Le cheval noir

全然更新できてない…orz

巡り巡ってもまたここでⅧ~そして、来年へ ~

2011年09月24日 21時47分02秒 | Paris旅行2010その2
いよいよ最終回!
連載終了に約1年かかりました(爆)


※前回までのあらすじ※

フランスに競馬を観に行くこと実に四回目にしてようやくルメさんの凱旋門賞での騎乗を直に応援する機会を得た玄米茶。
まいどおなじみ観戦パートナーのF氏さんと共にロンシャン競馬場へ行き、1R前にしてパドック越しに無事にルメさんとも再会を果たす。
凱旋門賞直前でもあいかわらずな(?)彼の反応に感動しながらもWeekend Longchampの雰囲気を思いっきり楽しみ、
翌日はパリ近郊の「競馬の街」メゾンラフィットへ。
そこでいつもお世話になっているガロリーニ調教師の元で厩舎&調教を見学させてもらった後、メゾンラフィット競馬場へ行こうとするも、
思いっきりレース時間を間違えあやうくルメさんの応援も出来ずに終わりそうに。
しかし、親切な厩舎の方の助けもありギリギリセーフで駆け込み入場&無事再会。
この日はその1レースだけだったルメさんの騎乗も終わり、今回の旅の大方の目的は達成出来た!とホッと一息ついていたところに、
まさかのルメさん残業(メンディザバル騎手からの乗り替り)のお知らせが。
ご本人からもその後パドックで「これで終わりだからねー!」と声をかけて頂き、レースが無事に終わるのを待ち構えていた私たちであったが…!?



プロローグ
パドックで愛を叫んだ再会編
前半G1×4総集編
Goldikova姉様素敵すぎます編
レース回顧の無い凱旋門賞編
ガロリーニ厩舎見学編
駆け込みメゾンラフィット競馬場到着編
ワンモアライド!残業編



=================================


今回のフランス遠征における競馬観戦はルメさんの「残業」を最後にすべて完了!
後はいつものようにF氏さんとルメさんの出待ちをしていました…と言っても関係者出入り口にへばりついていたのではなく、
ただ場内で彼が見つけてくれやすそうなところをウロウロしていただけですが^^;


待つこと数分間。



降っていた小雨も止み、ルメさんのいないレースのパドックを遠目にぼんやり見ていたところに、
驚くほど自然体な彼が登場し、普通に私たちと合流。
いや、どれくらいナチュラルかって、
左手にサンドイッチ、右手に怪しいピンク色の液体の入ったペットボトルを片手にベンチに座ろうとされていましたから…

どういう情景なのか日本の競馬場で例えると、5~6レース時のパドック近くのベンチに座ったG1ジョッキー(ただしその日の全騎乗終了済み)が
お昼ご飯片手に一般のファンに紛れている様子を想像していただければ。
ってそんなの日本ではありえないですよね。
むむむ、さすがフランス。

ちなみに、雨上がりでベンチはびしょ濡れだったので僭越ながら彼がそこに座るのは阻止しました(苦笑)




その後はF氏さんのフランス語通訳をメインに英語&日本語も交えつつ、しばらく彼と話すことが出来たのですが、
凱旋門賞については

「スタントカーに乗っているような非常に厳しいレースだったよ」

と独特の言い回しで回顧をしてくれました。
昨年は21頭立てという多頭数のレースで、彼の騎乗馬ベカバッドも馬群から抜け出すのに苦労していたのを記憶しています。
日本のそれに比べると、常日頃から馬群が詰まっている印象を受けるフランスの競馬を主戦場とする彼の口からそのような言葉が出てくるということは、
よほど厳しくタイトなレースだったということなのだと思います。

相対的に、そのレースでワンツーだったワークフォースとナカヤマフェスタがいかに凄かったか、そして頑張ったのかがわかりましたが、
同3着馬のことも忘れてはいけません。

彼女は追いこみ脚質であったことから後ろからの競馬を余儀なくされ、直線では度重なる不利を受けました。
それでも猛然と追い込んで3着。
3歳牝馬ということで斤量の恩恵もあったものの、
ディアヌ賞(フランスにおけるオークス)馬の意地を見せつけ、地元フランス勢の最先着をもぎ取ることに成功。

もう皆さんお分かりですよね。

この馬が彼の今年の騎乗馬のサラフィナです。


今年はこれまで3戦しており、絶望的な位置から猛然と追い込んだG1サンクルー大賞典、
日本でも中継され、うちのブログでも紹介したフォワ賞ではセントニコラスアビーとヒルノダムールのあってないような隙間に
ねじ込むようにして進路を取って2連勝と調子良くきています。

レース後、陣営から馬群を割らなければならないであろう本番を想定したレースをしたかったとのコメントが出ていましたが、
きっとルメさんの中では昨年の凱旋門賞が終わったその瞬間から、常にその事については考えられていたのではないかと思います。




これ以外には、その後の彼の予定「日本ニ行クヨ!」や、私の仕事の話※、
また3代目横断幕(アガ・カーングリーンver.)を改めてみて頂き「トテモ…素晴ラシイト思イマス!」なんてやりとりをしていましたv

後からルメパパさんも合流され、親子コント(!?)が急に始まったりと4人でしばらくとっても楽しいひと時を過ごさせて頂きました。


最後に彼から「来年も凱旋門賞の応援に来てくれるよね!?」と仰っていただいたのですが、
研修生扱いだった当時とその後では状況が違うだろうということをあらかじめ予測していた私は、
「仕事の都合が合えばまた来たいです!」としか返事することが出来ませんでした。

絶対に来ます!と言えたらよかったのに…と今でも思いますが、変に期待させるのも良くないかなぁなんて大それたことも考え出した答えがそれだったのですが、
もっと答えようがあるだろうよ、私ー!!!(涙)



実際に今年は仕事が忙しくてフランスへは行けませんでしたが、
私の気持ちは変わってないよ、今年も貴方を一番に応援してるよ!と伝えたくて、
先日、横断幕を掲げた写真(撮影場所は地元ですがorz)を彼宛に送りました。


すると、その日のうちに「Arigato!」とお返事が…!!!!


もう本当にどうしていいかわかりません。

今年は地震のことやら職場でのトラブルやらで体力的にも精神的にも落ち込む日が多く、
なかなか連絡も応援メールも送れていなかったのに…
私はただのファンの一人なのに、以前と変わらず私の想いを掬い上げ、応えて下さろうとする姿勢にもう感謝の言葉しか出てこないです。

本当に在り難いことだと思い、感謝しています。


昨年の凱旋門賞のパドックで、いつも変わらない笑顔で手を振ってくれた彼に涙ぐんだことを思い出しました。

こういう方だからこそ、いつまでも応援したいと思うし、フランスまで駆けつけたいって思うんだろうなぁ…



今年も相手は強い馬がたくさんいます。
昨年ほどではなさそうですが前哨戦とは違う多頭数ですし(29日現在で16頭か?)、
日本からの挑戦馬2頭のことも気になります。というか、フェスタもダムールもホンマに頑張って欲しいです!あ、ナイトもね!!



