今から3週間前の5月11日、新潟では池崎君が待望の初勝利を挙げ、京都ではユーガ君が200勝を達成し全国的?なメモリアルデーとなりました。
ユーガ君はその場足踏みすることなく100勝時と比べるとサクッと記録達成しましたが、「サクッ」どころか残念ながらリーチがかかっているというのに、半年間勝利そのものから見放されていた人がいました。
その人の名前は柴原央明騎手。
一年前の私は彼の名前と顔が一致していなかったのですが、いつも一緒にいる競馬友達の
ゆちさんが彼の大ファン。おのずと顔も覚えますし、私もいつの間にかファンになっていました。
そんなこんなで去年の年末に99勝目を挙げてから、毎週のように「今日こそ!今日こそ!!」と祈るような気持ちで競馬場に通っていた私達の待ち望んでいた日が、ついにこの日訪れました。
最終12レース、スタート直後に1頭落馬、最後の直線で2頭落馬という嫌な波乱含みのレースでしたが残り100メートル程で猛然と追い込んできたのは柴原さんとラインストーム!!!
堂々の差し切り勝ちでついに100勝を達成しました!!
私達も「ヤッター!!!」と叫んで喜びを分かち合いました。
その後ゆちさんは多分行われるであろうサイン会に備えて台のある方へ、私は写真を撮るベくお立ち台のほぼ正面へ。
柴原さんが出てくるのを今か今かと待ち侘びていると左の隣の隣にいたおじさんに「ちょっと嬢ちゃん、嬢ちゃん!」と声をかけられました。
おじさんの話によると、どうやら私とおじさんの間にいたおばあさんのカメラ付き携帯の使い方を自分は解らないから教えてやってほしいとのこと。
「DoCoMoやからな。なんとかしたってえな!」
そんなこと言われても私SoftBankなんで~とも言えずf^_^;、見ず知らずの方の携帯を恐る恐るいじりまわし、なんとかカメラ機能を発見。
おばあさんにここを押して次はここでカメラが起動しますんで、と使い方を伝授してあげた後、おばあさんが衝撃の一言を。
「ありがとうね~。普段はこんなの使わないんだけど初孫やからね…」
え?ま、まさか??
「もしかして柴原さんのおばあさまですか?」
と恐る恐るお聞きするとどんぴしゃり。その方は柴原さんのおばあさまだったのです!!
ぺこぺこしながら本当におめでとうございます!とお祝いを言った後、少しだけお話させてもらったのですが、今日は自分とお母さん(柴原さんの)が来ていて彼女はたぶんどこかに隠れてる、お父さんの方は家にいるとのことでした。ちなみに隣の隣にいたおじさんは赤の他人だった模様。約半年ぶりの勝利ですよね、ファンなので本当に嬉しいです。とお伝えすると
「ええ、本当に…」
と涙ぐまれていました。
これには私も胸を打たれ、じーんとしてしまいました…
ついに主役登場。
無事に口取り式が終わった後はインタビュー開始。
おばあさまは合間に
「央明~」
と嬉しそうに声をかけていました。
写真からもわかるように、ほぼお立ち台の真正面にいたおばあさまの声は柴原さんにもしっかり届いていたのでしょう。チラッとおばあさまの方を見て少し恥ずかしそうに微笑んでいました。
「やっと勝ててよかったです。一つ勝つのも大変だと思いました。これからも、一つでも多く勝ってみなさんに喜んでもらえるよう頑張ります」
半年間、リーチがかかったままだった彼の言葉はとても深く胸に響きました。
私は係だったこともあり、この時まで必死に写真を撮り過ぎて気付かなかったのですが、隣のおばあさまは写真を撮ると張り切っていたはずなのになぜかその気配がありません。
いざ、本番になると嬉しくて慣れない携帯の操作なんてする余裕が無くなってしまったのかも?と思い、思い切って
「私が撮りましょうか?」と声をかけると
「お、お願いします」とのお返事。
おばあさまにも見えるように携帯を持って「これでいいですか~?」と、2枚程代わりに撮らせてもらいました。
そして、滞りなくインタビューが終わると、撮影を終え散りじりになったカメラマン達を掻き分け、なんと主役の柴原さんがこちらへ向かってきました!
そのまままっすぐこちらにやって来た柴原さんが正面にいたおばあさまに向かって差し出したのは記念品のターフィ君人形。おばあさまは目に涙を溜めながら本当に嬉しそうに大事なお孫さんからのプレゼントを受け取っておられました。
私はその隣でじーんとしながらニコニコ突っ立っていたのですが、なんと、柴原さんから笑顔で会釈を頂いてしまいましたvvv
口取り式前の私による携帯操作法講座のことは知らないはずですが、インタビュー中に私がおばあさまの代わりに写真を撮っていたのは(なにせ真正面だったので)ご覧になられていたのだと思います(汗)そのお礼だったのでしょうか?久々にドキドキしました。
サイン会中の柴原さん。
私の師匠である
船長さんがブログで既に書かれていることですが、柴原さんはあの四位さんも認める巧い騎手なんだそうです。
なにかひとつでもきっかけがあれば、もう一度飛躍出来ると私も信じています。
私だけじゃない、ゆちさんも、そしてなにより柴原さんのことを愛してやまない大切な家族が見守っています。
ソリッドプラチナムもカネトシリベルテも次走はチャンスだと思っています。
どうか、どうか、乗り変わることなく柴原さんにチャンスが廻ってきますように…