今回の地震では少しだけ安心したことがある。それは地震で原子炉が緊急停止したことだ。うまく地震で炉が停止したのは不幸中の幸いだ。もしもこれが何かのことで停止しないでそのまま核分裂反応が促進する方向だとしたらこの程度の災害では済まされなかった。チェルノブイリの二の前の事故になれば日本国はどうなっていたのだろうかと思うとぞっとする。原子炉は地中深くかたい岩盤の上に設置されて運転も細心の注意を払い自動制御運転されている。ここに地震というリスクがあることは当然に計算されていた。しかしそれは少し甘い計算だったということが今回発覚した。それからこの事故で活断層の調査に手心を加えて建設に踏み切ったことが少し気がかりです。現在日本の原子炉は約50基が稼働している。そのほとんどすべてが固い岩盤の上に設置されているがその岩盤はすべて活断層と影響のある岩盤であることは間違いない。建設時は何も影響のない硬い岩盤。しかしそれはたまたま何も影響がなかっただけである。今回もそのようではあるが活断層がその下に潜り込んでいるのがわかった。稼働している原子炉を停止するのはたやすいがこの稼働を止めずに運転し、安定的な電力の供給をすべきである。また今回の緊急停止のように安全に停止できるような装置の確認試験も定期的に行うべきである。