政府の対応が悪い」と言うならば、何故、派遣労働者達は、全員で労働組合を作ろうと働きかけないのであろうか?「皆で作れば怖くない」のである。
今やマクドナルドやワタミの例を出すまでもなく、労働者達の反撃は確実に始まっているではないか。ただ、問題は、「いい子ぶりっ子した裏切りもの」が出ると、そっちに流れてしまうと、下らない心配をしていないか?そんな心配より非正規雇用の人間を合わせれば、下手すれば一千万人を越えることを考えればよい。
もしも、企業が非正規雇用の人間を切り捨て、海外から移民を促すような企業であるならば、不買運動をすればよい。非正規雇用の数の力を見せてやればよい。企業が怖れるのは、絶対的多数の人間に不買運動を起こされることだ。
政府もマスコミも沈黙させたければ、その力を結集し、戦う姿勢を見せねばならぬ。そのために必要なツールは、これもインターネットだと思うのである。相手の怖がるものは何か?もうお解かりであろう。政治家は投票の票が怖い。マスコミは、発行部数、視聴率が怖い。それらの敵の弱点を知ったら、それを利用して屈服させることは、絶対的多数の人間であれば、たやすいと思わないだろうか?
だが、この容疑者のように、人生に辟易した人間につける薬はない。そんな時には、「知らぬが仏」で暫く、心を休める必要があると思う。「知らぬが仏」とは、知らなくても良い事を知ってしまったがために、精神的に翻弄される。だからいらぬことは知らない方が、仏のような安穏とした生き方が出来るという諺だ。暫く、リフレッシュをして準備を整えるのだ。そして、汝の敵を討て!