それでも、

それでも私は、

彼が一番望んでいる結果が、満足のいく結果が残せることを一番に望んでしまうんです。

いつの日かルメさんが凱旋門賞に勝つその時に、
その場に自分もいて彼に直接「おめでとう!」と伝えるのが、3年前に始めてフランスへ行ってからずっと私の夢でした。
それはかなわなくても構いません。私がいなくてもどうなっていようとも、
ただ、ただ、いいレースをして頂きたいなと思うんです。



泣いても笑っても本番まであと2日。
眠れない夜が続きそうです。







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☆おまけ☆

フランスへ競馬を観に行かれる方へ
もしかしたら役に経つかもしれない過去記事リンク集
※注意※
残念ながら?管理人はルメール騎手のファンなので内容も9割方彼の話です(ははは…




【ロンシャン競馬場&凱旋門賞の簡単な案内はこちら↓】

凱旋門賞を10倍楽しむ!?~1.新聞を買ってみよう~

凱旋門賞を10倍楽しむ!?~2.タダでロンシャンにたどり着こう~

凱旋門賞を10倍楽しむ!?~3.気持ちよく観戦するために~



【初の海外、そして初のフランス競馬】
いま、逢いにいきます~①ロンシャンは何処?~
2008年9月 観戦競馬場:ロンシャン、 主なレース:G1ムーランドロンシャン賞  全7回

【天国と地獄】
ただ命があっただけで
2009年10月 観戦競馬場:ロンシャン、シャンティイ(記事無し) 主なレース:G1凱旋門賞  全2回

【寒風のサンクルーでの温かい交流】
いつだって、どこだって~prologue~
2010年3月 観戦競馬場:サンクルー、オートゥイユ(記事無し) 主なレース:特になし  全10回

【ルメさんとの4度目にして初の凱旋門賞参戦】
巡り巡ってもまたここで~Prologue~
2010年10月 観戦競馬場:ロンシャン、メゾンラフィット 主なレース;凱旋門賞  全9回

巡り巡ってもまたここでⅦ~Allez ! encore une fois ~

2011年07月27日 23時52分43秒 | Paris旅行2010その2
いい加減、間隔を空け過ぎだという自覚はありますorz

記事の内容的に、どうしても梅雨明けまでに記事を仕上げたかったのですがそれも叶わず…ははは。






※前回までのあらすじ※

フランスに競馬を観に行くこと実に四回目にしてようやくルメさんの凱旋門賞での騎乗を直に応援する機会を得た玄米茶。
まいどおなじみ観戦パートナーのF氏さんと共にロンシャン競馬場へ行き、1R前にしてパドック越しに無事にルメさんとも再会を果たす。
凱旋門賞直前でもあいかわらずな(?)彼の反応に感動しながらもWeekend Longchampの雰囲気を思いっきり楽しみ、
翌日はパリ近郊の「競馬の街」メゾンラフィットへ。
そこでいつもお世話になっているガロリーニ調教師の元で厩舎&調教を見学させてもらった後、メゾンラフィット競馬場へ行こうとするも、
思いっきりレース時間を間違えあやうくルメさんの応援も出来ずに終わりそうに。
しかし、親切な厩舎の方の助けもありギリギリセーフで駆け込み入場&無事再会。
この日はその1レースだけだったルメさんの騎乗も終わり、今回の旅の大方の目的は達成出来た!とホッと一息ついていたのだが…?



プロローグ
パドックで愛を叫んだ再会編
前半G1×4総集編
Goldikova姉様素敵すぎます編
レース回顧の無い凱旋門賞編
ガロリーニ厩舎見学編
駆け込みメゾンラフィット競馬場到着編



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さあ、ルメさんのメゾンラフィットでも騎乗も終わったし、
後はいつもの感じで彼が出てくるまで待っていましょうか…とF氏さんと二人で出待ちすることに。

出待ちとは言ってもここメゾンラフィットやサンクルー、あとシャンティイなんかも関係者専用エリアはあっても競馬場の出入り口そのものは関係者と
一般客の区分けがなかったので、ただ単にあまりウロウロせずにルメさんが見つけてくれやすそうな場所で待機って感じでしたが^^;




待つこと十数分。

しかし、いくら待てども出てくる気配は一向にナシ。
あれ、おかしいな~と思い始めた私たちの耳に何やら気になるアナウンスが。

前日から調整ルームに入るのがルールになっている日本の中央競馬とは違い、ほぼ毎日競馬のあるフランスではそんな制度はありません。
したがって、ジョッキーも皆自宅から毎日競馬場へ通っているはずなのですが、
なんと第4レースに騎乗するはずのメンディザバル騎手が競馬場に来ていないというではありませんか(汗)

ちょっと待てー!
つい昨日(凱旋門賞当日)、その人が目の前でG1勝つところ観ましたけど!?(オペラ賞@リリーオブザバレー)

体調が悪かったのか、それともただ単に寝坊なのか、結局理由はわかりませんでしたが、
とりあえずはっきりしているのは第4レースの出走予定馬の内の一頭の騎手がいないということ。


そこでピンときた私達。

「もしかして、ルメさんが替りにこの馬に乗るんじゃ!?」


厩舎も以前、優先騎乗契約を結んで数々の大レースを勝たせてくれたRouget(ルジェ)厩舎。
これはありえない話やないで…!?!?




待つこと数分間。




電光掲示板で発表が来ましたよー!!

その後場内アナウンスでも所謂「騎手の変更を発表いたします~」的な放送が流れ、
正式にルメさんへの乗り変わりが発表されました。

行方不明?になっているメンディザバル騎手がもし日本で同じような状況になったら、
きっと各マスコミに大騒ぎされ、月単位の騎乗停止処分を食らわされ、その他にも色々と大変なことになるんだと思うんですが、
この後確か彼は何事もなかったかのように復帰できていたはず。
さすがにRouget先生には怒られてそうですが…

うろ覚えなんですがユタカさんが昔フランスで同じようなことをしてしまった時も、
何事もなかったかのように騎手も乗り替わってレースが開催されていたし、
ユタカさん自身も特にペナルティは受けなかったと何かのインタビューで言っていたような気がします。
フランスはおおらか過ぎ。


出走馬がパドックを周回し始めましたが、
天気はあいにくの小雨…
私を含む観客は皆パドックの近くの木の下で雨宿りしていました。


しばらくすると、ちらほらジョッキー達もパドックへ姿を現し始めました。
日本と違って整列などの決まりごとは特になくそれぞれのタイミングでやってくるのですが、
肝心のルメさんはPasquier騎手(パスキエ、レイルリンク騎乗)とBenoist騎手(ブノワ)と連れ立って登場。

何かを楽しげに3人で喋っているようだったのですが、気になったのがルメさん以外の2人の視線。

あの…ニコニコチラチラこちらを伺うの、止めて頂けませんかね?(汗)
なんかすごく恥ずかしいんですけどもー!
彼らは一体何を、何を吹き込まれたんだー!?

