この約一か月の間にいろいろなことがあり、精神的にも身体的にも疲れはてていましたが、
ゆっくりながら少しずつ回復してきています。
本調子にはまだまだほど遠いですが、元通りの自分に戻りたい、
そういう思いも込めて、
長らく中断していた昨秋のフランス遠征記の続きをお送りします。
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喜びも悔しさも噛み締めた凱旋門賞から一夜経ち、
私はパリを離れ、北西へ20kmの街Maisons-Laffitte(メゾン・ラフィット)へ来ていました。
17世紀に建てられたメゾンラフィット城や綺麗に整備された街路樹が続く街並み…
どことなくノーブルな雰囲気が漂う静かな街なのですが、実はここはフランス有数の競馬の街。
競馬場はもちろんのこと、たくさんの厩舎、そして広大な調教施設や競馬学校があります。
別名もズバリ「cité du cheval(馬の街)」なんだそうな。
駅舎の壁画も思いっきり馬の絵でした(残念ながら撮影し忘れましたがorz)
ここへ来た目的はズバリ2つ。
その①はもちろん、メゾンラフィット競馬場のレースに騎乗するルメさんの応援。
そしてもう一つ、その②はこの街に住むGallorini調教師(以下ガロリーニ先生)にお会いすることでした。
先生とお会いするのはこれで3回目。
友人のF氏さんに連れられ厩舎兼ご自宅で初めてお会いしてから、
ただのファンに過ぎない私をずっと変わらぬ笑顔で迎え入れてくれた先生。
前回お会いした時はサンクルーでは弟子のような存在であるルメさん※をわざわざ紹介して下さったり、
オートゥイユではプチ馬主気分を味合わせて下さったりと普通では考えられないような経験ばかりをさせていただき、
どうやって感謝すればいいかもわからないくらいでした。
機会を逃しっぱなしで過去の話を全く書いていないのが悔やまれます。
先生のところにいくと「競馬のあり方」「観方」についていつも深く考えさせられるので、それについてもいつか形に残せたらいいな。
今回の訪問でもいつものように私たちを迎え入れてくれた先生ですが、
午前中は馬の調教で大忙し。
私たちは邪魔にならないようにそ~っと厩舎にお邪魔したのですが、先生にくっついて調教を見せてもらえることに♪
ちなみにフランスの競馬開催は基本1時過ぎの午後からなので、それまでは先生のところでまったりしていようという作戦でした。
ここからは私がぐだぐだ文章を書くより実際の調教の様子を写真で見ていただこうと思います。
日本の所謂トレセン的なところを想像しているとカルチャーショックを受けること間違いなしです^^;
各云う私が最初は衝撃と感動で固まっていましたので。。。
歩様を見て調教に出すか、厩舎に戻すか判断している先生の図
実はこの場所、先生の家&厩舎の前に通っている普通の道路なんです。
一般道?のはずなので普通に車が停まっています。
実はこんな感じで市街地を抜けるとこの街ではいたる所で道をポクポク歩く馬に出会えるんですよね。
たまらん。
そして先生の愛車(年代物のスズキでしたv)に同乗して、先行する馬達を追いかけ調教場へ。
直線コ――――――ス
かすんでコースの終わりが見えません。
え~っと、たしか、直線が4キロぐらいあるんだったかな(滝汗)
こんなに広くては声が聞こえるはずもないので、
指示はすべて携帯電話から。
全く見えないけど…先生、もしかしてもう走りはじめちゃってます!?
って言ってるそばから!!!
瞬きする間もありません。
すごい、すごすぎるよ…
感動でボーっとしていた私に、先生がさらなる追い討ちをかけてきます。
ガ「本当は今日はするつもりはなかったんだけど、せっかく来てくれたんだから特別に障害飛越の練習も見せてあげるよ」
な、なんですとー!?!?!?
