パワーストーン 15

2021-02-28 08:56:49 | 日記
今度はA子の方から別れ話をした…。
だけど、「まだ別れたくない」というA子の彼氏。

「パワーストーンに、熱心にお願いしていたから、効き目が強すぎたのかな?」

「今は?もう、お願い事はやめたんでしょ?」

「ううん、続けてる」

「え?!まだ続けてるの?!💦」

「あ、前の彼のことは、もうお願いしてないよ。新しい彼氏と上手く行くようにだよ。しかも、新しいパワーストーンにね。」

「…そうなんだ…。だけど、このままでは良くないと思うよ。二股はだめだよ。」

「そうだよね。私もそう思ってる。」

A子は、早急に前の彼氏と別れることを宣言して帰っていった。

そして、しばらくして、また、A子から「会おう」と連絡があり、会うことに。

「これ、見て」

A子が見せてくれたのは、前の彼氏と上手く行くように…とお願い事をしていたパワーストーンのブレスレット。
そのブレスレットは、箱の中の、さらに包装されたビニール袋の中で、弾けてバラバラになっている。

「壊れてる…」

「そうなの…。どのタイミングで壊れたのかわからないんだけど…、前の彼氏にきちんと別れて欲しいと伝えて、このブレスレットを処分しようかと思って久しぶりに開けてみたら…こうなっていて…。持ってて大丈夫かな?」

A子は、このブレスレットは、大切にするあまり包装されたビニールから取り出すこともしてなかった。…なのに、色褪せて、壊れている。

その頃、パワーストーンには少し詳しくなっていた私は、パワーを使い果たした後の処分の仕方を知っていたので、A子に伝えた。





パワーストーン 14

2021-02-27 07:57:46 | 日記
新しい彼氏が出来て生まれ変わったかのように、イキイキキラキラしているA子、しかも、元の彼とも付き合いは続いているという…。

「別れてないの?二股?」

「それがね…。実は別れよう…って言ったの。しかも、今度は私の方から」

「新しい彼氏がいること知ってるの?」

「たぶん知ってると思う」

「たぶん?」

「うん。やっぱり二股は良くないと思って、若い彼と仲良くし始めた頃に、私の方から別れ話をしたんだけど…何かを察したのか、『まだ、別れないで欲しい』って。」

「まだ?」


A子は、浮気性の彼氏と別れて、自分だけを大切にしてくれる人を見つけた。
彼は、新しく出会った人の存在は知らないはずなのに、急にA子を大切にし始めたという…。
そして、別れ話をしようとした時、『まだ、別れないで欲しい』と。



パワーストーン 13

2021-02-26 07:17:12 | 日記
久しぶりに会ったA子の雰囲気が違っていた。

明るくて、何よりキレイになっていた。

彼と上手くいってるんだろうなぁ…と、思っていました。

「彼と上手くいってる?」

「あ…うん…。

何となく歯切れの悪い返事…。

「何かあった?」

「うん…上手く行ってるには行ってるんだけど…、新しい人と…なの」

「新しい人?!前の彼とは別れたの?」

「ううん…まだ…。別れようかと思ってる」

意外な展開に絶句した。

彼に別れを告げられ、ショックを受けて憔悴していた彼女と別人のようだ。

「今の彼は、すごく優しいの。年下なんだけど、すごく私を大切にしてくれるし、浮気なんてしないし…」

目の前にいるA子は、イキイキとしていて、5才は若く見える。そう言えば、着ている服はピンクのフリルが着いた少女のようなかわいらしい服だ。

「…で、何で前の彼とは別れないの?」

「うん…それがね…」

パワーストーン 12

2021-02-25 07:37:20 | 日記
一目惚れしたらしい高価なインカローズのブレスレットは、早速腕に着けていました。
アメジストの方は、同じく包装されたまま、仕舞い込むことに。。。

それから数ヵ月、忙しくなってA子とは会えずにいました。

A子は、新しく購入したパワーストーンにも同じように毎晩願いを込めてお願い事をしていたようでした。

そのせいなのか、とりあえず、彼氏と別れるようなことは無かったようです。

忙しかった仕事も落ち着いて、久しぶりにA子と会うことに。。。

会っていなくても、時々は連絡を取っていたので、A子の状況はわかっていました。

あれ?

久しぶりに会ったA子の雰囲気が変わった。

口紅が明るい?…いや、昔からだし。。。

ファッションがオシャレになった?…これも昔からだし。。。







パワーストーン 11

2021-02-24 07:23:16 | 日記
「新しいパワーストーン、買おうかな?」

「え?」

「もっと、私のお願い事が叶うように」

「もう、これ以上は、欲張らない方がいいんじゃない?」

「欲張り?私が?こんな我慢してるのに?」

結局A子は、新しいパワーストーンを購入することにした。

当時パワーストーンで有名なお店へ二人で向かった。

入店すると、A子はすぐに店員さんに相談した。

「とにかく、今の悩みから解放されたいの…。」

店員さんも困ってしまって、「う~ん…」と唸ってしまった。

そこで、店員さんは、様々なパワーストーンを紹介してくれて、A子もどれがいいのか悩んでしまっている。

「ね、どれがいいと思う?」

悩んでしまって、私に助言を求めるA子。

「元々持っていたアメジストが色が変わってしまったんだし、アメジストが相性がいいんじゃない?」

「そうだよね!」

A子は大きく頷いて、アメジストを手に取ると、さらにもうひとつ、店員さんがオススメしていた薔薇色のインカローズ。

インカローズは、なかなか高価なんです。
A子は一瞬戸惑いましたが、背に腹はかえられません。

お店から出ると、A子は満面の笑みで
「これで、大丈夫!」
と、つぶやいた。