ルメさんにはゼンカがあるので(笑)
うっすら想像はつくのですが、他の騎手さん達に知られるってなんか恥ずかしいんですよ~
いや、他の方にもルメさんのファンであることを認めて頂けたみたいで嬉しいんですけどね!複雑な心境。

ちなみに上記リンクに出てくるユースケ君は
ルメさん幕を出し始めて4シーズン経った今でもうちの幕をチラチラ見てくれていたりしますv
彼の幕じゃないことがちょっと申し訳なくなるくらい。





そして、肝心のルメさんは…



(左からブノワ、パスキエ、ルメさん)



ル「このレースで今日の仕事終わりだからねー!!」



と私とF氏さんに普通に声をかけてから騎乗馬の方へ向かわれました。
日本では絶対にありえない状況ですよね。

ルメさん残業お疲れ様でーす!
あと、ルメさんだ~vと思いながらも雨を理由に木の下から出ない無精なファン×2ですみませんでした orz




(F氏さんをガン見!中のルメさん@後ろのおっちゃんも気になる)

実はけっこうこのレースでは有力馬だったみたいで(たぶん一番人気だったはず)
馬体もイイ、返し馬もイイ!と、私たちもわくわくしていたのですが、





(返し馬中、ゴール版とゲート)

意外に伸びず…
馬場状態が良くなかったみたいなのでそれも関係していたのかもしれませんが残念。
検量室前で帰りを待っているとドッロドロになった彼らに再会出来ました。
雨の中本当にお疲れ様でした!


ちなみに勝ったのは…





カメラ目線あざーっす!パスキエ騎手でした。

ちなみにこの時の騎乗馬(レープロが見つからないので名前不明。わかったら訂正します)は珍しいスウェーデンからの遠征馬。
パドックでもファンと「その馬どうなの?」「知ラネ~w」と無責任かつある意味フェア?な会話を百面相しながら繰り広げていた彼。
やっぱりこの人、面白いわ~








次回予告:アフター競馬にて語られる凱旋門賞の真実と、まさかのあの人との再会!?

巡り巡ってもまたここでⅥ~タイムリミットまであと20分!?~

2011年06月09日 22時18分11秒 | Paris旅行2010その2
いつぶりだよ!この連載!?
ってことで数か月ぶりにシリーズ再開です。
目標は今年の凱旋門賞までに書ききる!
こと…はさすがに出来ると思うけど、のんびりいきます。のんびり(笑)




※前回までのあらすじ※

フランスに競馬を観に行くこと実に四回目にしてようやくルメさんの凱旋門賞での騎乗を直に応援する機会を得た玄米茶。
まいどおなじみ観戦パートナーのF氏さんと共にロンシャン競馬場へ行き、1R前にしてパドック越しに無事にルメさんとも再会を果たす。
凱旋門賞直前でもあいかわらずな(?)彼の反応にじんわりしながらもWeekend Longchampの雰囲気を思いっきり楽しみ、
翌日はパリ近郊の「競馬の街」メゾンラフィットへ。
そこでいつもお世話になっているガロリーニ調教師の元で厩舎&調教を見学させてもらった後、
競馬場へ行く予定になっていたのはいいが…?

プロローグ
パドックで愛を叫んだ再会編
前半G1×4総集編
Goldikova姉様素敵すぎます編
レース回顧の無い凱旋門賞編
ガロリーニ厩舎見学編



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前回では午前中はガロリーニ厩舎で馬を見たり調教を見学させてもらいつつ、
午後からゆっくり競馬場へ行きましょう、と予定を立てていた私達。

厩舎でまったりしながらふと「そういえば今日のレースの発走時刻って何時くらいなんやろうね?」

と競馬新聞を目にした次の瞬間に変な声が出そうに。

だって、第2レース発走まであと20分しかなかったんだもんよ!

教訓:競馬新聞は隅から隅までチェックせよ。特に発走時間(涙)


普段のフランス競馬はだいたい1時頃に第1レースが始まるので油断していました(ちなみにこの時の時刻は11時50分くらい)
しかも、ルメさんの本日の騎乗はこの第2レースのみという仕様。



詰んだ。




こ、こんなオチってアリかなぁ?
せっかくフランスまで来ておいて、メゾンラフィットまで来ておいて、ルメさんを観れないなんて…そんなのありですか!?
「これはこれで自虐的な笑いが取れるかもしれない」という余計な関西人根性みたいなものも一瞬頭を過ぎりましたが、
競馬の神様は私をまだ見捨ててはいなかったようで、
ガロリーニ厩舎の現場責任者のRさんが、なんと私たちを車に乗っけて競馬場まで連れて行ってくれるというではありませんか!!!!
先生の馬が出走するわけでもないのになんて親切な…(涙)本当にありがとうございます!!!!


実は先生のお家兼厩舎は車に乗りさえすれば競馬場まではものの4~5分で行ける距離。
歩いてでは絶対に無理な距離&時間でもどうにかレースには間に合うか!?


なんとかRさんに競馬場前まで送ってもらい、大慌てでチケットを買って入場すると、
ギリギリセーーーーフ!!!
なんと丁度第2レースのパドックで騎手が騎乗するところでした。

ルメさんは?ルメさんはどこやー!?






いましたv緑帽に赤い勝負服がルメさんです。

一時はどうなることかと(滝汗)
本当に、焦りました…





騎乗馬はミケル・デルザングル厩舎のThreshing Daysちゃん(2歳)
先生は現在タナパ君が修行を積んでいる厩舎の主で、一昨年のエリザベス女王杯にシャラナヤを出走させたりと、
日本とも縁の深い方です。ちなみに写真の右端でやけにくっきりはっきり写っている方がいますが、これが実は当のデルザングル先生だったりします(^皿^)


「がんばれ~!(あとお土産もあるよ~)」と声をかけた私たちを見て、
「あ、今日も来てくれたんだね♪」といつものようににこやかなルメさん。





さっさとゴーグルを掛けてしまわれたのですが(なんか残念)
視線はどう見ても終始こちらをガン見(笑)




いっつも思うんですけど、私たち立場が逆ではないですか…!?

