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物件 38

2021-12-07 10:09:18 | 日記
目がうっすらと人影の存在を捉えた。

痩せた短めの髪の女の子のように見えた。

表情は見えなかった。

だけど、そんなにこわい顔をしているようには見えなかった。


「まり…ちゃ…ん」

声になったのかならなかったのか…。

枝美ちゃんは、息苦しい呼吸の中、声を出そうと必死だった。

『ご…め…ん』

おそらく『ごめん』は、声にならなかったと言う。

だけど、何か起こるかわからない恐怖の状況で、とりあえず謝ることだけはしないと…と、思った。

…すると、許してくれたのか、そうじゃないのか…、足首の圧迫は緩まった。

『許してくれた…』

…と、思ったが、



『すぅ~~…』

っと、息を感じる。

もう一度、開かない目を何とか少しだけ開けて見た。

人影が、まりちゃんがさっきより近くに来ている。そして、枝美ちゃんの顔を覗き込んでいる。