ということで、再び移動し到着したのは本当に障害のある練習コースでした。
日本の調教VTRでもこんなの見たことないですよ…!
この時飛んでいたのはご覧の通り低めの障害で、
レースが近づいてくるともっと高い障害を飛ばせるんだそうです。
障害初心者(馬)もこんな風に小さいものから始めてだんだん高くしていくんだろうな。
実際、ヘタクソな仔は体を捻りながら斜めに飛んでいました(^皿^)
先生はこれまで何頭もの障害のチャンピオンホースを育て上げてきた名伯楽ですが、
そんな先生の手がけた名馬達だって最初からばんばん飛べたわけではないはず。
こうやって地道にコツコツ力をつけさせることで皆育っていったんだなと思うと、胸がじーんとしました。
そしてその「未来への第一飛越」を見学させて頂けたことに対して到底言葉に出来ない感謝の念を覚えました。
先生、本当にありがとうございました!
調教を見ながら、先生とはF氏さんに通訳して頂いて色んな話をしたのですが、
その中から印象に残ったやりとりをいくつが紹介したいと思います。
と、いうか先生語録!?
~凱旋門賞について~
ガ「TVで見ていたんだけど、ナカヤマフェスタが来た時は手を一緒に動かして(騎手が馬を追う時のアクション)応援したよ!」
日本の馬のためにありがとうございました!
逆に日本人である私はBehkabadしか見てなかったのに…(苦笑)
ガ「日本から凱旋門賞に出る為に二頭も馬が来ているのに、フランス人のLemaire騎手の応援なんかしちゃっていいの?」
玄「私はLemaire騎手のファンですから!」
ガ「それは…愛だねぇ」
日本とは全く騎手とファンの距離関係や応援の方法が違うので、日本では決して珍しくない私のようなタイプのファンの存在にも、
カルチャーショックを受けられているのかなと思いました。
あとは自分の国の人馬を応援するのが普通だと思うので、ナショナリズム(パトリオティズム?)的な意味合いもあったのかもしれません。
~先生と私~
ガ「私はLemaireではないし、騎手でもありませんが…応援してくれると嬉しいな」
玄「!!! そんな、私はもうとっくに先生のファンですよ!!!」
私がルメさん以外で普段から成績をチェックしているのは先生だけですよー!
知り合う前から管理馬RememberRoseのファンでもありましたし…
私はとっくの昔に先生の大きくてあたたかい人柄にゾッコン惚れ込んでいたのに今更です(涙)
この後は笑顔で両手を広げた先生に向かって真っすぐ飛び込ませて頂きましたv
先生との交流で、嬉しくてふわふわして私でしたが、
この後まさかとんでもない展開が待ち受けていようとは…(笑)
教訓:競馬新聞は隅から隅までチェックせよ。特に発走時間。
※ルメさんは競馬学校ではなく普通校に通ってから騎手になったのですが、
学生時代に腕を磨くために休日はガロリーニ先生の所で働いていたそうです。
元々、パパさんが先生と懇意にしていたこともあり、
(障害騎手としては先輩後輩で、先生が厩舎を開いてからはよく管理馬にも乗っていたそうです)
先生はその息子であるルメさんの事も生まれる前からご存じだったとか。
【Web拍手お返事】
お返事が遅くなってしまってすみませんでした。
3月24日 たくとさんへ
お気遣い、本当に胸に沁みます。ありがとうございます!
先日は仁川でお会い出来て本当にうれしかったです。
皆さんにお会い出来て、少しずつですが前向きに頑張れるようになりました。
また夏の小倉でお会いしましょう♪
4月5日 NAKAGOさんへ
月並みだなんてそんな…!!!
嬉しいです。本当にありがとうございます。
自分に自信がなくて、どうしたらいいのかわからなくなっていた時に、
「今のままでいていいんだよ」と言ってくれる人がいてくれることがどれだけ嬉しいか…
これからもがんばりますので、よろしくお願いしますv