…本当にファン冥利に尽きます。いつもほんとうにありがとうございます。








本馬場入場&返し馬を見送った後はスタンドへ。
平日ということもあり競馬場はガラガラ。
コースの写真を見てお気付きの方orもしくは噂を聞いている方もいらっしゃるかと思うのですが、
じつはこのメゾンラフィット競馬場、とても直線が長いんです。
なんと全長2000m!ヨーロッパ最長の直線コースなんだとか
なんとかこの凄さを写真に収めたいと思い色々試してみたのですが、広すぎて収まりきらない。
そして端が霞んでコースの終わりがよく見えませんでした。

ちなみに、またもや右端の人物はデルザングル先生。
以前のサンクルー競馬場編でも書きましたが、意外にフランスでは調教師や場合によっては騎手も、
普通に場内をうろついていたります。そしてそれを誰も不思議に思わない。

ルメさん騎乗馬を管理されていることもあり、F氏さんが試しに「馬の調子はどうですか?」と話しかけてみると
「調子はいいんだけどねぇ」と普通にお返事してくださったりも。
パドックで騎手とファンが会話しているのも珍しくはない事ですし、環境柄日本よりもこういうところはゆるやかでいい感じ。







レースそのものは力の差もあったのか、真ん中くらいの順位でとりあえず無事完走。
先生の言葉はきっと続きに「相手が強いんだよ」という言外の含みがあったんだと思います。







Threshing Daysちゃんもルメさんもお疲れ様。



さあ、これで私の今回のフランス遠征の目的もほぼ達成した、ルメさんも見納めで次は京都かなぁ…



な~んて考えていたのですが、意外な形であともう少しだけこのシリーズは続くことになりそうです。







次回予告:ワンモアライド!?~ルメさんはいったい同僚にどんな話をしているのかがすごく気になる~



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巡り巡ってもまたここでⅤ~大飛越も一歩から~

2011年04月08日 22時16分18秒 | Paris旅行2010その2
この約一か月の間にいろいろなことがあり、精神的にも身体的にも疲れはてていましたが、
ゆっくりながら少しずつ回復してきています。
本調子にはまだまだほど遠いですが、元通りの自分に戻りたい、
そういう思いも込めて、
長らく中断していた昨秋のフランス遠征記の続きをお送りします。


===================






喜びも悔しさも噛み締めた凱旋門賞から一夜経ち、
私はパリを離れ、北西へ20kmの街Maisons-Laffitte(メゾン・ラフィット)へ来ていました。

17世紀に建てられたメゾンラフィット城や綺麗に整備された街路樹が続く街並み…
どことなくノーブルな雰囲気が漂う静かな街なのですが、実はここはフランス有数の競馬の街。
競馬場はもちろんのこと、たくさんの厩舎、そして広大な調教施設や競馬学校があります。
別名もズバリ「cité du cheval(馬の街)」なんだそうな。

駅舎の壁画も思いっきり馬の絵でした(残念ながら撮影し忘れましたがorz)


ここへ来た目的はズバリ2つ。
その①はもちろん、メゾンラフィット競馬場のレースに騎乗するルメさんの応援。
そしてもう一つ、その②はこの街に住むGallorini調教師(以下ガロリーニ先生)にお会いすることでした。

先生とお会いするのはこれで3回目。
友人のF氏さんに連れられ厩舎兼ご自宅で初めてお会いしてから、
ただのファンに過ぎない私をずっと変わらぬ笑顔で迎え入れてくれた先生。

前回お会いした時はサンクルーでは弟子のような存在であるルメさん※をわざわざ紹介して下さったり、
オートゥイユではプチ馬主気分を味合わせて下さったりと普通では考えられないような経験ばかりをさせていただき、
どうやって感謝すればいいかもわからないくらいでした。

機会を逃しっぱなしで過去の話を全く書いていないのが悔やまれます。
先生のところにいくと「競馬のあり方」「観方」についていつも深く考えさせられるので、それについてもいつか形に残せたらいいな。



今回の訪問でもいつものように私たちを迎え入れてくれた先生ですが、
午前中は馬の調教で大忙し。
私たちは邪魔にならないようにそ~っと厩舎にお邪魔したのですが、先生にくっついて調教を見せてもらえることに♪

ちなみにフランスの競馬開催は基本1時過ぎの午後からなので、それまでは先生のところでまったりしていようという作戦でした。

ここからは私がぐだぐだ文章を書くより実際の調教の様子を写真で見ていただこうと思います。
日本の所謂トレセン的なところを想像しているとカルチャーショックを受けること間違いなしです^^;
各云う私が最初は衝撃と感動で固まっていましたので。。。





歩様を見て調教に出すか、厩舎に戻すか判断している先生の図


実はこの場所、先生の家&厩舎の前に通っている普通の道路なんです。
一般道?のはずなので普通に車が停まっています。

実はこんな感じで市街地を抜けるとこの街ではいたる所で道をポクポク歩く馬に出会えるんですよね。
たまらん。



そして先生の愛車(年代物のスズキでしたv)に同乗して、先行する馬達を追いかけ調教場へ。


直線コ――――――ス



かすんでコースの終わりが見えません。
え~っと、たしか、直線が4キロぐらいあるんだったかな(滝汗)


こんなに広くては声が聞こえるはずもないので、
指示はすべて携帯電話から。


全く見えないけど…先生、もしかしてもう走りはじめちゃってます!?






って言ってるそばから!!!


瞬きする間もありません。
すごい、すごすぎるよ…

感動でボーっとしていた私に、先生がさらなる追い討ちをかけてきます。



ガ「本当は今日はするつもりはなかったんだけど、せっかく来てくれたんだから特別に障害飛越の練習も見せてあげるよ」




な、なんですとー!?!?!?




ということで、再び移動し到着したのは本当に障害のある練習コースでした。




日本の調教VTRでもこんなの見たことないですよ…!
この時飛んでいたのはご覧の通り低めの障害で、
レースが近づいてくるともっと高い障害を飛ばせるんだそうです。

障害初心者(馬)もこんな風に小さいものから始めてだんだん高くしていくんだろうな。
実際、ヘタクソな仔は体を捻りながら斜めに飛んでいました(^皿^)






先生はこれまで何頭もの障害のチャンピオンホースを育て上げてきた名伯楽ですが、
そんな先生の手がけた名馬達だって最初からばんばん飛べたわけではないはず。
こうやって地道にコツコツ力をつけさせることで皆育っていったんだなと思うと、胸がじーんとしました。
そしてその「未来への第一飛越」を見学させて頂けたことに対して到底言葉に出来ない感謝の念を覚えました。


先生、本当にありがとうございました!








調教を見ながら、先生とはF氏さんに通訳して頂いて色んな話をしたのですが、
その中から印象に残ったやりとりをいくつが紹介したいと思います。
と、いうか先生語録!?



