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がしらのブログ

~回遊根魚の独言~

土地を離れるということ

2011-04-24 00:23:33 | Weblog



近所に伝わる昔話を思い出しました。


昔々、ある人(近所の方のご先祖さん)が、山を開墾し、畑(田んぼ)を作ったそうです。


その後、その方は戦に行くことになり、そして戦死されたそうです。

そして遺族の方・後世の方が、その畑の傍に塚を築き、その方をお祀りしたそうです。


時は流れ、後世の方が「近くに墓地があるから、そこに塚を移動してまとめてはどうか」ということになり、

塚の石を墓地に移したそうです。


すると、その後、作業した方が高熱などでうなされ大変だったとのこと。

「やはり、塚はあの場所から動かしてはならない」と、元に戻しました。


聞くところによると、その後もう一回移動したが、やはり体調不良など良くない事が起こり、

元に戻したとのこと。


苦労して築き上げた土地への思いは、並大抵の物ではないのだろう。


というお話。

実際に塚は存在します。


作物を作り生きていくため、家族・子孫のため…

重機も無い時代、人力で木を切り 山を削り 石垣を積み 平地を作るのは大変だったと思います。

山間の段々畑を見る度にそんな事を考えてしまいます。


そして、その土地を代々受け継いで来た方が、もし災害でその土地を離れなければならなくなったとしたら…

ほんの一時避難ならまだしも、放射能汚染で数十年は農地として使えないとなると…


僕には言い表せません、その当事者でないと分からない気持ちがあると思います。。。