マンションの怪 26

2021-08-31 08:27:31 | 日記
「夢遊病なのかも…。」

Y子は、何かしらの答えが欲しくて、『夢遊病』であるかも知れない…とつぶやいた。


翌日、Y子を連れて、知り合いの霊能力がある…という友人に会いに行くことにした。

霊能力があるという友人は、40代のある会社を経営する男性Fさん。

Fさんは、地方で有名なお寺さんの次男で、霊感があることは、公言していない。

お互い芝居が好きで観劇サークルに行った時に出会った。

Y子は、霊能力者に会うことを怖がっていた。

それは、今起きている奇怪な出来事を『怪奇現象』とされて認めざるを得なくなることが嫌だった。

だけど、もしかしたら飽くまで『夢遊病』かも知れない。そうなれば、「病院へ行った方がいいよ」と言われれば、解決の兆しが見えてくる。

だけど、Y子は、このまま解決しない状況が限界だった…。

結局、『霊能者』に会いに行く…という決断をした。


マンションの怪 25

2021-08-30 07:56:13 | 日記
Y子がベッドから落ちた。

どうやって落ちたのか…、

Y子は、横ではなく、枕元の方へ落ちていた。

ベランダのある方に。

しかも、枕側にある柵を越えて

Y子は、目を覚まして、状況が飲み込めないような顔をしてきょとんとしていた。

「Y子!大丈夫?!」

「……私、なんでここにいるの?」

「私も見ていなかったからわからない…。けど、すごく唸ってた…」

「夢の中に、子供が出てきた…。髪の毛を引っ張るの…。」

「女の子?…男の子?」

「女の子。『痛い、痛い』って言うんだけど、声が出なくて…」

…だから、唸ってたのか…。

「力ずくで髪の毛を女の子から引っ張って離したら、今度は男の子が出てきて、やっぱり髪の毛を引っ張るの…」

Y子の髪の毛はそんなに長くない。

「…また『痛い、痛い』って言って、後ろに逃げるんだけど、壁があって…。でも、なんとか逃げ出したくて、壁を乗り越えて逃げた夢だった…」

その壁が、ベッドの枕側の柵だったのかも…。💦

「やっぱりふたり…夢の中に出てきた…」

「…うん。…だけど、夢だったことがわかったじゃない?今までは、夢が現実かわからなくて怖かったけど、悪い夢を見ているだけだってことがわかったじゃない?」

「…だけど、結局、ベランダに立ってる…ってことは、私は夢遊病ってこと?」

「……そうなのかも…💦」









マンションの怪 24

2021-08-29 08:06:17 | 日記
ドシンッ‼️


え?!な、なんの音?

地響きのような音がした。

恐怖の限界ではあるけど、そっと、布団の隙間から外の様子を覗き込んだ。

何もない…。

そして、さっきから唸っていたY子が眠るベッドの上を見た。

あれ?Y子がいない。

「Y子!」

飛び起きると、Y子はベッドの下へ落ちていた。

落ちていたY子の様子を見て、凍りついた。

ベッドから落ちると言えば、左右どちらかだ…。

片側は壁で、もう片側は私が床に寝ていた。

だから、落ちるとしたら、私の側に来るのが普通なのだが…、

どうやって落ちたのか、Y子は、横ではなく、ベランダのある枕元の方へ落ちていた。

枕側にある柵を越えて

「Y子!」

彼女は、目を覚ます。

「大丈夫?」

Y子はきょとんとしている。

「すごく唸ってたし、ベッドから落ちたんだよ。しかも、柵を乗り越えて…!」

Y子は、状況が飲み込めていないようだった。


マンションの怪 23

2021-08-27 08:54:40 | 日記
"何者か"が、ミシ…ミシ…と、這ってくる。

Y子の寝息も唸り声に変わっている。

ズシッ…。

え?え?え?💦💦

足元…、布団の足元に何かが乗ってる…?

『Y子~!Y子~!』

あ、だめだ、声が出ない💦💦

何とかしないと💦

このままだと、"何者か"が、布団の上に乗ってくる💦💦




「あ~!!」

とりあえず、叫んだ。

すっと、布団が軽くなった。



助かった💦💦

ドシンッ‼️


え?!な、なんの音?

地響きを上げて何かがどこからか飛び降りたような音がした。

だめだ…。怖いけど、恐怖の限界ではあるけど、確認しないまま、このままで布団の中にこもり続けることは出来ない💦

そ~っと、布団をずらして、隙間から外の様子を覗き込んだ。