~凱旋門賞について~


ガ「TVで見ていたんだけど、ナカヤマフェスタが来た時は手を一緒に動かして(騎手が馬を追う時のアクション)応援したよ!」

日本の馬のためにありがとうございました!
逆に日本人である私はBehkabadしか見てなかったのに…(苦笑)




ガ「日本から凱旋門賞に出る為に二頭も馬が来ているのに、フランス人のLemaire騎手の応援なんかしちゃっていいの?」

玄「私はLemaire騎手のファンですから!」

ガ「それは…愛だねぇ」

日本とは全く騎手とファンの距離関係や応援の方法が違うので、日本では決して珍しくない私のようなタイプのファンの存在にも、
カルチャーショックを受けられているのかなと思いました。
あとは自分の国の人馬を応援するのが普通だと思うので、ナショナリズム(パトリオティズム?)的な意味合いもあったのかもしれません。





~先生と私~


ガ「私はLemaireではないし、騎手でもありませんが…応援してくれると嬉しいな」

玄「!!! そんな、私はもうとっくに先生のファンですよ!!!」


私がルメさん以外で普段から成績をチェックしているのは先生だけですよー!
知り合う前から管理馬RememberRoseのファンでもありましたし…
私はとっくの昔に先生の大きくてあたたかい人柄にゾッコン惚れ込んでいたのに今更です(涙)
この後は笑顔で両手を広げた先生に向かって真っすぐ飛び込ませて頂きましたv




先生との交流で、嬉しくてふわふわして私でしたが、
この後まさかとんでもない展開が待ち受けていようとは…(笑)

教訓:競馬新聞は隅から隅までチェックせよ。特に発走時間。




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※ルメさんは競馬学校ではなく普通校に通ってから騎手になったのですが、
学生時代に腕を磨くために休日はガロリーニ先生の所で働いていたそうです。
元々、パパさんが先生と懇意にしていたこともあり、
(障害騎手としては先輩後輩で、先生が厩舎を開いてからはよく管理馬にも乗っていたそうです)
先生はその息子であるルメさんの事も生まれる前からご存じだったとか。







【Web拍手お返事】

お返事が遅くなってしまってすみませんでした。




3月24日 たくとさんへ

お気遣い、本当に胸に沁みます。ありがとうございます!
先日は仁川でお会い出来て本当にうれしかったです。
皆さんにお会い出来て、少しずつですが前向きに頑張れるようになりました。
また夏の小倉でお会いしましょう♪




4月5日 NAKAGOさんへ

月並みだなんてそんな…!!!
嬉しいです。本当にありがとうございます。
自分に自信がなくて、どうしたらいいのかわからなくなっていた時に、
「今のままでいていいんだよ」と言ってくれる人がいてくれることがどれだけ嬉しいか…

これからもがんばりますので、よろしくお願いしますv



巡り巡ってもまたここでⅣ~3年越しの宿願、5年越しの夢~

2011年02月27日 21時24分08秒 | Paris旅行2010その2
たったひとつの想い貫く難しさの中で
 
私たちは 守り抜くよ 貴方との約束


全て懸けよう 走り抜けよう この特別な瞬間の中で輝いていたい

ただ息をしてここに居るだけ それだけなのに溢れ出す気持ち 




―3年分の想いを胸に









=================


お待たせしました。
連載再開です


※「巡り巡ってもまたここで」これまでのあらすじ※

3年ぶりに凱旋門賞に出るルメさんの応援の為に、4度目のフランスへの渡航を決意した私は
毎回の観戦仲間であるF氏さんと合流し、朝一でルメさんとも無事再会を果たすことに成功。
さらにゴルディコヴァのG1欧州勝利数のレコードの更新を観ることが出来たりとWeekendLongchampの雰囲気 目一杯楽しんでいたが、
最大の目的だった凱旋門賞はすぐそこまで迫っていて…!?


===================



記憶は2009年のこのレースまでさかのぼります。 


彼が此処に来れなかったことを受け入れることが出来ず、

また、彼が乗るはずだった馬がどんどんレースを勝っていく姿に最早乾いた笑みしか浮かべることが出来ず、

友人のおかげでようやくロンシャンから逃げ出さずにいれたような状態で過ごした一日

本当なら少しでも良い成績が残せるように祈らなければならなかった凱旋門賞では

騎乗馬Stacelitaが勝てなかったことを悔しく思うのではなく、

負けたことにひどくホッとしたあの日の一連の自分の気持ちの流れは今でも昨日のことのように覚えています。



そして、彼が当日どうしていたか、何を考えていたかという内容の翌日の新聞のインタビューが、
怖いくらいに私のそれと一致したことも。




もうあんな思いは二度としたくない。
もしもう一度ロンシャンに行けるなら、元気に騎乗する彼の姿が観たい。

直前のフォレ賞(Goldikova姉さんおめでとう!)まではなんとか平常心を保てていた私でしたが、
いろんな思いが込み上げてきて、とてもじゃないけれどレースそのものは緊張し過ぎて観れる状況には非ず。
でもそのかわりパドックでは悔いのないように写真を撮って幕を出そう!!!
日本からわざわざやってきたLemaireファンの根性見せたるで!!!くらいの気合乗りでいました(笑)
度胸がいいのかチキンなのか自分でもよくわかりません^^;


凱旋門賞のパドックでは馬だけが回っている時から、
F氏さんに手伝ってもらいながら幕を出しながら片手で一眼を使って撮影、撮影。

日本だと何十分もパドックを観ることが出来ますが、フランスのそれは長くても数分間。
そしてそれは国一番の、いや、ヨーロッパ一のレースであっても例外ではありません。



私が待ち望んでいた瞬間はあっという間に訪れました。






前年、ルメさんが凱旋門賞で騎乗するのを生で観戦するという夢を直前で絶たれていたのもあって、
ただただこの瞬間を待ち望んでいた私にとっては、本当に夢のようでした。

しかも近年稀に見ない大混戦ムードの中とはいえ、
地元フランスの期待を背負っての一番人気。
もう、本当に感無量…(涙)




そしてあっという間に馬上の人に。

ガッチガチに緊張してはったらどないしよ…とか色々考えていたんですが、
とっても和やかなムードで一安心。

この写真を撮りながらも左手で幕(反対側は同行していたF氏さんに持っていただいていました)
は持っていたのですが、↑のように俯きながらパドックを回っていたので結構上の方にいた私たち&幕はもしかして視界に入らない?

げ、もしかしてこれ、作戦ミスですか?




でも、いいや。

私たちがルメさんを応援にここに来たのはもう彼は知っているし、
凱旋門賞の直前で少しでも彼の集中を削ぐようなことをするわけにはいかない。

ルメさーん、気付かなくてもいいよ。
いや気付かないで。




日本のG1でもあまりこちらを見ることはなかったルメさんだったので
(これはその日のパドック数回目の登場だからという理由もあると思うけど)
静かに目の前をBehkabadに騎乗して進んでいくのを見送っていたのですが、
それまでずっと下を向いて関係者の方たちと話されていた彼が急に弾かれるように上を向いたんです。


真っ直ぐ見上げた視線の先にあったのは私の幕。



えー!?!?
なんで気付いてくれたの???


