SMEI / ドラベ症候群 / 重症乳児ミオクロニーてんかん について

SMEIの診断を受けた長男に関連して調べたことたち

SCN1A遺伝子の変異が生じるタイミング

2013年10月27日 | 病因など

 

Timing of de novo mutagenesis--a twin study of sodium-channel mutations.
N Engl J Med. 2010 Sep 30;363(14):1335-40

新規の遺伝子変異は散発的に生じる疾患の原因であるが、その変異が生じるタイミングについてはよく知られていない。
重度のてんかん脳症であるドラベ症候群の原因となるSCN1A遺伝子の新規変異がある、遺伝子が一致したまたは不一致の一卵性双生児について研究を行った。 

SCN1Aのヘテロ接合の変異はドラベ症候群の患者の70-80%に認められる。
これらの変異は、95%は新規発生であり、なぜ両親や兄弟が罹患していないのかの理由となっている。
末梢血のリンパ球から得られた両親の変異のない遺伝子により、通常のメカニズムでは両親の生殖組織(精巣または卵巣細胞)における自然突然変異が関与していることが推察される。
今回、SCN1A遺伝子変異のタイミングをドラベ症候群の発症で一致しない一卵性双生児における異なる胚細胞組織の系統を評価することで研究した。

研究結果とモザイク症例についての文献に基づき考察するに、SCN1Aの新規変異は胎芽の桑実胚の前段階(対象者で疾患が生じる変異)から成人期まで(子に疾患を生じる親の生殖系列細胞の変異を伴う変異)どのタイミングでも起こりうると結論づけられる。

接合後の変異も否定できないが、ほとんどのドラべ症候群では新規変異が(大抵は父親の)配偶子(gametes)で生じると考えられている。
桑実胚前の(おそらく2つの細胞の段階で生じた)変異が双生児例(pair 3)の治験から証明された。 
体細胞モザイク現象により軽度の症状を有する両親(父親または母親)にドラベ症候群の子どもが生まれる。
父親の生殖細胞系のモザイクは成人の精巣で生じ、母親生殖細胞系のモザイクは精母細胞は胎児期の5カ月までに成熟するため、早期の発達段階で生じる。
生殖細胞系のモザイクは健康な両親から複数のドラベ症候群の子どもが生まれた場合に示唆される。

 

 

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