幕と私たちを確認したルメさんはいつものルメさんで、
笑顔で私たちに馬上から手を振ってくれ、
Behkabadが私たちの前を通り過ぎても振り返って幕を見続けてくれ、
最後は親指を力強くグッと立ててパドックから去っていきました。




嬉しくて、ビックリして、
もう本当にどうしていいかわかりませんでした。

だってただのレースじゃないんだよ?
凱旋門賞なんだよ??

ただのファンに過ぎないんだから、私なんかに構ってくれなくてもいいんですよ?



前年に同じ場所で過ごした時はただ立っているだけで精一杯でした。

ルメさんが騎乗しているところが観れただけで本当に嬉しかったのに

幕を見てくれるなんて期待してなかったのに



上手く言えないんですが、
胸の内の方からじんわり暖かくなるという経験を生れて初めて感じました。
前年とは違う意味で涙が自然に込み上げてくるのを抑えられませんでした。










レースについては既に五ヵ月が経った今、
あえて書こうとは思いません。

ナカヤマフェスタの大活躍もあり、
例年より多くの方がレースそのものやレビューを目にされたはずですから。

皆さんもご存じの通り、勝ったのはWorkfoce&Moore騎手で、
私の応援していたBehkabad&Lemaire騎手ではなかったけれど、
あの時あの場所にいれた私は本当に幸福でした。

いつかルメさんが凱旋門賞で騎乗しているところを見てみたい。


これは私が6年前(レース当時は5年前)に彼のファンになった時からの夢でした。
最初は途方もない夢でいつかなうともしれないものだと思っていました。
まさかこんなに早く実現するとは思ってもみませんでした。

次に凱旋門賞を観に行く時は、
彼におめでとう!って言えたらいいな。






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貴方が貴方だからこそ、私はどこまでもついて行こうと思えるんだ



【使用写真:撮影玄米茶】
①スタンド屋上にはためく凱旋門賞の旗。
②凱旋門賞パドック入場時のLemaire騎手とCrastus騎手。一番人気と二番人気でした。
③凱旋門賞パドックのBhekabad&Lemaire騎手。
④ロンシャン競馬場正門入ってすぐ正面にあるグラディアトゥール像のおしり。レース後はここで休憩していました。



【おまけ:パドックの裏側】

凱旋門賞のパドックで急に上を見上げて私たちを発見してくれたルメさんですが、
実はちゃんと理由があったんです。

フランスへ行くたびにお世話になっていたガロリーニ先生のところに馬を預けている方の息子さんで、
先生のところでいつも会うS君という男の子がいたんですが、なぜかその子がパドックの内側に入っていたらしく
(どうやって入ったんだー!!!)

そのS君が(当然私がルメさんのファンなのはご存じです)内側から私たちの存在をルメさんに知らせてくれたから、
というのが真相だったみたいでした。

Sくーん、ナイスアシストだったよ!!! Merci,Boeucoup♪

巡り巡ってもまたここでⅢ~歴史が動いた瞬間~

2010年10月29日 22時45分52秒 | Paris旅行2010その2
今年の秋冬シーズンの海外からの遠征馬は今のところエリ女以外あまり期待できそうにありませんが、短期免許取得騎手は毎週WSJSやってるような空前絶後の超好メンバーっぽいですね。

本当に、めちゃくちゃ楽しみですv
もちろん日本の騎手にも頑張って欲しい!


今後の観戦予定(休みもぎ取りました)

14日 京都
21日 京都
27~28日 東京(メンバーによっては京都)


東京に行く場合、というかルメさんがいる場合になるんですが、府中には行った事がないので現地の様子が全くわかりません。
今のところ、とにかく広いらしいという情報くらいしか…

たぶん横断幕持ちになると思うので、特にそれに関する情報をいただけたらなぁ…なんて。。。





==================


それでは長らく休んでいたフランス観戦記の続きといきますか。



5:QATAR Prix de la Foret

実はこのレース、ある偉大な牝馬による大記録が打ち立てられるか否かという理由で、
ある意味凱旋門賞よりも注目されていたんです。


その記録とは、



GoldikovaによるヨーロッパにおけるG1最多記録の更新。
日本の記録は7勝、アメリカでは16勝ですが、ヨーロッパの記録は長らくフランスのミエスクという牝馬の持っていた10勝という記録が最多でした。

あの凱旋門賞馬Zarkavaや父が日本馬だったNatagoraちゃん達と同世代であるGoldikovaは彼女達がどんどん引退していく中でも、得意のマイル戦を中心に並み居る牡馬を尻目に戦い続け、一歩も引けをとることはありませんでした。

断然人気で挑んだ前走のジャックルマロワ賞では「直線マイル」ではおそらくヨーロッパ最強であった3歳馬Makfiと重馬場に足元をすくわれた形で2着に敗れましたが、
彼女が女王であることに変わりはありません。

しかし、今回もなかなか骨のあるメンバーがそろっているようで、例えば




英仏1000ギニーをどちらも2着から1着馬の失格、降着による繰り上がりで勝ったことになった(爆)SpecialDutyや
(写真では後ろの方ですみよんがピンボケています)




永遠の追っかけ(ライバルでもいいけどこっちの方がしっくりくるような気がしますv)
PacoBoyがいました。
(後ろでるめさんがピンボケていますが気にしない)

他にも昨年のフランス2歳チャンピオンSiyouni@るめさんやジャンプラ賞を勝ったDickTurpin@ムーアがいましたが、
断然注目されていたのはやっぱりGoldikovaでした。


ただ、今回のレースは彼女のベストであるマイルではなく1400m。
適正を考えてもここを足慣らしとして次走の、そしてラストランでもあるBCマイルでの記録更新を目指してもいいんじゃないか…そう思っていました。



しかし、数分後に私はなんて馬鹿だったんだろうと思い知ることに。






Goldikova…格好良過ぎます!!!
姉さんと呼ばせて下さい!!!



痺れました。
たとえ自分の適性距離でなくても、いつでもどこでも全力を尽くす彼女の直向さ、
そしてそれを全力でサポートするペリエ騎手のコンビに酔いしれました。


実はこちらに以前書いてもいるのですが、同行していたF氏さんはGoldikova姉さんとペリエ騎手のフランスでのレースは全部競馬場で観戦しているという程の大大大ファン。
F氏さんから想い入れのこもったお話を色々とお聞きしていたこともあって、彼らの勝利は本当に本当に嬉しかったです。
一瞬、ルメさんのことを忘れたくらい(笑)

F氏さんのブログは現在論文が忙しいこともあり休止中なのですが、書き終わったらブログも再開されるそうなので、
いずれこの日のことも書いてくださるんじゃないかな、と勝手に思っています。
きっと、私が書くよりも何倍も素敵なGoldikovaの物語を綴ってくれるはず♪






パドックに戻ってきた姉さん達はそこにいた観客からの惜しみない温かな拍手で包まれていました。

鳥肌が立つような日本の大観衆の地鳴りのような歓声も好きですが、
ヨーロッパの長い歴史の記録を塗り替えた彼らに捧げられた、静かで染み入る様な温かな祝福の拍手にも胸が熱くなりました。

これだからヨーロッパの競馬観戦はやめられない!!!







担当さんのブルゾンが素敵過ぎる…帽子もおそろいですね。
彼女への愛が滲み出ています。


2008年のムーランドロンシャン賞、そして今回のフォレ賞と、彼女のこれまでの11勝のG1のうち2つまでもを現地で観れたことの幸せをかみ締めつつ、
ああ、もうこれでお別れなんだなぁ…と少し寂しくもなりました。

少ししか寂しいと感じなかったのは、
きっと彼女には競走馬としての幸せなハッピーエンドが待っていることを、
そして牧場に戻って素敵なお母さんになることを私が信じて疑っていなかったからだと思います。



さあ、長かった競走馬生活もあと少しですよ、姉さん!
どうかどうか、最後まで貴女らしい貴女であって下さい。




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次回ようやく凱旋門賞。
Webアルバム「菊花賞」「Weekend Longchamp2010」を更新しました~











【おまけ】


チラッ

巡り巡ってもまたここでⅡ~最初で最後の~

2010年10月19日 22時55分26秒 | Paris旅行2010その2
仕事が忙しすぎて超寝不足です。
はああああ…


こんなに第2回が遅くなる予定ではなかったんですが…すみません!
今回は第1~4Rまでを駆け足で振り返ります。
なにせ私が本当に書きたい箇所にはあと5回くらい更新しないとたどり着けないので(笑)

==================


1: QATAR Prix du Cadran 4000m 
   「The上がり馬」




一戦目は4000mの長丁場カドラン賞。
昨年はアイルランドのイェーツ師匠がラストランを飾ったレースですが、
今年から番組編成が行われ、第7(だったかな?)から第1レースに回ってきました。

1番人気は日本にも来ていたクラ眉君(Crastus騎手)のBLEKでした。
凱旋門賞ではベー君@ルメさんと並ぶ、地元フランスの有力場Planteurに乗る予定だったんですが、実はG1は未だ未勝利。
ここで念願の初勝利を収めて弾みをつけて凱旋門賞へ向かいたいところだったと思いますが、物事はそう上手くはいかないようです。

勝ったのはGentoo@モッセさん。
逃げを打ったBLEKを尻目に鮮やかな差し切り勝ちでした。




モッセさんの冴え渡る騎乗勘…素敵過ぎる。
3ヶ月に一回くらいの感覚でこの方の騎乗に惚れ直しています。

こんなに素晴らしい騎手が第2ジョッキー(アガ・カーン@るめ)だなんて勿体なさ過ぎる。




パドックへの凱旋。

以前の遠征記でも書いたかもしれませんが、フランスでは表彰式は3つの大レースを除いて全てここパドックで行われ、カドラン賞もその例外ではありません。

ちなみに例外の三大レースとはシャンティイ競馬場で行われるジョッキークラブ賞(仏ダービー)とディアヌ賞(仏オークス)、それからここロンシャンの凱旋門賞です。




2:QATAR Prix de L'Abbaye de Longchamp 1000m
   「The first and last Riding」


第2レースのアベイドロンシャン賞は直線1000mのレースですが、
日本で言うところの「向こう正面」でレースが行われるので、
ぶっちゃけ肉眼ではほとんどレースを観る事は出来ません(爆)


ここでの注目馬はなんと言ってもPlanetFive@ルメさん!




PlanetFiveの馬主さん(ニアルコス・ファミリー)は早くからルメさんを第1ジョッキーに据えてきてくれた大変恩のある方々です。
ニアルコスの第一ジョッキーにならなければ、そしてDivinePriportionsに出会っていなければ今の彼はいなかったと思います。

それに、これらの件を抜きにしても私はこのブルーブラックを地とした、限りなく白に近い水色の「サンアンドレ十字」の勝負服が大好きでした。
他のどんな勝負服よりも彼に似合っていたと思います。
その思いは、アガ・カーン殿下に抜擢され「緑」の服を着る機会が多くなってからも決して変わりませんでした。

今年がきっと最後なのだろうということは去年の時点でわかっていたことだったので、
最後に、そしてこれが初めてでもあったのですが、大好きなニアルコスの勝負服を着たルメさんを観ることが出来て本当に嬉しかったです。

来年からニアルコスの第一ジョッキーはパスキエ騎手になるであろうという記事を見かけました(出典:ZoneTurf)
きっとルメさんもますます「緑色」になっていくんだろうなぁ…


アガ・カーン殿下の主戦騎手は大変名誉なことだとわかってはいますが、
私は彼を認めてくれた最初の人々の事を決して忘れないようにしていきたいと思います。





あ、レースの話をするのを忘れていましたね^^;



勝ったのは大穴のGlit edge girlちゃん@モーリス君。
馬も人もG1は初勝利だったそうです。おめでとー!!!





3:TOTAL Pirx Marcel Boussac - Criterium des pouliches 1600m
   「2歳戦のカギは仕上がり具合」




2歳馬のG1は日本と違ってヨーロッパは数多く存在しますが、その中でも有名なのはやっぱりロンシャンの2レースでしょうか。
今年もフランスやアイルランドから有力馬の参戦がありましたが、勝ったのはアイルランドのMisty for me。
パドックでも他の誰よりも仕上がっていたように見えたので、個々の能力云々よりも、
この時期の2歳馬は(本当に強い馬は別として)仕上がりが早い&良い馬がやっぱり有力みたいです。
3歳になってからガッカリさせんなよ~

もう何度も手痛い失望を味わわされてきましたから。せんとにこ…ごにょごにょ



4:Prix Jean-Luc Lagardere (Grand Criterium) 1400m
   「もう誰?とは言わせない」


何故か牝馬の2歳戦よりも200m短い牡馬のレースがこれ。
ルメさんも出てないし~、My name is Bond@すみの応援でもしますか!と気楽に観ていたのですが、
肝心のMynameisBondは超かかりっぱなし。
こりゃイカーン!



一番人気だったフランスのMoonlight Cloudも伸び脚を欠き、4着まで。
これまでもそうだったように、馬場が悪いのがやはり影響している様でした。



勝ったのはWootton Bassett@ポール・ハナガン騎手。
表彰式を見ながらF氏さんと私はずっと「ハナガンって誰やったっけ?」と言い合っていたのですが、
なんと、(今のところ)イギリスのリーディング騎手でした(爆)
夏まではムーア騎手がリーディングだったらしいのですが、そのムーア騎手がどうやらルメさんと同じような時期に腕を怪我して1ヶ月程戦線離脱(全然知らなかったよ!)。

その間にひっくり返して…ということだったらしいです。
しかも、今年の初G1勝ちがこのレースだとか!?ウソだろ…???

WSJSはこの人が来るのかも?
え~っと、去年のフランス代表のように2人立てにしてはいただけないでしょうか(涙)

だってだって、大レースでの成績だけならリーディングが何位だろうと
今年の英ダービー、英オークス、凱旋門賞(あ、言っちゃったv)を勝っていてなんだかんだで毎年日本に来ているムーア騎手を無視などさせまいよ!?



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ムーア騎手には都合が良ければ是非今年も日本に来ていただきたいものです。

巡り巡ってもまたここでⅠ~ロンシャンの中心で愛?を叫ぶ~

2010年10月11日 19時19分28秒 | Paris旅行2010その2
今年はディープの時の様に日本人が沢山来るだろう。
すぐにレープロがなくなってしまうかもしれないからちょっと早めにロンシャンに行ったほうがええんとちゃうか。

今年も同行してくれたF氏さんとそう決めて、1Rギリギリに到着した去年よりもだいぶ早めに競馬場へ行ったのですが、





あれ、そうでもない??
確かに日本人自体は去年よりも明らかに多い様子ですが、
さすがに1レースまでにかなり時間もあるということで全体的な人数は少なめでした。

スタンドにのんびり座って来る途中で買ったサンドイッチ(激マズ…)を食べた後、
とりあえず場内をウロウロしますか、ということになりパドックへ。

到着したパドックはやっぱり人もまばらだったのですが、
その内側ではカメラが誰かを取り囲み取材中の様子でした。

誰?誰?








っていきなりルメさんではないですか!!!


今日のルメさんの初騎乗は第2レース。
いや~、こんなに早く再会できるとは思ってもいませんでした。
本来なら約2時間後にしか観られなかったはずの彼の姿に私のテンションも急上昇↑(笑)

その勢いを保ったまま、
そうだ、ルメさんがパドックにいるなら今の内に新作の幕も見てもらいましょう!ということで、
F氏さんと二人で本番の練習も兼ねて幕を出してみることにしたのはいいものの、

パドック内のカメラマンが気付いてくれて写真を撮ってくれたり、
日本人のお客さんから話しかけられたりはしましたが、
肝心の本人が気付く気配は全くありません。
そうこうしている内に取材も終わり、ルメさんもジョッキールームの方へ戻っていきそうな気配です。

これはマズイ。
呼びかけないと気付いてもらえない。
このままでは出し損?になってしまう。

今は馬もいないし大きな声を出しても大丈夫かな。などと私が考えている間に
隣のF氏さんが「Christophe!」と遠くにいるルメさんに向かって声を上げていました。

しかし、彼はまだ気付きません。
ええい、それなら私が!!



「Christophe!!!」



自分の声がロンシャンのパドックであんなによく通るとは思いませんでした…よ(恥)
パドック外側の一般客側スタンド中段にいた私達と、内側の特別エリア寄りの場所にいたルメさん。
つまり互いの距離は約30mくらい離れていたわけですが、
私の声でこちらを振り返った彼は幕と私達を確認!

Good!と笑顔で親指を立ててくれた後、さらに


「ゲンキー!?!?」


とこちらに向かって叫びかえしてくれました。
ルメさーん、もちろん私達はゲンキですよー!!(涙)
病み上がり&缶詰研修明けではありましたが(爆)





超!幕をガン見中のルメさん




今日は1年に一度しかない特別な日。
昨年、怪我で出られなかったこともあり、今年の開催には格別の想いがあるはず。
いつもは馬に跨っていてもパドックでは比較的リラックスしている彼ですが、
流石に今日は違うだろうなと思っていたので、ある意味いつも通りの彼がいてくれて
本当に嬉しかったです。



ルメさんが無事に当日を迎えることを出来た事への喜びをかみ締めながら、
私自身も今日一日を楽しもう!と心に誓った出来事でした。



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海外レポ系では今回のシリーズがルメさん登場最速か?
次回はざーっと前半のレースの回顧をしていく予定です。


【拍手お返事】

10月7日 たくとさんへ
ただ今戻りましたー!
本当に、ルメさんが無事に当日を迎えることが出来て良かったです♪
秋華賞でお会いできるのを楽しみにしていますね。
それまでにブログの更新しておかなきゃ…
私が本当に書きたい部分にはあと4回くらい更新しないとたどり着けないので、
書くよりも競馬場で話す方が先になってしまう可能性が高いような気がしますが(笑)
それでは、コメントありがとうございました!




10月8日 ななさんへ
コメントありがとうございます!
ただいまです♪
>フェスタもピサも~
現地で観戦していた私もまさにそんな感じでした(爆)
今になってサタうまなんかを見て「ああ、フェスタもピサも頑張ってたよなぁ…」
なんてしみじみしてました。
そして、坊や君!!!
移籍先が無事に決まったんですね、良かったです。
ホっとしました…
なんとかして勝ち星をもぎ取って中央に戻ってこれるように頑張って欲しいですね。
私も話したいことが山のようにあるのでななさんと早くお会いしたいです!


巡り巡ってもまたここで~Prologue~

2010年10月07日 23時32分52秒 | Paris旅行2010その2
―私は3年前に横断幕を出してから、関西で彼が騎乗した日はそのほとんどを現地で過してきました。
応援に行けなかった日はおそらく片手で数えられるくらいしかなかったはずです。
しかし、これからの私は社会人になることもあり、今までのように競馬場へ行くことは到底叶わないはず。

たとえ、競馬場に行けない日が増えても、幕が出せなくても、
私の「頑張って、応援してるよ!」という想いはいつだって、どこだって、これからも決して変わらないんだよ、ということを知ってもらいたかった。その一心でした。

(だから、どうか私のことを忘れないで)―





寒風吹きすさぶ3月のサンクルーで彼と別れてから早半年。


私が想像していたよりも、4月から働き始めた新しい職場は融通のきく所で、
全然休めないと思っていた土日もけっこう休みがとれ、
なんだかんだで競馬場にもけっこう通っていました。

でも、さすがにフランスは別。凱旋門賞は別!
新入社員が生意気にもそう連休を取れるはずも無いと思っていました。
しかし、うちの職場は本当に理解のありすぎるところで、
あっさりと連休も取れ、あれよあれよという間にフランス行きが決定。

涙目でのサンクルーでの別れはいったいなんだったんだあああああああ(笑)



というわけで、 今からフランス旅行記2010年第二弾、
凱旋門賞ルメさん応援記が始まりま~す!




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